ヨハネス・ピロポノス(John Philoponus)「アストロラーベの使用法、構造およびそこに記されたものに関する論文(Treatise Concerning the Using and Arrangement of the Astrolabe and the Things Engraved upon It)」和訳 | Luminareo

ピロポノス「アストロラーベの使用法、構造およびそこに記されたものに関する論文」和訳

2020-08-21

ヨハネス・ピロポノス(John Philoponus)「アストロラーベの使用法、構造およびそこに記されたものに関する論文」(Treatise Concerning the Using and Arrangement of the Astrolabe and the Things Engraved upon It)について

6世紀の東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の思想家・ヨハネス・ピロポノス(*490頃〜†570頃)が書いた、現存最古のアストロラーベの解説書の、パブリックドメインな英訳を見つけたので、日本語に訳してみた。


今に伝わるアストロラーベの基礎となったのは、新プラトン主義の女性哲学者・ヒュパティア(*360頃〜†415)が大幅に改良したもの(シュネシオス「アストロラーベについて」和訳参照)な訳なんですが、このヒュパティアは強硬派キリスト教徒の暴動によって殺害されるなど、アストロラーベを含む古代ギリシアの天文学や哲学といった学問は西ローマ帝国の混乱と崩壊に伴って下火になってしまいます。

しかしながら古代ギリシア哲学は、7世紀にイスラム文化圏に拾われるまで、なおも東ローマ帝国(ビザンツ帝国)で細々と伝えられてもいてました。
この論文はまさにそんな時期に書かれたものに当たります。

この論文を書いたピロポノスは、どういう出身の人だったかは定かではありませんが、新プラトン主義の哲学者・アンモニオス・ヘルメイウ(*440頃〜†520頃)に師事し、20代の頃からアレクサンドリアで新プラトン主義を含むアリストテレス哲学(古代ギリシア哲学)の注釈書を書いた人でした。
独創的な思想家だったようで、その思想は次第に新プラトン主義を離れていき、論争を引き起こした後ついにアリストテレス哲学からも離れてしまい、最終的にはキリスト教神学に打ち込むようになりました。


ここで底本にしたのは、オックスフォード大学で古典学の研究をしていたハーバート・ウィルソン・グリーン(*1857〜†1933)による英訳「Treatise Concerning the Using and Arrangement of the Astrolabe and the Things Engraved upon It」です。
この英訳は、オックスフォード大学の科学史学者でありオックスフォード科学史博物館の設立者でもあったロバート・ガンサー(*1869~†1940)が1932年に出版した書籍「Astrolabes of the World」に収録されており、テキスト全文をこちらのサイトで読むことができます。
ところで、オックスフォード科学史博物館は、このサイト的にはネット最大のアストロラーベのデータベースでめっちゃお世話になっておりますわぁ!

なおこの論文の原著は「Περὶ τῆς τοῦ ἀστρολάβου χρήσεως καὶ κατασκευῆς καὶ τῶν ἐν αὐτῷ καταγεγραμμένων, τί ἕκαστον σημαίνει(ラテン語:De usu astrolabii eiusque constructione)」というタイトルで、ハーバード大学所蔵のものとかバイエルン州立図書館所蔵のものがネットで全文閲覧可能です。
古典ギリシア語の腕に覚えのある方は是非こちらもご覧になってみてください。
……いえあの瀬野にはギリシア語は「It's Greek to me」ですので。

……ところでこの英訳、訳者の人内容わかってないよね?どうも意味が取りづらい箇所が多々あったため、和訳にあたっては2015年発行の独訳版も参考にしました。
しかしそれにつけても恐らく、元のギリシア語原文も表現が非常に周りくどいことが察せられ(タイトルからしてお察しだよ!)、読んだだけではなかなかに意味不明な文章です。
アストロラーベの構造および各パーツの名称を頭に叩き込み、アストロラーベのモデルを使って実際に動かしながら、読み進めることをオススメします。

「アストロラーベの使用法、構造およびそこに記されたものに関する論文」・目次

アストロラーベの使用法、構造およびそこに記されたものに関する論文

本文

John Philoponus of Alexandria,

Treatise Concerning the Using and Arrangement of the Astrolabe and the Things Engraved upon It: That is to say, What Each Signifies.

in R. T. Gunther, Astrolabes of the World, Oxford (1932) pp.61-81.
Translated by Herbert Wilson Greene

アストロラーベの使用法、構造およびそこに記されたもの(つまりそれが何を意味するか)に関する論文

ロバート・T・ガンサー「Astrolabes of the World」(1932)所収
ハーバート・ウィルソン・グリーン 英訳

The explanation of the surface of the sphere, and the causes of the things engraved upon it, its use, and the number and nature of the purposes for which it is serviceable, I will try to set out as clearly as I can.
The subject has already been treated sufficiently by my teacher the philosopher Ammonius, but still requires to be further elucidated so that it may be easily apprehended by those also who are not instructed in such matters.
This some of my friends have urged me to do.
First, then, I will state what each of the things engraved upon it is.

球体の表面の説明と、そこに記されたものの原理、その使用法、そして実用的な目的のための数々の特質を、私にできる限りわかりやすく述べようと思う。

この話題は我が師である哲学者アンモニオスがすでに充分に取り扱っているのだが、このことをまだ教わっていない人々にも容易に理解できるように、さらに解説する必要がある。

何人もの友人たちがそうするようにと私に強く勧めた。

そこでまず、私はそこに記されたそれぞれの線が何であるかを説明する。

  1. マーテルの裏面(訳注:原文では「ルールがある面」)に記されたものと、その意味について。
    Concerning the Engraving on the Plane Surface, on which the Rule lies, and what is signified by each of the things engraved upon it.
    The two straight lines on the plane surface, on which the rule lies, cutting one another in the middle, correspond to the meridian line and the horizon: of these, the one descending from above from the ring whereby we suspend the instrument corresponds to the meridian line in each zone, the other cutting it in two at right angles corresponds to the horizon.

    アリダード(訳注:原文では「ルール」)があるマーテル裏面に記された、中央で交差する2本の直線は、子午線と地平線に相当する。
    これらのうち、器具を吊り下げるための上部のリングから下へと伸びる線は、各クリマ(訳注:英訳では「地域」)での子午線に相当し、その線と直角に交わるもう片方の線は地平線に相当する。

    (訳注:クリマ(クリマータ)とは、古代ギリシアの地理学や天文学で考えられた、地球の緯度帯による区分。文脈上では緯度そのものと考えても差し支えない。
    プトレマイオスアルマゲスト」2章12節の、人間が居住できる地域(オイクメネ)を昼の最長時間によって7つに区分したものが広く用いられ、原初のアストロラーベのティンパンはこのクリマ毎に制作されていた)

    On this latter, the one corresponding to the horizon, stands a semi-circle having this line itself as its diameter.
    This semi-circle corresponds to the hemisphere of the heaven above the earth.
    This semi-circle is cut in two by the other line, that descending from the ring, which we said corresponded to the meridian line, the cutting taking place by the upper end of the line near the ring.

    後者の地平線に相当する線からは、この線そのものを直径とする半円が立ち上がる。

    この半円は地平線の上にある天の半球に相当する。

    この半円は、前述の子午線に相当する、吊り下げリングから下へと伸びるもう片方の線によって2つに分断され、その交点は吊り下げリングのそばの線の上端にある。

    Each of the quadrants on either side has been divided into 90 degrees, on which the index of the rule falls, and thereby we determine the meridian height above the horizon of the sun, or any other star, how many degrees each hour it has been raised above the rising or the setting horizon.
    The ninetieth degree indicates the Sign at the summit in the case of each House, and the first [degree] what is next to the horizon itself, whether the rising or the setting one, as the using of the instrument will teach us as we proceed.

    両側の象限(四分円)はそれぞれ90度の角度の目盛りに分割されており、その目盛りにアリダードを置いて、太陽やその他の天体の高さが、東や西の地平線から1時間ごとにどのくらいの角度であるかを測定する。

    90度目の目盛りは各測量地における天頂を象徴し、地平線に接する0度の目盛りは地平線そのものを表し、それが東側であれ西側であれ、この器具の使い方はこの先に説明する。

    It is not the case, however, that in all astrolabes both quadrants have been divided into the ninety degrees, but only one of them, for one, whichever it happens to be, is enough for our observing.
    For it is possible to know by either [quadrant] how far the sun, or any other star, has been raised from the setting or from the rising horizon.
    But that we may find it easy to observe when the instrument is suspended with either hand, in some cases both the quadrants have been engraved.

    しかし、全てのアストロラーベで両方の象限に90度の目盛りがある訳ではなく、片方にしかないこともあるが、観測においてはそれで十分である。

    というのは、太陽またはその他の任意の天体が東西の地平線からどれだけ上昇しているかは、どちらか片方の象限で測定できるからだ。

    だが、器具をどちらの手で吊り下げても観測しやすいように、両方の象限に目盛りが記される場合もある。

  2. ティンパン(訳注:原文では「クリマが記された平板」)に記されたものについて。それぞれの意味と、黄道の傾斜角について。
    Concerning the Engraving on the Tablets, on which the Zones have been engraved: to what each of the things engraved corresponds, and the Number of Degrees of the Obliquity of the Zodiac.
    The engraving then of the plane surface, on which the rule lies, has been ordered in this fashion: that of the tablets, on which the zones have been engraved, is as follows.
    On each plane surface of a tablet there are again two straight lines similarly cutting one another, one of which, coming through as from the ring downward, corresponds again to the meridian line, and the other to the horizon.
    For they are the same as those on the opposite side, on which the rule lies.
    It will therefore be necessary to fit the former on to the latter in the same line.

    マーテルの裏面に記されたものは前述の通りである。
    各クリマ用のティンパンに記された線は次のようになっている。

    各ティンパンの表面には、再び同じように交差する2本の直線があり、そのうち吊り下げリングのところから下へと伸びる線はこれも再び子午線に相当し、もう一方の線は地平線に相当する。

    これらは、マーテル裏面に記されたものと同じものだからである。

    そのため前者の線は後者の同じ線に合わせなくてはならない。

    There are also circles engraved on the upper part of the tablet, that next to the suspending ring: in the complete astrolabes ninety, in the bipartite forty-five, in the tripartite thirty, or as the engravers please: of these, the outer and larger corresponds to the horizon, and, if it were possible to extend the circle, it would fit on to the straight line cutting the meridian line.
    Since, however, this is impossible, it naturally results that, being curved, as great a distance of it as falls below at the middle of the straight line, so much on either side it has been raised above its ends.
    But the straight line as on a plane surface separates the hemisphere above the earth from that beneath it, but the circle does so as on a sphere.

    吊り下げリングに接するティンパンの上半分には、いくつもの円(訳注:等高度線)が記されている。
    それは製作者の意図により、完全なアストロラーベ(訳注:度数目盛りが全て記されたアストロラーベ)なら90個、2分の1アストロラーベ(訳注:目盛りが2度ごとに略されたアストロラーベ )なら45個、3分の1アストロラーベ(訳注:目盛りが3度ごとに略されたアストロラーベ)なら30個などの等高度線が記される。
    これらの等高度線のうち外側の最も大きな円は地平線に相当するが、もしこの地平線の円を延長できるなら、子午線と交差する直線に一致することだろう。

    しかしながらそれは不可能で、当然ながらその結果、この円は中央ではその直線の下に来て、両端ではその直線より高い位置に来るような、大きな角度でカーブしている。

    盤面の直線が大地を地上の半球と地下の半球に分けているが、それと同様にこの円もまた球を半球に分けている。

    The inner and contained circles are parallel to the horizon, standing apart from one another from the horizon itself to the upper one which corresponds to that above the earth, in complete astrolabes by one degree, in the bipartite and tripartite ones by two or three [degrees], so that the hemisphere above the earth is cut by them after the fashion of a crown, in a placing similar to that occupied by the parallel circles in the millstone-like placing of the whole.
    Hence the inner ones, higher than those near the horizon, are always necessarily smaller, inasmuch as they cut off a lesser rim of the hemisphere above the earth.

    内側に含まれるいくつもの等高度線の円は地平線に平行で、地平線そのものからは互いに離れた地上部分であり、完全なアストロラーベなら1度ずつ、2分の1アストロラーベや3分の1アストロラーベでは2度や3度ずつ上方に対応しており、そして地上の半球は、全体を石臼状に占める平行な円が配置されるように、冠のような形に分割される。

    したがって内側の等高度線は、地平線から高くなるにつれ、より小さな外周で地上の半球を分割するので、必然的に小さくなる。

    On the sphere are drawn the said circles, to which those on the instrument correspond, as regards the central point, to the Sign at the summit of each House, as regards distance, the horizon to that coming through from that at the summit to that about the diameter of the whole, the others ever in succession to the distance of this, we further removing either one degree, as in the case of the complete astrolabes, or two or three, as in those of the bipartite and tripartite ones.
    It is plain that as this distance is of ninety degrees, for it has only the rim of a quadrant, the removal only takes place up to the point where the distance from that at the summit amounts to one degree, as in the case of the complete astrolabes, or to two or more, as in the other cases.

    天球には、器具上の等高度線に対応した前述の円が、各測量地での天頂を中心として、天頂から地平線まで、全体の角距離から完全なアストロラーベでは1度ずつ、2分の1アストロラーベや3分の1アストロラーベなら2度や3度ずつ差し引いた角度で、続けて描かれている。

    全体の角距離とは単に象限の外周なので、これが90度であることは明白で、天頂からの角距離は、完全なアストロラーベの場合1度ずつ、あるいは他の場合は2度やそれ以上の度数ずつ減っていく。

    The intermediate sign then of the circles, on which has been inscribed the ninetieth degree, corresponds to that at the summit of each house, so that this sign is equivalent to that at the upper end of the line in the other tablet, on which the rule lies, that by the suspending ring itself.
    For on each the same number that of 90 degrees lies.
    The meridian line, to which we said the line from the ring corresponded, coming down through the circles themselves, cuts these circles in two, so that the left-hand semi-circles, when the instrument lies facing us, are the rising ones, on which Rising has been inscribed, which the sun or each of the fixed stars moving from the Rising to the meridian, now one now another, touches.
    Those on the right are the setting ones, on which again Setting has been inscribed, which it [i.e. the sun] touches being borne from the meridian to the Setting.
    It is plain that owing to the shortness of the instrument not all the circles are complete, but the outer and larger ones falling over outside the circumference of the tablet are only half completed.

    これらの等高度線の中央の90度と記された点は、各測量地での天頂に相当していて、吊り下げリングに直接接する、マーテルの裏面の線の上端と同じ意味を持つ。

    そのためそのそれぞれに同じく「90度」と記されている。

    吊り下げリングのところから伸びる線は、子午線に相当すると前述したが、これらの等高度線を2分しており、その左の半円は器具を我々に向けたとき東側にあたることから、そこには「東」と記され、太陽またはそれぞれの恒星はそれぞれに動いて東から子午線へと到達する。

    右の半円は西側にあたり、そこには「西」と記され、それ(太陽)は運行によって子午線から西へと到達する。

    器具の大きさが限られるために全ての等高度線は完全ではなく、外側の大きな円はティンパンの外周をはみ出して不完全な円にしかなっていないことは明らかである。

    There lies on the circles their number, from the first to the ninetieth, for the distance from the horizon to that at the summit is, as I said, of so many degrees.
    And further, let this be clear, that the beginning of the counting is from the horizon, the same numbers having been written upon each of their semicircles, the rising and the setting, as in the case of the outer and half-completed ones.
    For in the case of the inner and completed ones the number of the circles has been ranged along the line of the meridian line.
    It is clear, I think, that in the case of bipartite and tripartite astrolabes the distance between the circles is cut into those that have been left on one side.
    These circles are equivalent to the degrees written on the quadrant of the plane surface on which the rule lies, which we discussed at the beginning.

    (訳注:ティンパン上の)等高度線には、地平線から天頂までの角距離として、前述したように、度数を示す1から90までの数が記される。

    さらに明確にしておくと、度数は地平線から数えるが、外側の不完全な円では、それと同じ数字がそれぞれの半円の東側と西側に書かれている。

    内側の完全な円ではその数は子午線に沿って並んでいる。

    2分の1アストロラーベや3分の1アストロラーベの場合、等高度線間の角距離は省略された円(訳注:原文では「別の側に残された円」)で分割されているのは明らかだと思う。

    これらの等高度線は、冒頭で説明した、マーテルの裏面の象限に書かれた度数に相当する。

    The semi-circle then of the tablet on which the aforesaid circles were engraved corresponds to the hemisphere above the earth, as the remainder does to that beneath it, which has been divided into twelve sections according to the number of the twelve hours, which the sun makes being in either hemisphere, in that above or in that below the earth.
    On these lines is laid [inscribed] the number of the hours, the first hour beginning from the setting part for a reason we will state further on.

    前述の等高度線が記されたティンパンの半円は地上の半球に相当し、地下の半球に相当する残りの部分は、地上地下どちらかの半球で太陽が作る12時間の数にそって、12の部分に分割される。(訳注:不定時法の時間区分線)

    それらの線には時間数が記されており、最初の1時間は後から述べる理由によって西から始まる。

    There are yet three other circles engraved on the aforesaid parallel circles, cutting them and containing one another.
    Of these the inner one corresponds to the circle of Cancer.
    When then the Arachne is brought round, you will see the first degree of Cancer, in which the sun makes its summer tropic drawing this circle.
    Whence the part of it above the earth is greater, that is the part of it borne through the parallel circles: that beneath the earth is smaller, that is what (is borne) through the remaining part of the tablet, on which the lines marking the hours have been impressed, and which, as we have said, corresponds to the hemisphere beneath the earth.

    前述の等高度線(訳注:原文では「平行な円」)の上に交差して、さらに3つの円が互いを囲んで記されている。

    このうち最も内側のものは北回帰線(訳注:原文では「巨蟹宮の円」)に相当する。

    リートを回転させると、夏至点(訳注:原文では「太陽の夏の回帰点」)にあたる巨蟹宮0度がこの円を描くことに気が付くだろう。

    地上にあたる部分、つまり等高度線を通る部分は大きい。
    地下にあたる部分、つまり不定時法の時間区分線が記されたティンパンの残り(を通る)部分は小さく、前述の通り地下の半球に相当する。

    The circle second to this, which immediately contains it, corresponds to the Equinoctial, whence the two equinoctial signs, the beginning of Aries and that of Libra, pass through it, and both its semi-circles are equal, that which is drawn through the parallels which is the one above the earth, and that through the lines marking the hours, which indicates what is beneath it.
    Of these two circles only the semi-circles beneath the earth have been impressed on some instruments, the rest which ought to be borne through the parallels are left to the imagination because the engravings of the parallels are not cut by them.

    それ(訳注:北回帰線)を次に囲む2つ目の円は赤道に相当し、2つの分点である白羊宮0度と天秤宮0度がこの円を通っており、そしてその地上部分の等高度線を通る半円と、地下部分に相当し時間を示す線を通る半円は、どちらも等しい。

    この2つの円は、一部のアストロラーベでは地下の半円のみが描かれるが、これらの円が等高度線とは交差しないようにするためで、等高度線を通るはずの残りの部分は想像に任される。

    The third which contains them both is in a line with the circle of Capricorn, whence the beginning of Capricorn, in which the winter tropic takes place, passes through this.
    Consequently the portion of this circle above the earth, i.e. that drawn through the parallels, is smaller, and that beneath the earth, i.e. that drawn through the lines indicating the hours, is greater.
    Of these three circles, I mean, those of Cancer, of the Equinox, and of Capricorn, the first of the parallels separates in each case the section above the earth from that beneath it, since we said that it corresponds to the horizon.

    これら両方の円を囲む3番目の円は南回帰線(訳注:原文では「磨羯宮の円」)の線であり、冬の回帰が生じる磨羯宮0度の点がここを通る。

    したがってこの円の地上部分、すなわち等高度線を通って描かれる部分はより小さく、地下部分、すなわち時間を示す線を通って描かれる部分はより大きい。

    この3つの円、つまり北回帰線・赤道・南回帰線は、地平線に相当すると述べた最初の等高度線と交差して、地上部分と地下部分とに分けられている。

    From the circle of Capricorn to that of Cancer the width of the zodiac is forty-seven degrees, narrow first forty-eight and second forty.
    The distance from the Circle of Capricorn to that of Cancer is forty-eight degrees, as we can know from the inscription on the parallels.
    For that of Cancer is distant towards the north from the equinoctial twenty-four degrees, as that of Capricorn is towards the south another twenty-four degrees.
    For having adjusted the Arachne to any one of the zones, and marked the parallel where the beginning of Capricorn touches it at the meridian line, and secondly again where those of Aries and Libra do so, and thirdly where that of Cancer does so, and counted up the parallels in between, you will find from Capricorn to Aries and Libra twenty-four parallels, and from them to Cancer twenty-four more, so that the distance from Capricorn to Cancer is forty-eight degrees, over which distance the obliquity of the zodiac extends.

    南回帰線から北回帰線までの黄道の幅(訳注:緯度の差、角距離)は、47度48分40秒である。

    北回帰線から南回帰線までの角距離は、記された等高度線からわかる通り48度である。(訳注:端数が丸まっている)

    というのは北回帰線は赤道から北方へ24度の角距離に、南回帰線は同様にまた南方へ24度の角距離にある。

    任意のクリマ用のティンパンにリートを取り付け、磨羯宮0度(訳注:冬至点)が子午線に接する箇所の等高度線と、次に白羊宮0度(訳注:春分点)と天秤宮0度(訳注:秋分点)が子午線に接する箇所の等高度線と、3番目に巨蟹宮0度(訳注:夏至点)が子午線に接する箇所の等高度線に印をつけ、それらの等高度線の間隔を数えると、磨羯宮0度から白羊宮0度・天秤宮0度の間には24本の等高度線が、それらから巨蟹宮0度までの間にはさらに24本の等高度線があり、磨羯宮から巨蟹宮までの角距離は48度であることがわかるが、これが黄道の傾斜の角距離である。

    (訳注:南回帰線から北回帰線までの緯度の差「47度48分40秒」は、プトレマイオスによる「アルマゲスト」の1巻15章で算出された黄道傾斜角(23度51分20秒)に基にした記述と思われるが、そうであればここは「47度42分40秒」となるのが正しい)

    (訳注:この文献も含む近代以前の天文学では、黄道とその黄経は常に黄道十二宮によって表現される。
    なお黄道十二宮と12星座は一般的に混同されているが、実は全く別の概念であることに注意。
    12星座は、おなじみ全天88星座のうち黄道近辺にある12の星座のことである。
    しかし黄道十二宮とは、黄道を春分点−秋分点の軸を基準に12等分し、それぞれに象徴(サイン)を割り当てさらに30等分したものである。
    黄道十二宮と12星座との間にはサインの名前の由来以外に関係がない)

    The zone has also been inscribed for which the engraving has been made on each plane surface, as has also the number of equal hours of which the longest day consists in that zone, and of the degrees which the said zone is distant from the equinoctial.
    It is obvious that the north pole has been raised above the horizon by the same number of degrees as the south pole is distant from it beneath the earth.
    For it is plain that by as much as each house is distant from the equinoctial, by so much is the north pole raised above the horizon, and the south pole removed from it beneath the earth.

    ティンパンは各クリマに合わせて製作され、そこにはそのクリマの日の出から日没までの定時法で最長の時間数と、赤道からその緯度までの角距離が記載される。

    地平線からの北極までの仰角と、地下にある南極までの俯角が同じであることは明らかである。

    なぜなら赤道から(訳注:各クリマまでの)角距離は、地平線から北極までの角距離に等しく、南極も同じだけ地下の方にあることが明らかだからである。

    In some astrolabes, and especially in the complete ones, the plane itself too, on which the rule lies, has been engraved for each one of the zones.
    In some of them the outer edge has been divided into three hundred and sixty degrees.

    アストロラーベの中には、特に完全なアストロラーベには、マーテルの裏面にとあるクリマ用のティンパンが記されたものがある。

    そういったアストロラーベの中には、縁に360度の目盛りが記されたものがある。

  3. リート(訳注:原文では「Arachne(蜘蛛)」)に記されたものについて。
    Concerning the things engraved on the Arachne.
    So much then for the tablets and the meaning (or, object) of each of the things engraved upon them.
    The Arachne which is laid upon them has the zodiac and some of the brighter of the fixed stars.
    The complete circle on it beginning from outside is the zodiac, the others, which are half completed, contain certain of the fixed stars, of which we will speak in due season.

    ティンパンとそこに記された線の意味(または、そのもの)については以上である。

    ティンパンの上に置かれるリートには、黄道といくつかの明るい恒星が記されている。

    その外縁から始まる完全な円が黄道で、残りの不完全な円にはいくつかの恒星が含まれているが、これについては後ほど説明する。

    On the zodiac have been engraved its twelve signs from Aries to Pisces.
    In the complete instruments each sign of the zodiac has been divided into thirty degrees, in the bipartite into fifteen and in the tripartite, as is obvious, into ten, as was the case in the drawing of the parallels.

    黄道には白羊宮から双魚宮まで12のサインが記される。

    等高度線と同じように、黄道上の各サインには完全なアストロラーベでは30個の目盛りが、2分の1アストロラーベでは15個の目盛りが、3分の1アストロラーベでは明らかに10個の目盛りが記される。

    The beginning of the degrees of each sign of the zodiac is at the part where its first line has been drawn, or, to put it otherwise, at the part where is the sign of the zodiac preceding it.
    For example, the sign of the zodiac preceding Aries is Pisces: the beginning then of Aries is from the part next Pisces, and so in every case.
    Of the lines that indicate the degrees: some come right through the width of the zodiac, others only half-way: the beginning of each sign of the Zodiac is from the line which comes right through, for that is the end of the preceding sign of the zodiac, and the beginning of the following one.

    黄道十二宮の各サインの開始点はその最初の目盛りがあるところであり、これは一方で先行するサインの一部でもある。

    例えば、白羊宮に先行するサインは双魚宮である。
    白羊宮の開始点は双魚宮に隣接する部分であり、全ての場合でそうなっている。

    度数を表す目盛りは、黄道の環の幅いっぱいまで引かれたものもあるが、他のものは半分まで引かれている。
    各サインの開始点は、前のサインの終わる点と、続くサインの開始点をちょうど通る線である。

    This then is the arrangement of the whole instrument, and now is the proper time to go through in detail what concerns the using of it.

    以上は器具全体の構造であり、そして次からは使用法の詳細へと進むことにする。

  4. 日中の太陽の観測についてと、アリダードを使ってそれを行う方法。
    Concerning the Observation of the Sun by Day, and how we may set about it according to Rule.
    If then we wish to take the hour of the sun by the instrument in the daytime, we suspend the instrument from the ring in such a way that its quadrant, the one cut up into the 90 degrees, inclines towards the sun, and afterwards bring round the rule little by little above and below after the said one and the same quadrant of the central point, until the ray entering through the hole of the rule facing the sun falls upon the other facing us.

    日中にこの器具で太陽から時刻を求めるには、器具をリングから吊り下げ、90度の目盛りがある方の象限を太陽に向け、それから、太陽に向けたアリダードの視準孔から入射する光線がこちらに向いたもう一方の視準孔に落ちるまで、アリダードをその象限の中心のところから少しずつ上下に回転させる。

    In order that we may not, by handling the instrument without rational method, find ourselves in difficulty with the rule, it is necessary to know that the instrument must be so placed that its outer edge, I mean the circumference, is shone upon by the sun, and each of the plane surfaces, as far as possible, is in the shade.
    The reason is this, that the sign on the suspending ring corresponds to the pole of the horizon, that is to say, the sign at the summit, while the circumference of the instrument corresponds to the parallel which the sun draws then being observed.
    It is necessary then that the circumference should lie so as to be on the same plane surface as the parallel which the sun then draws.
    And this will be the case if the rays of the sun themselves strike exactly on the edge of the instrument, as if the star (i.e. the sun) were lying upon it.

    不合理な方法で器具を扱って、アリダードの使用が困難になってしまわないように、器具の外縁、つまり外周部分は太陽に照らされるが、盤面のそれぞれは出来るだけ日陰になるようにする、ということを知っておく必要がある。

    その理由は、吊り下げリングの位置が地平線の極、つまり天頂の位置に相当し、器具の外周は観測された時点の太陽が描く等高度線に相当するからである。

    外周はその時点で太陽が描く等高度線と同じ平面になければならない。

    そして、まさに太陽の光線が器具の縁に正確に当たると、まるで星(つまり太陽)がその上にあるかのようになる。

    The instrument then having been placed in this position, it is necessary, as I said, to bring the rule round gently above and below to one and the same quadrant of the engraved semi-circle, that inclining towards the sun, until the rule having become in a straight line with the sun the ray of the sun having come through the hole of the rule so ordered as to face it passes through to the other [hole] ordered to face us.
    While the rule is being brought round, you will see a light of equal size and similar shape to the hole wandering about, and going now in this direction, now in that, with the movement of the rule.
    It is necessary then to bring round the rule gently, in this direction and in that, until we see the light introduced on to the inner plane surface of the sight-vane on our side, and fitting into its hole, when finally it happens that it becomes invisible as passing through vacuity.

    そのように器具を向けたら、前述したように、目盛りが記された半円のうち太陽に向けた方の象限で、アリダードの視準孔を通る太陽光線がこちらに向いたもう一方[の視準孔]を通るようにアリダードと太陽が一直線になるまで、アリダードを上下にそっと回転させなくてはならない。

    アリダードを回転させる間、ちょうどその時、その方向に、アリダードの動きに合わせて、視準孔に似た形で同じ大きさをした光がうろうろするのが見えるだろう。

    こちらの側にある視準板の内側へ差し込んだ光が、その(訳注:もう片方の)視準孔へと収まって、ついには虚空へと消えたかのように見えなくなるような、その方向へ、アリダードをそっと回転させなくてはならない。

    If at anyrate you bring your hand near the hole on our side you will see the light falling upon it.
    It happens that the light becomes altogether invisible if the hole by which it first enters is less than the other or exactly equal.
    For if it were found to be greater, it happens that the light falls outside the other upon the inner plane surface of the sight-vane facing us.

    いずれにしてもこちらの側にある視準孔に自分の手を近づければ、そこに光が落ちるのが見えるだろう。

    光が最初に入る視準孔がもう片方の視準孔より小さいか同じ大きさならば光は完全に見えなくなる。

    もしそれ(訳注:光が最初に入る視準孔)が大きければ、こちら側にある視準板の内側で、もう片方(訳注:の視準孔)の外側に光が落ちることになる。

    This done, it is necessary to mark with ink or something of the sort the line on which the index of the rule fell (i.e. the end of the little rod terminating in a sharp point) and to measure how great it is, beginning from below from the horizon, whether the observation is taken before the meridian or after it.
    For as many as are the degrees from the horizon, so great is the exaltation of the sun from the Rising or the Setting.
    Having marked then the degree, on which the sun is being observed, as, should it so happen, the thirtieth, it is necessary to take from the Calendar the sign of the zodiac and its degree, in which the sun is on that day of which we wish to find the hour, or by means of the method we are going to mention next.

    観測が正午前か後かにかかわらず、これができたら、アリダードの指標(つまり、小さな棒の末端の尖った先)が指す目盛りの線にインクか何かで印をつけ、地平線から始まる下から、どのくらいの角度かを測定しなくてはならない。

    地平線からの角度が、東または西(訳注:の地平線)からの太陽の高度に等しくなるからである。

    観測して、太陽の高度を記録し、例えばそれが30度だったとすると、時刻を求めたい日の太陽黄経(訳注:原文では「太陽の黄経のサインと度数」)を、天文歴から取得して、次に述べる方法を行わなくてはならない。

    Example.
    Let it happen to be in Aries in the twentieth degree.
    It is necessary then to mark with ink or wax, or something of the sort, the twentieth degree of Aries upon the zodiac on the Arachne, then next to look in what zone we happen to be while observing, and to take the tablet, on which the said zone has been engraved, and so adjust it to the present instrument that the zone we are seeking is outside of all.
    Then to place the Arachne upon the instrument, and if the observation is taken before midday we must take the parallel circle on the tablet of the said zone equal in number to the observed degree, as now, in supposition, the thirtieth, making the beginning of the counting from the part on which Rising has been inscribed, but if we make the beginning after midday, from the opposite part on which has been inscribed Setting.

    (訳注:太陽が)白羊宮20度にあるとする。

    インク、または蝋といった類のもので、リートの黄道の白羊宮20度の目盛りに印をつけ、それから次に観測が行われたクリマを見て、そのクリマ用に製作されたティンパンを取り、その求めたそのティンパンが一番外側になるように現在の器具に取り付ける。

    そしてリートを器具に取り付け、もし観測を行ったのが午前であったなら前述のクリマ用のティンパンで観測で得た高度、今の想定では30度、に相当する等高度線を、東と記された側から数え始め、観測が午後であったなら、反対の西と記された側から数え始めて探す。

    Then it is necessary to mark this circle with ink with numerous dots along nearly all the line.
    If, however, the astrolabe is not complete, but bipartite or tripartite, and the observed number of the degrees falls in the space between the circles, it is obviously necessary to cut the intervening distance correspondently, and to mark similarly with numerous dots from above to below the place where falls the number we are seeking.
    This done we must bring round the Arachne until the sign of the zodiac and the degree in it in which the sun is touch the parallel circle on which the sun is observed to be, and which we directed to be marked by numerous dots because it was uncertain which of them the degree of the sun will touch when the Arachne is brought round.
    This done, it is necessary to know that the instrument has been adjusted in the same position as that of the whole (? the universe) at that hour and in the same line with the whole.

    それからこの等高度線のほぼ全体に沿ってインクで多数の点をつける必要がある。

    しかし、もし完全なアストロラーベではなく、2分の1や3分の1のアストロラーベであって、観測で得られた高度が等高度線の間に来る場合、当然ながらその間の角距離に対応して分割し、同じように求める高度にあたるところの地上部分から地平線まで多数の点をつけなくてはならない。

    そうしたら太陽のある黄道のサインと度数が観測で得られた高度の等高度線に触れるまでリートを回転させなくてはならないが、ここで多数の点をつけるように指示したのはリートを回した時に太陽の度数の目盛りが等高度線のどこに来るか不確かだったからである。

    これが終わったら、器具がその時刻の全体(宇宙?・訳注:天球)と同じ位置で全体の同じ線(訳注:等高度線のこと)に調整できたことを知るべきである。

    After this it is necessary to take the degree of the sun according to diameter, as, in the present case, the 20th of Libra, and mark with ink on which sign of the tablet it has fallen.
    It falls altogether in that corresponding to the part of it beneath the earth; then counting thus the lines indicating the hours from the first of the setting, which makes the beginning from the setting part, declare the hours of the sun that have been completed, or the portion, if the degree of the sun according to diameter does not fall upon one of the lines marking the hours but in the intervening distance.

    その後、太陽と180度反対側の黄経(訳注:原文では「直径による太陽の度数」)を取り、今の場合であれば天秤宮20度となるが、その目盛りがくるティンパンの場所にインクで印をつけなくてはならない。

    それは完全に地下にあたる部分にくる。
    そうして不定時法の時間区分線を西の最初の部分から数えれば、経過した太陽の時間(訳注:不定時法による時刻)が、あるいは太陽と180度反対側の黄経の目盛りがもし任意の時間区分線上ではなくその間の角度にくる場合には(訳注:時間の)端数が、示される。

    And so in the afternoon observation.
    The only difference is this, that in the taking of the parallel circles in the observations before midday we begin the counting from the rising, and in those after it from the setting.
    In the taking of the hours, however, we always begin from the setting part, whether the observation is by day or by night, for the reason that we will now state.

    これは午後の観測でも同様である。

    唯一の違いは、午前の観測では等高度線を取るときに東から数え始めたが、この場合には西から数えることである。

    しかし、時刻を読むときは、後に述べる理由から、観測が昼であろうと夜であろうと、常に西の部分から数え始める。

  5. 不定時法の時間区分線(訳注:原文では「時間を表す線」)が地下の部分に記される理由、それらを(訳注:西から)数え始める理由、そして端数分の時間を確かめる方法。
    Why the Lines marking the Hours are engraved on the section corresponding to that beneath the Earth, and why we begin counting them, and how the Part of an Hour can be ascertained.
    Since Ptolemaeus always took the utmost pains to secure clearness and facility, and knew that if he made his engraving in that [part] corresponding to the hemisphere above the earth (in which he made the engraving of the parallel circles) he would have made confusion in the instrument, and made it difficult for users to distinguish which lines indicated the hours, and which the parallels, for this reason he has engraved the hours on the other semicircle.

    プトレマイオスは明確さと機能性を確保すべく常に最大限の努力をしていて、もし(訳注:不定時法の時間区分線を)地上の半球に相当する部分(等高度線を記した部分)に記すと、器具上で混乱が起き、どの線が時間を示し、どの線が等高度線を示すのか、使用者にとって区別が困難になると分かっていたので、このため彼はもう一方の半円に不定時法の時間区分線を記した。

    Then it being plain that as great as is the part of a circle above the earth, which the sun passes through in each degree, so great is that beneath the earth which the degree of the sun according to diameter draws (as, for example, as great a part of a circle as the twentieth degree of Aries draws above the earth, so great beneath the earth does the twentieth of Libra, and so in all those according to diameter), and that as far as the sun when above the earth is distant from the rising horizon, so much is its degree according to diameter beneath the earth from the setting horizon, it therefore makes no difference for the knowing of the amount of the distance of the sun from the Rising whether one divides this itself, or the degree according to diameter beneath the earth from the setting horizon.
    For, as we said, it has been shown to be equal.

    そして各黄経にある太陽が通る、地上の円の部分は、太陽と180度反対側の黄経が描く、地下の円の部分と同じくらい大きく(例えば、白羊宮20度が地上で描く円の部分と、天秤宮20度が地下で描く円の部分が同じ大きさであり、他の黄経とその反対側も全て同様である)、地上にある太陽の東の地平線からの角度は、西の地平線から太陽と180度反対側の黄経までの地下の角度と同じくらい離れていることは明らかであり、そのため分割されようがされるまいが、東から太陽までの角距離は、西の地平線から太陽の180度反対までの地下の角距離と、その大きさを知ることに何の違いもない。

    というのも、前述したように、それは等しいことが示されたからである。

    Since then owing to the confusion of the engraving [of the lines] he was not able to make the engravings of the hours in that [part] corresponding to the hemisphere above the earth, and consequently made them in the opposite one, for this reason he takes the degree of the sun according to diameter, and seeks how far this has been moved beneath the earth from the setting horizon, and declares that the movement of the sun above the earth from the rising horizon is equally great.
    This then is the reason of taking the degree of the sun according to diameter, whereby too the counting of the hours from the setting takes place under the hemisphere beneath the earth.

    そして彼(訳注:プトレマイオス)は、記されたもの[線]が混乱するので不定時法の時間区分線を地上の半球に相当[する部分]に記せなかったために、反対側の部分にこれを記すことにして、この理由から太陽と180度反対側の黄経をとって、これが西の地平線から地下へどのくらい移動したかを求め、そしてそれが地上での東の地平線からの太陽の移動が等しい大きさであることを示した。

    これが太陽と180度反対側の黄経を使い、また地下の半球で西から時間を数える理由である。

    In order that we may know exactly the amount of the portion of the hour when the degree of the sun according to diameter does not fall actually on the line of those marking the hours, but in an interval, we must mark with a dot the place where it fell, then having placed on the sign itself a reed moistened with ink, and kept it unmoved in the degree of the Arachne we have taken, and bringing it round together on the Arachne on each side as far as the lines marking the hours on each side, measure the whole line made by the ink on the tablet by a small cord or something of the kind, and then seek how great a part it is of this whole line up to the sign (i.e. the mark) on which fell the degree according to diameter of the observed (? degree).
    Thus the fraction of the hour, and its amount is declared.

    太陽と180度反対側の黄経が不定時法の時間区分線の上にぴったり乗らず、線の間にくる時に端数分の時間の量を正確に知るには、その目盛りが来た場所(訳注:ティンパン上)に点で印をつけ、そしてそこにインクをつけたペン(訳注:原文では「インクで湿らせた葦」)を置いて、そのリートの目盛りから(訳注:ペンが)動かないようにして、両側の時間区分線まで(訳注:不定時法の1時間分に相当)リートと共に(訳注:ペンを)回転させ、インクによってティンパンに描かれた線全体の長さを小さな紐か何かで測定し、そしてその線全体に対し、観測で太陽と180度反対側の黄経の目盛りが来た点(つまり印)までがどのくらいの長さかを求める。

    こうして時間の割合と、その量が示される。

  6. 別の方法。
    Another Method.
    We can discover the fraction of the hour in another and more technical way.
    It is necessary to watch how many parallels one of the indices ἐν τῷ μοιρογνώμονι of the Arachne passes through, wholly or in part, while the selected degree of the zodiac passes through the whole distance between the lines marking the hours on either side, on which it has fallen.
    Then again to look above how many parallels the same index passes through, or what part of one, while again the same degree passes through the sought-for part of the hour, as far as the sign between on which it has fallen, and so find out the relation (λόγον) of the part to the whole.
    Thus, for example, if the whole distance of the degree (μοιριαία διάστασις) passed through by the index is, let us assume, four parallels and a half, say that the part sought for is the third part of the hour.

    時間の割合は別のもっと技術的な方法で知ることができる。

    選んだ黄道の目盛りが来た時間区分の両側の線(訳注:不定時法の1時間分)の間を、その目盛りがその角距離全体を通過する間、リート上の恒星を指す指標のうちの1つが、等高度線をどれだけ、完全にあるいは部分的に、通過するかを観察しなくてはならない。

    そして再び、先の黄経の目盛りが来たところまでの、求めたい端数の時間部分をその同じ黄経の目盛りが通過する間、同じ恒星の指標が何本の等高度線、またはその一部を、通過したかを見て、全体に対するその部分の割合を求める。

    例えば、もし(訳注:黄道の目盛りが)全体(訳注:不定時法の1時間分)の角距離を通過する間、恒星の指標が4本と半分の等高度線を通過したとして、(訳注:黄道の同じ目盛りが端数分の時間を通過する間に恒星の指標が1本と半分の等高度線を通過したならば、)求める端数は1時間の3分の1であると言える。

    This it is possible to do on the instruments on which the outer edge of the tablets, or of the mater (δοχεῖον) itself that has been divided, has been divided into 360 sections of a degree by the index of the Arachne falling upon them.
    For having counted up how many degrees in the whole hour sought for the index passes through, and then again how many the same index passes through in the completed part of the same hour, what we seek, what amount it is of the whole, by the comparison of the measurements of these with one another, of those of the whole hour, and those of the part, we shall see how large a part of the whole is that which we are seeking.

    以下はティンパンまたはマーテル自体の外縁が360度の目盛りに区切られていて、アルムリ(訳注:原文では「リートの指標」)がそれを指すタイプの器具の場合に行える。

    求めたい時間の1時間分の間にアルムリが通過する度数を数え、そした再び同じ時間のうち経過した端数分の時間に同じくアルムリが通過する度数を数えて、1時間分の値と、端数分の時間の値を、互いに比較することで、求める時間が、1時間に対してどのくらいの量であるかがわかる。

  7. アセンダント・天頂・ディセンダント・天底(訳注:原文では「それらのそれぞれ180度反対側の点」)という4つの重要な点が常に現れること、ある種の器具ではどのティンパンでも観測ができること。
    That four Central Points appear together, the Ascendant, the Culminating, and those Diametrically Opposed to them; and that it is possible in certain Instruments to take an Observation in any Tablet.
    From this placing we have at once the four central points, the Ascendant, the Culminating, and those Diametrically Opposed to them, I mean the setting one, and that beneath the earth to the culminating one.

    位置関係において我々には、アセンダント(訳注:Asc、東(真東とは限らない))、天頂(訳注:MC、南(必ず真南))、そしてそれらの180度反対側、つまりディセンダント(訳注:DesDsc、西(真西とは限らない))、そして天底(訳注:IC、北(必ず真北))という4つの重要な点が同時に存在する。

    For the degree of the zodiac in which the sun is (here assumed to be the 20th of Aries) lying in the parallel in which it has been found (say in the 30th from the Rising), it is necessary to look which is the rising sign of the zodiac, and what numbered one of its degrees, or what part of one, touches the horizon, and say that this is the ascendant.
    Similarly it is necessary to see which sign of the zodiac is setting, and what degree thereof touches the setting horizon, that is to say the last parallel towards the west, and say that this is the setting central point.
    It is plain that the degree diametrically opposed to the rising one is the setting one.

    太陽黄経(ここでは白羊宮20度とする)が観測された等高度線(たとえば地平線から30度)にあるとき、黄道十二宮のどのサインが東にあり、その度数、あるいは端数の度数が東の地平線上にあるかを見る必要があり、これをアセンダントと呼ぶ。

    同様に、黄道十二宮のどのサインが西にあって、その度数が西の地平線、つまり西に向かって最後の等高度線上にあるかを見る必要があり、それをディセンダント(訳注:原文では「西の中心点」)と呼ぶ。

    アセンダントとディセンダントは180度で正反対の角度にあることは明らかである。

    (訳注:アセンダント(上昇宮)とは、人が出生した瞬間あるいは任意の瞬間の、黄道と地平線の東の交点の黄経のことで、現代では占星術で非常に重視されるポイント)

    Further we must see what sign of the zodiac, and what numbered degree of it it is that touches the line corresponding to the meridian in the part of the tablet corresponding to the hemisphere above the earth, and say that these (keeping ταῦτα) are the culminating central point, and that diametrically opposed to it, in of course the culminating point, which in the remaining part of the tablet, which corresponds to the hemisphere beneath the earth, will fall on the line corresponding to the mid-heaven.

    さらにティンパンの地上の半球に相当する部分で、黄道十二宮のどのサインとどの度数が子午線に相当する線にあるかを見る必要があり、これらを天頂(訳注:原文では「頂点の中心点」)と呼び、そして当然ながら天頂の180度反対側の、ティンパンの地下の半球に相当する残りの部分にある点は、正中に相当する線上にある。

    (訳注:この、人が出生した瞬間または任意の瞬間の、黄道と子午線の交点の黄経を、現代の占星術ではMCMedium Coeli)と呼び、これもまたアセンダント同様に重視されるポイントである。
    MCの180度反対の黄経はICImum Coeli)と呼ばれる)

    And it is necessary to know this that in those (instruments) in which the outer edge of the tablets has been divided into the 360 degrees it makes no difference to which tablet we adjust the rule and take the observation, the little gnomon itself falling upon them (sc. the degrees).
    The rest of the using we must do, as we have already said, adjusting the Arachne to the zone we are seeking.

    ティンパンの外縁に360度の目盛りがある器具では、どのティンパンにアリダードを取り付けて観測を行おうと、小さな指標(訳注:アリダードの先端)自体がその目盛りを指せば別に問題はないということを知っておかねばならない。

    残りの使用法で我々がするべきは、既に述べたが、求めるクリマ用のティンパンにリートを取り付けることである。

  8. 夜間に恒星をうまく観測することについて。
    Concerning the skilful Observation of the Fixed Stars by Night.
    So much for observation by day.
    Now concerning that by night let us state that certain of the fixed and bright stars are engraved on the Arachne, in some cases seventeen, and in others more.
    Some of these of necessity in every night and every hour appear above the earth, as, let us say, Lyra, Arcturus, and others which you will find engraved on the Arachne.
    Beside each lies the special index of the star inscribed thereon.

    日中の観測については以上である。

    さて夜間の観測について述べると、リートにはいくつかの、あるものでは17個、別のものではもっと多数の明るい恒星が記されている。

    このような恒星には、例えば、竪琴(訳注:こと座α星・ヴェガ)、アークトゥルス(訳注:うしかい座α星)など、必ず毎晩毎時間地上に現れるものがあり、それらがリートに記されているのがわかるだろう。

    それぞれのそばにその恒星を示す指標がある。

    It is necessary then if we wish to take the hours in the night to observe one of the stars lying on the Arachne which appear above the earth.
    The method of observation will be as follows.
    We lift the instrument by the suspending ring, and place it above our eye, and turn the side of the instrument divided into the ninety degrees towards the star under observation, so that it lies as far as possible in the same plane surface as the star.
    Then, placing our eye beneath it, along the rule, we bring [the rule] gently round this way and that until the ray of the eye striking through the hole of the lower sight-vane to that of the upper, one beholds the star through both together.

    夜間に時間を知るにはリートにある星のうちで地上に現れたものの1つを観測しなくてはならない。

    観測方法は次の通りである。

    吊り下げリングで器具を持って、目の位置より上に置き、器具の90度の目盛りがある側を観測する星へ、できるだけその星と同じ平面になるように向ける。

    そしてアリダードに沿って、器具の下に目を置き、視線が下側の視準板の視準孔から上側の視準板の視準孔へと通って、両方の視準孔から星が見えるようにそっと回転させる。

    Here there is need of more exactness, lest having turned the eye aside we fail to note that we are looking at the star from outside, and not through the sight-vanes.
    It is therefore necessary to close one eye, and only observe with the other, lest any such error as we have mentioned should occur.

    知らないうちに目を横に逸らして、視準板からではなくその外から星を見てしまわないように、ここではより正確さが求められる。

    そのため今述べたような誤りを起こさないように、片方の目を閉じて、もう片方の目だけで観測を行わなくてはならない。

    Having then observed the star, we look at the degree on which the index of the rule fell, how far it is from the horizon, in the same way as was done in the case of the sun, and mark it.
    Then having sought the zone in which we were while observing, and the parallel therein in the same line with and of the same number as the degree under observation, we again mark it with ink.
    If then the star under observation happens to be in the quadrant of the meridian line, it is necessary to mark the parallel from the Rising, but if after the meridian from the Setting, like what happened in the case of the Sun.

    そうして星を観測したら、アリダードの指標がどの目盛りを指し、地平線からどのくらい離れているかを見て、太陽の場合と同じように、そこに印をつける。

    そして観測を行ったクリマ用のティンパンと、その中から観測で得た値と同じ度数の同じ線となる等高度線を探し出し、再びインクで印をつける。

    このとき太陽の場合と同じように、もし観測した星がたまたま子午線(訳注:子午線の前)の象限にあったときは、等高度線には東から、子午線の後であったときは西から印をつけなくてはならない。

    Then having adjusted the Arachne in the zone in which we were observing, we seek in it the star under observation, for instance let us say Lyra or Spica Virginis, or any other.
    This done we bring round the Arachne so that the index of the star may touch the parallel circle on which the star is being observed, and which also we marked.

    それから観測地のクリマ用のティンパンにリートを取り付けて、そこから例えばヴェガやスピカ(訳注:おとめ座α星)などの、観測に使った星の指標を探す。

    これが終わったら観測された星の高度の等高度線にその星の指標が来るようにリートを回転させ、そこに印をつける。

    Then taking from the calendar the degree of the sun, in which it then happens to be, or by the method shortly to be described, we shall straightway find that it is in the semi-circle of the tablet on which the hours were engraved.
    Having marked it then with ink, and counted the hours from the Setting, and done all the other things as in the case of the sun, we shall find out the then completed hours of the night, or, if it so chance, the fraction [of an hour].
    Similarly we shall see the four central points lying in their proper places.

    そしてその時点の、または後で述べる方法で、太陽黄経を天文歴から求めると、その目盛りがそのまますぐティンパン上で不定時法の区分線が記された半球の中にあるのがわかるだろう。

    そこにインクで印をつけ、時間数を西から数え、その他全て太陽の場合と同じようにすれば、日没から経過した時間、もしくは[1時間のうちの]端数分の時間がわかる。

    同じように4つの重要な点がそれぞれあるべき位置にあることがわかるだろう。

  9. 太陽やそれぞれの恒星を観測したときに、それが子午線の前か、その上か、その後にあるかどうかを知る方法。そして黄道上の各黄経の最大高度を取る方法。
    How we must know whether the Sun or each of the Fixed Stars when observed is before the Meridian Line, or on it, or after it: and how we can take the highest Altitude of each Degree of those in the Zodiac.
    If then the star under observation, or the sun, is very far distant, either before or after the meridian line, it is easy to discern by perception which sections of the parallels we shall use, whether those before the meridian or those after it: for whether it has inclined far towards the rising or far towards the setting, in neither case does any mistake occur whether the star under observation or the sun is before or after the meridian.
    But if it is very near the mid-heaven, it will be uncertain whether it is before or after the meridian line.

    もし観測している星や太陽が、子午線の前や後から非常に遠ければ、等高度線のどの部分、子午線の前の部分か後の部分かどちらを使うべきか感覚で判別することは簡単である。
    それが大きく東に向かって傾こうが、大きく西に向かって傾こうが、どちらの場合でも、観測している星や太陽が子午線の前や後のどちらにあるかを間違えることはないからである。

    しかしこれが南中に非常に近いと、子午線の前か後かが不確かになる。

    Which it is we distinguish in the following way: If it was the sun we were observing, we must seek what is its maximum altitude on the day on which we observed it.
    To know this we must take the sign of the zodiac and the degree in which the sun is on that day, as, let us say, the 20th of Aries, and having marked this degree on the Arachne with ink bring it round until it touches the meridian line, then seek on what numbered parallel it has fitted, and say that this is the maximum altitude of the sun from the earth being then in the 20th degree of Aries.

    それは次の方法で見分けることができる。
    観測しているのが太陽ならば、その観測した日の最大高度が何度かを求めなくてはならない。

    これを知るにはその日の太陽黄経を調べ、例えば白羊宮20度とすると、リートのその目盛りにインクで印をつけてこれが子午線に来るまで回転させ、そしてそれが何度の等高度線に合っているかを調べると、それが白羊宮20度にある太陽の地平からの最大高度である。

    This done, if the sun under observation is found on this degree, I mean of the maximum altitude, it is plain that it happens to be on mid-heaven itself, but if it has been observed to be of fewer degrees, it was before or after the meridian.
    To know this we shall wait a little, and observe again, and if we find the number of degrees increased, it is plain that it was before the meridian when first observed, if decreased, after it.

    そうして、観測された太陽がその高度、つまり最大高度にあるなら、太陽がたまたま正に南中していることは明らかであり、もし観測された高度がもっと低ければ、太陽は子午線の前か後にある。

    それを知るためにはもう少しの時間を待って、再度観測を行い、それでもし高度が増加していたら、最初の観測は子午線の前であり、減少していたら子午線の後であったことが明らかである。

    And otherwise; having observed the sun we find it, let us say, elevated seventy degrees above the horizon, and then are unable to distinguish by perception whether it is before or after the meridian, we must, having waited again for a little, observe it once more, then if it has added, and become, say, seventy-one, it is manifest that the sun when previously observed was before the meridian, but if it has taken away, and become, let us say, sixty-nine, it is plain that when previously observed it was after the meridian.

    あるいは別の方法。
    太陽を観察し、例えば地平線から70度の高度にあったとして、それが子午線の前なのか後なのか感覚では判断がつかないときは、また少し待ってもう一度観測を行うべきであり、それで高度が増えて、例えば71度になったなら、先に観測したときは子午線の前であったことが明らかであるが、高度が減って、例えば69度になったとしたら、先に観測したときは子午線の後であったことが明らかである。

    To know this we must count the parallels from the Setting, which first was observed lifted up from the horizon of the, as we have assumed, seventy degrees.
    We must then adjust the degree of the sign of the zodiac on the Arachne, in which the sun then happens to be, according to the parallel under observation, as in the present case the 70th from the Setting.
    If it is observed to be on the mid-heaven itself, it is plain that the degree of the sun will fall upon the line itself which corresponds to the meridian line, which also cuts the parallels; but if after the meridian, it will deviate from it in the direction of the Setting.
    So much in the case of the sun.

    これを知るには、地平線から上へ最初に観測した度数まで、今の例では70度まで、等高度線を西から数えなくてはならない。

    そうして、リート上の太陽黄経の目盛りを、その時の太陽の観測による等高度線に、今の例では西から70度に、合わせる必要がある。

    もし観測が行われたのがまさに南中時なら、太陽黄経の目盛りが、等高度線と交差した子午線に相当する線の真上にくることは明らかである。
    しかし観測が子午線の後であれば、それより西の方へ逸れるだろう。

    太陽の場合は以上である。

    In the case of the stars we shall use the same methods seeking the maximum altitude of the star under observation in the zone in which it is being observed.
    This we shall know as follows.
    Having adjusted its index to the straight line corresponding to the mid-heaven, and looking on which parallel (it fits), if it fits on the line of the meridian line itself, we shall say that this is the maximum altitude in that zone, and then proceed as we directed in the case of the sun.

    星の場合も同じ方法で観測した星のその観測地のクリマでの最大高度がわかる。

    それは次のようにして求める。

    星の指標を正中に相当する直線に合わせ、どの等高度線(の上)にくるかを見て、指標が正確に子午線の線上にきた時、それがそのクリマでの最大高度であることが言えて、それからは太陽の場合の説明と同様に進める。

    Here too we should use the second method.
    We should again wait a little, and then observe, and so forth.
    For again if, having observed the star after a short interval, we find the number of degrees less, having fitted the index of the star under observation to the number of the parallel on which it was found to be in the first observation (counting the parallels, as I said, from the Setting) if we find the index of the star falling on the line itself corresponding to the meridian line, we say it was observed on the meridian line itself, but if it has deviated from it in the direction of the Setting, after the meridian line.

    さてここで第2の方法を使おう。

    また少し待ってから、観測などを行う。

    そして再び、少し待った後で星を観測して、高度が減っていることがわかり、観測している星の指標を最初の観測値の等高度線に(前述したように、西から数えて)合わせて、もしその星の指標が正確に子午線に相当する線上に来ることがわかったなら、観測が行われたのは子午線上であると言えるが、もし西の方に逸れていたなら、観測が行われたのは子午線の後である。

    From what has been said, it is plain how it is possible to obtain the maximum altitude in each zone of each degree of a sign of the zodiac.
    For, placing the Arachne on the tablet of the zone we are seeking, we must then bring round that degree of which we wish to obtain the altitude till it touches the meridian line, and straightway we shall find the inscription engraved of the altitude of the degrees.
    Thus then shall we be able to find the altitude of each degree.
    And this is to know the meridian line in each zone.

    以上に述べたことから、各クリマにおけるそれぞれの黄経の最大高度がどうやって求められるかは明らかである。

    というのも、求めるクリマ用のティンパンにリートを取り付けて、高度を求める太陽黄経の目盛りが子午線上にくるまで回転させれば、たちまちその高度の度数が記された刻線を見つけることができる。

    このようにして高度の度数を知ることができる。

    そしてこれはそれぞれのクリマの子午線を知ることである。

  10. 黄道十二宮の各サインが上昇するのにかかる定時法での時間と、沈むのにかかる時間を知る方法。
    How we can find out in how many Equal Hours each single Sign of the Zodiac is raised up, and in how many it sinks.
    We will add another use of the instrument, for we shall find out by its means in how many equal hours in each zone each of the signs of the zodiac is raised up from the rising horizon above the earth, and in how many it sinks down again.

    この器具の別の使用法を追加するが、この方法によって各クリマで黄道十二宮の各サインが地平線から地上へどのくらいの時間をかけて上昇するか、そしてまた沈むかがわかる。

    First it must be known that in the part of the instrument in which the tablets are introduced, and on which the Arachne is placed, which they were accustomed to call the mater of the tablets, there rises above it a certain rim divided, as I said before, into 360 degrees, which correspond to the segments of the equinoctial [circle], which they also call equal hours.
    When the whole instrument has been adjusted the rim, thus raised above it, becomes in a way continuous with the plane surface of the tablet lying upon it from outside, so that the whole plane surface becomes in a fashion one.

    まずこの器具の、ティンパンが嵌められリートが取り付けられる部分は、ティンパンのマーテルと呼び慣されていることを知っておくべきであり、その上方は、前述のように、縁が360度の目盛りに区切られていて、それは定時法とも呼ばれる、天の赤道の区分に相当する。

    器具全体が組み立てられると、この上方の縁は、見方によっては重なったティンパンの外側の面とつながって、全体の表面が一つの面となる。

    For in complete instruments in which as a rule there is no mater, but each tablet is divided by itself on account of its size, and does not lie upon another, the rim aforesaid does not rise above it at all.
    But at each boundary of the tablet (? reading ἑκάστου, at the b. of each t.), that is to say on their circumference the aforesaid 360 equal hours are engraved, on which the index of the Arachne falls.

    原則として完全なアストロラーベにはマーテルはなく、各ティンパンには大きさに応じて目盛りが直接記され、他のティンパンには重ねないので、前述のように縁が上にくることはない。

    しかしそれぞれのティンパンの境界、つまりその外周には前述の定時法の360度の目盛りが記されており、アルムリがその目盛りを指す。

    Example.
    Let it be assumed that we are seeking in how many equal hours Scorpio, let us say, is raised up in the third zone.

    例えば、第3クリマで天蠍宮(訳注:黄道の黄経210度から240度までの部分)が定時法でどのくらいの時間をかけて上昇するかを求めたいとする。

    (訳注:第3クリマはおよそ北緯27.5度から北緯33.5度あたりまでの地域であり、ティンパンの設定緯度はおよそ北緯30度)

    It is necessary then to place the Arachne on this zone, then to adjust the first degree of Scorpio to the first parallel from the Rising, and then to seek the index at the end of the Arachne — it lies on the semi-circle outside the Arachne — on what degree of the said circle it has fitted, which [circle] we said had been divided into 360 degrees, which are also called equal hours, and mark it.
    Then we must bring round the Arachne until the furthest degree of Scorpio, that is the 30th, has been brought up to and adjusted to the first parallel from the Rising.
    We must then seek again on which degree of the same circle the said index has fitted, and mark this too.
    We must next measure all the degrees from the original to the later mark, and as much of the 360 hours as we find the index has passed through in the whole raising up of Scorpio, say that in the same number of equal hours it is raised up.

    このクリマ用のティンパンにリートを取り付け、そして(訳注:リート上の)天蠍宮0度の目盛りを(訳注:ティンパンの)東の地平線(訳注:原文では「最初の等高度線」)に合わせ、それからアルムリ——リートの外側の半円上にある——の先が、前述の円の360度に区切られた、定時法とも呼ばれる目盛りのどこを指しているかを見つけ、印をつける必要がある。

    それから天蠍宮の最後、つまり30度の目盛りが東の地平線に合わさるまでリートを回転させなくてはならない。

    そしてまたアルムリが指す同じ円の目盛りを見つけ、これにも印をつける。

    その次に最初の印から後の印までの度数を測って、360度に対してこの天蠍宮が上昇する間アルムリが通過した度数にあたる時間が、つまり上昇にかかった定時法での時間数である。

    And so in each of the remaining cases.
    We shall then know in this way in how many equal hours each sign of the zodiac is raised up in each zone.

    残りの場合も同様である。

    こうして各クリマで黄道のそれぞれのサインが定時法でどのくらいの時間をかけて上昇するかがわかる。

    In the same manner we shall find out in how many equal hours each sinks down, by similarly adjusting the first degree of the sign of the zodiac we are seeking to the furthest parallel towards the setting, and marking the degree on which the outer index of the Arachne fell.
    Then again bringing it round, and having placed its 30th degree to the same setting horizon, that is the furthest parallel, and having again looked where the index of the Arachne has fallen, and counted how many equal hours it has passed through in the whole descent of the sign of the zodiac, we shall say that in so many hours the sign of the zodiac descended below the earth.

    定時法でどのくらいの時間をかけて沈むかも同じ方法で知ることができ、求める黄道十二宮のサインの0度の目盛りを西側の地平線に同じように合わせ、リートのアルムリが指す外側の目盛りに印をつける。

    そしてまたそのサインの30度の目盛りが、同じ西の地平線にくるまで、リートを回転させ、再びリートのアルムリが指す目盛りを見て、黄道十二宮のサインが全て沈むまでに定時法で何時間経過したかを数えると、それがサインが地下に沈むのにかかる定時法での時間数である。

  11. 日中または夜間の不定時法での時間を知る方法、そして同様にその定時法での時間を知る方法。
    How we shall find out the Temporal Hour of each day and Night, and similarly of how many Equal Hours it consists.
    By the same method we can find out of how many equal hours each temporal day consists, and each hour.
    To know this we must again take the degree in which the sun is, and fit it to the first parallel from the Rising.
    Then mark the degree on which the index on the Arachne falls, and then bring round the Arachne until the degree of the sun is in the last parallel in the setting part, or, to say the same thing, until the sun passes out through the whole hemisphere above the earth.
    This done, we must again mark the degree, on which the index of the Arachne fell, and count the degrees beginning first from that which we marked up to the last, and say that the day in question is of so many equal hours.
    Then having divided these hours into 12, say of how many equal hours, or what part of one, each temporal hour consists.

    同じ方法で不定時法での日中やその1時間が、定時法では何時間あるかを知ることができる。

    これを知るには再び太陽黄経を調べ、その(訳注:リート上の)目盛りを(訳注:ティンパン上の)東の地平線に合わせなくてはならない。

    そしてアルムリが指す目盛りに印をつけ、それから太陽黄経の目盛りが西の地平線にくるまで、あるいは言い換えるなら、太陽が地上の半球を完全に通過するまでリートを回転させる。

    そうしたら、再びアルムリが指す目盛りに印をつけ、最初の印から次に印をつけた目盛りまでの度数を数えると、それが問題の日の日中の定時法による時間数である。

    そしてこれを12で割れば、不定時法の1時間の、定時法での長さとなる。

    By the same method we shall find out the given temporal night and the length of its temporal hours, by placing the degree of the sun upon the setting horizon, that is on the furthest parallel, and marking on what degree of the outer edge of the instrument the index of the Arachne comes, then bringing round the Arachne until the degree of the sun having passed through the part of the tablet which corresponds to that beneath the earth touches the rising horizon, that is the furthest parallel towards the Rising.
    Having done this let us again look at the degree which the index of the Arachne touches.
    Then having counted them all from that marked in the first place we say that the temporal night in question is of so many equal hours, and having divided these into the 12 we find of how many equal hours the night hour consists.
    By this means then you have th_n dia&kristin [? the resolution] of the temporal into the equal hours.

    同じ方法で不定時法でのある日の夜間の長さやその1時間を知ることができ、(訳注:リート上の)太陽黄経の目盛りを(訳注:ティンパン上の)西の地平線に合わせ、アルムリが指した器具の外縁の目盛りに印をつけ、それから太陽黄経の目盛りがティンパンの地下に相当する部分を通過して、東の最も外側の等高度線でもある地平線にくるまでリートを回転させる。

    そうしたら再度アルムリが指す目盛りを見る。

    そして最初に印をつけた目盛りから全て数えると、それが問題の日の夜間の定時法による時間数であり、これを12で割れば不定時法の1時間が定時法でどのくらいの長さであるかがわかる。

    このようにして不定時法の時間を定時法に変換することができる。

  12. この器具で現在の太陽の黄経を知る方法。そしてまたその日の太陽の最大高度を知る方法。
    How we can find out by the Instrument the Epoch of the Sun.
    And herein again how we can get the Maximum Altitude of the Sun on each day.

    We can get the epoch of the sun without calculation by using the instrument in the following way.

    器具を次のように使用すれば、計算せずに現在の太陽黄経を求められる。

    We must take the maximum altitude of the sun from the earth on that day.
    This we shall get by observing it at the meridian itself.
    It is plain that we must observe it very often until it no longer adds to its height, but, having been raised to its maximum altitude, begins again to grow less and come nearer to the earth.
    For it is clear that the point at which it began to diminish is its maximum altitude.

    その日の太陽の地上からの最大高度を求める必要がある。

    これは太陽を子午線上で観測すれば得られる。

    その高さが増えなくなるまで太陽を何度も観測しなくてはならないことは明らかだが、しかし、最大高度に達したら、再び減少して地上に近づく。

    そのため減少し始めたところが明らかにその最大高度である。

    Having got this we next look which quadrant the sun is passing through, whether it is that from the spring or that from the autumn equinox, or that from the summer or that from the winter tropics. (This is quite clear, for the hours, both the equal and the tropical, are known to all.)

    以上のこと踏まえて次は太陽が、春分点または秋分点か、もしくは夏至点か冬至点か、どの象限を通過しているかを調べる(分点の時期と至点の時期は、どちらもよく知られたことなので、これは全く明らかである)。

    We shall then take this quadrant in the zodiac on the Arachne, and having placed the Arachne itself in the zone in which we are taking the observation, and fitted each degree of the quadrant, which the sun is then passing through to the mid-heaven, we shall seek which one of them is exalted so many parallels in the mid-heaven, and that which has become as great as the sun has been found to be exalted on that day, that we say is the epoch of the sun then. (ἐκείνην ἀποφαινόμεθα ἐπέχειν τότε τὸν ἥλιον).

    そうしたらリート上の黄道でこの象限を確認し、観測地のクリマ用のティンパンにリートを取り付け、太陽が通過している象限の目盛りのそれぞれを子午線に合わせていき、その日の観測で得られた太陽高度と同じ度数の等高度線に、子午線上で合う目盛りを探すと、それが現在の太陽黄経であると言える

    This happens if the sun is not near the tropics, but is far distant from them.
    If it is near we shall need another method of determination (διακρίσεως), which we will explain.

    これは太陽が至点の近辺ではなく、それらからは遠い場合に生じる。

    もし太陽が至点に近い場合は別の方法で判断する必要があるが、これについては後で説明する。

  13. 同じ等高度線の元にあって同じ最大高度に達する太陽の黄経はどれか、そして至点(訳注:原文では「回帰サイン」)の後の太陽が黄道のどの象限にあるかを知る方法。
    Which Degrees of those in the Zodiac are under the same Parallels and are raised to the same Altitude, and how we can find in which Quadrant of the Zodiac the Sun itself is after the Tropical Signs.
    No degree of those in the same quadrant is raised to the same altitude as any other.
    In all the zodiac after the tropical signs you will find them raised to the same altitude only in pairs.
    These are those which are under the same parallel.
    Those under the same parallel are those distant by an equal interval from the tropical signs, separately from each — I mean from the summer one and the winter one, which are properly tropical.
    For from them the sun turns to the north and to the south: for from Capricorn it begins to be exalted towards the north as far as Cancer, and from there again begins to step back and go down to the south as far as Capricorn.

    同一象限内にある黄経では最大高度が同じになることはない。

    至点の後の全ての黄道では最大高度が同じになる黄経はたった一対しかないことがわかるだろう。

    それらは同じ等高度線の元にある。

    同じ等高度線の元にある黄経は、至点——つまり夏至点と冬至点から、等しい距離で互いに離れたところにある。

    太陽はこれらの至点から北や南へと向きを変える。
    冬至点(訳注:原文では「磨羯宮」)から夏至点(訳注:原文では「巨蟹宮」)まで北上し始め、そして再びそこから引き返して冬至点まで南下し始める。

    (訳注:「回帰サイン」とは、黄道十二宮のうちの巨蟹宮と磨羯宮の2つのサインのこと。巨蟹宮0度が夏至点(=夏の回帰点)に、磨羯宮0度が冬至点(=冬の回帰点)にあたるため、この名前でくくられる)

    Some people, however, say that the equinoctial signs are tropical, and so people in general say there are four tropics, owing to the changes of the hours.
    Properly then only the two signs are tropical — I mean the first degree of, say, Cancer, and the first degree of Capricorn.
    For now we must not be over-exact about these matters, which are not even co-ordinate with others.
    For no degree of the zodiac is raised to the same altitude as these.
    For there are boundaries of the obliquity of the zodiac.
    Consequently they are not even under the same parallel either with one another, or with any other degree of those in the zodiac.

    ところで、分点(訳注:原文では「平分サイン」)も回帰点であり、時間が変化するために回帰点は4つあると言う人々が一般的に存在する。

    だが回帰点は正しくは2つのサインのみ——つまり巨蟹宮0度と磨羯宮0度の黄経のみである。

    他者と全く協調していないこれらの問題を今は深追いしてはならない。

    というのも黄道上のどの黄経も最大高度がこれらの至点とは同じにならないからである。

    なぜならこれらの至点は黄道の傾斜の端点だからである。

    従ってこれらの至点は互いに、または黄道上の他のどの黄経と同じ等高度線の元にあることはない。

    (訳注:「平分サイン」とは、黄道十二宮のうちの白羊宮と天秤宮の2つのサインのこと。白羊宮0度が春分点に、天秤宮0度が秋分点にあたるため、この名前でくくられる)

    These distant by an equal separation from one of these on either side are under one and the same parallel, and consequently are raised to the same altitude above the earth.
    For example, the beginning of Leo and that of Gemini are distant by an equal separation on either side from that of Cancer, for there are thirty degrees on either side.
    These two degrees, then, the beginning of Leo and that of Gemini, are under the same parallel, and therefore are raised to the same maximum altitude above the earth.

    これら至点のいずれかから等しい距離にある黄経は、1つの同じ等高度線の元にあり、結果として地上で同じ最大高度まで達する。

    例えば、獅子宮0度の黄経と双児宮0度の黄経は、夏至点から両側に30度という同じ距離にある。

    この2つの黄経、つまり獅子宮0度の黄経と双児宮0度の黄経は、同じ等高度線の元にあるので、したがって地上で同じ最大高度まで達する。

    That what has been said may become clear, it is necessary to fit to the two boundaries of the hemisphere above the earth the two equinoctial signs of the zodiac, to the rising, let us say, the beginning of Libra, to the setting that of Aries.
    For these you will see having one and the same parallel, namely the first, by which the part of the tablet which corresponds to the hemisphere above the earth is marked off, and that beneath the earth.
    These then lying thus, you will see the first degree of Cancer, and the first of Capricorn, coinciding with the line of the meridian line, and in the direction of the equinoctial (ἐπὶ τὰ ἰσημερινὰ) is equally distant from the summer (τοῦ θερινοῦ) — I mean the first degree of Cancer [the first degree of Leo and the first of Gemini (this from the note)].
    Consequently they are under the same parallel, as I said, and are raised to the same altitude above the earth.
    Then in the same way you will see again the remaining degrees, equidistant on either side from the first degree of Cancer, touching the same parallel, and raised to the same maximum distance.

    これまで述べたことを明確にするために、(訳注:アストロラーベを使って)地上の半球の2つの端点を黄道の2つの分点に、つまり天秤宮0度の目盛りに東を、白羊宮0度の目盛りに西を合わせる必要がある。

    これらの分点は1つの同じ、つまりティンパンの地上の半球に相当する部分と、地下の半球に相当する部分とを区切る、地平線上にくることがわかるだろう。

    そのように合わせると、巨蟹宮0度の目盛りと磨羯宮0度の目盛りが子午線に一致して、夏至点——つまり巨蟹宮0度の目盛りから分点の方向に[(これは先の記述から)獅子宮0度の目盛りと双児宮0度の目盛りが]同じ距離にあることがわかるだろう。

    従ってこれらは、前述のように、同じ等高度線の元にあり、地上からの最大高度が同じになる。

    そして同じ方法で、巨蟹宮0度の目盛りから両側に等距離にある残りの目盛りもまた、同じ等高度線の元にあって、最大高度が同じになることがわかる。

    And these same (degrees) you will see equally distant from the two equinoctial signs.
    For things that are equidistant from one of the tropicals are also equidistant from both the equinoctials, either from other, but from one in the direction of what precedes (ἐπὶ τὰ ἡγούμενα), from the other in that of what follows (ἐπὶ τὰ ἑπόμενα).
    For example, as far as the beginning of Gemini is distant from that of Aries in the direction of what precedes, so far is the beginning of Leo from that of Libra in that of what follows.
    And again, as far as in the direction of what follows the beginning of Gemini is distant from that of Cancer, so far in the direction of what precedes is the beginning of Leo from that of Cancer.

    そしてこれらの黄経目盛りは2つの分点からも等しい距離にあることがわかるだろう。

    至点の1つから等距離にある黄経目盛りはまた両方の分点からも、片方の分点からはサインを逆光する方向に、もう片方の分点からはサインを順行する方向にではあるが、同じ距離にある。

    例えば、白羊宮0度の目盛りから順行方向に双児宮0度の目盛りまでは、天秤宮0度の目盛りから逆行方向に獅子宮0度の目盛りまでと等しい距離で離れている。

    そしてまた、巨蟹宮0度の目盛りから逆行方向に双児宮0度の目盛りまでは、巨蟹宮0度の目盛りから順行方向に獅子宮0度の目盛りまでと等しい距離で離れている。

    But it is not because they are equidistant from the equinoctials that they are under the same parallel, but because they are so from the tropicals.
    The beginning of Pisces and that of Taurus are equidistant from that of Aries, but neither are they under the same parallel, nor are they both raised to the same maximum altitude.
    For Pisces is more to the south, and Taurus more to the north.
    And further, as far as the beginning of Pisces is distant in the direction of what follows from that of Aries, so far is the beginning of Virgo distant in the direction of what precedes from that of Libra.
    But they are not under the same parallel, since Virgo is in the north, but Pisces is in the south.

    しかしこれら2つの黄経目盛りが同じ等高度線の元にあるのは、これらが分点から同じ距離にあるからではなく、至点から同じ距離にあるからである。

    双魚宮0度の目盛りと金牛宮0度の目盛りは白羊宮0度の目盛りから等距離にあるが、これらは同じ等高度線の元にはなく、また同じ最大高度にも達しない。

    双魚宮はより南方に、金牛宮はより北方にあるからである。

    さらには、白羊宮0度の目盛りから順行方向に双魚宮0度の目盛りまでは、天秤宮0度の目盛りから逆行方向に処女宮0度の目盛りまでと等しい距離で離れている。

    しかし処女宮は北方に、双魚宮は南方にあるので、これらは同じ等高度線の元にはない。

    Since then those on either side equidistant from one of the tropicals are under the same parallel, and both the equinoctials are equidistant from the tropicals, and under the same parallel, therefore those on either side of the two equinoctials, equidistant either from other, the one in the direction of what precedes, the other in the direction of what follows, are in the same parallel.
    It will make no difference even if you place the beginning of Aries on the rising and that of Libra on the setting horizon, of course when that of Capricorn is culminating, for you will see the same things happening again.

    そして片方の至点から両側へ等距離にある2つの黄経目盛りは同じ等高度線の元にあり、2つの分点は2つの至点から等距離で同じ等高度線の元にあるので、それゆえ片方の分点から順行方向にある黄経目盛りは、もう片方の分点から逆行方向にあるもう片方の黄経目盛りと等距離で、同じ等高度線の元にある。

    これは白羊宮0度の目盛りを東に、天秤宮0度の目盛りを西の地平線に合わせると、もちろん磨羯宮が真南にくるが違いは何もなく、再び同じことになることがわかるだろう。

    When only two of the signs are on either side of the tropicals being exalted to the same distance, if we seek the epoch of the sun when it is at the tropicals themselves, it will be hard to find out in which quadrant it happens to be, owing to the fact that the (beginnings) on either side equidistant from the tropicals have the same altitude.

    至点の両側にある2つのサインのみが同じ高度に達するので、太陽が至点に極めて近い時に現在の太陽黄経を求めようとすると、至点から両側に等距離にある目盛りは同じ高度になるということから、太陽がどの象限にあるかを判断するのは難しい。

    For example, the beginning of Cancer, say, being exalted Z degrees, and these on either side after ten, that is the tenth of Cancer and the twentieth of Gemini, as we have assumed, eighty-seven degrees [εἰ if], the sun being about the twentieth of Gemini, or the tenth of Cancer, we shall seek the epoch of the sun.
    Then having taken its maximum altitude being, as we assumed, of eighty-seven degrees, we seek in what degree of one of these quadrants in the Arachne it is exalted to this maximum, and we shall find that the tenth of Cancer and the twentieth of Gemini make the same the maximum altitude: and since we cannot by perception distinguish exactly whether before the summer tropics the sun is in the twentieth of Gemini, or after them in the tenth of Aries.
    (For the same thing happens in this case, which happened about the meridian itself, when we were observing the sun. This, to take a case, happens if, having stayed long in a desert, we are quite ignorant of the month, or among a people who either count the months in a different way from ours, or do not count them at all.)
    Again we wait for one or two days, and then make a similar observation, and if we find that the sun has added to the altitude, it is plain that it was previously before the summer tropics, but if it has taken from it, after them.
    Thus, then, if the sun be near the summer or the winter tropics.

    例えば、巨蟹宮0度の黄経の最高高度が90度(訳注:英訳では「Z度」と訳出されているが誤りで、ギリシア語原文では数詞の「ϟ」)に達するとして、ここではその10度前後の黄経、つまり巨蟹宮10度と双児宮20度の黄経は、87度まで達すると仮定して、この場合に太陽が双児宮20度か、巨蟹宮10度のどちらかにあったとして、現在の太陽黄経を求めたいとする。

    この仮定の元で、(訳注:太陽の)最大高度を87度と観測したとして、リートのどの象限の目盛りがこの最大高度に達するかを求めたら、巨蟹宮10度と双児宮20度がこの最大高度に達することがわかったとする。
    そして太陽が夏至点の前の双児宮20度なのか、その後の巨蟹宮10度(訳注:英訳もギリシア語原文も共に「白羊宮」であったがおそらく誤り)なのかを感覚では正確に判別できなかったとする。

    (太陽を観測するとき子午線について起こることと、全く同じ問題がこの場合に起こっている。これは、例を挙げると、砂漠に長い間滞在して、暦の感覚全くわからなくなったり、暦の数え方が我々とは全く違う人々や、暦を全く数えない人々の間にいる場合などである。)

    また1〜2日待った後、同じような観測を行って、もし太陽の最大高度が増したと分かったならば、先の観測は夏至点の前であったことが明らかであり、もし高度が下がっていたら、夏至点の後であることが明らかである。

    ということで、太陽が至点に近い時はこのようにする。

    If, however, the sun is far distant from the summer or the winter tropics in this direction or in that, one doubtful point will remain, of which quadrant we must seek a degree elevated to as great a maximum as that of the sun we are observing.
    If the search be made before the summer tropics, from Aries to the thirtieth degree of Gemini, or, to say the same thing, the first of Capricorn, we must seek which degree of these is elevated to as great a maximum from the horizon as the sun is then observed to be elevated: but if after the summer tropics, from the beginning of Cancer to the thirtieth degree of Virgo, or, to say the same thing, the beginning of Libra.
    In the same way, if before the winter tropics from the beginning of Libra to the thirtieth of Sagittarius, or to say the same thing, the beginning of Capricorn; if after them, from the beginning of Capricorn to the thirtieth of Pisces, or, to say the same thing, the beginning of Aries.

    しかしながら、太陽がこれらの至点からは順行または逆行方向に遠く離れている場合、観測している太陽と同じ最大高度に達する目盛りをどの象限で求めるべきかという、1つの疑問点が残る。

    もし求めるのが夏至点の前なら、白羊宮から双児宮30度、つまり巨蟹宮0度まで(訳注:英訳では「磨羯宮」と訳出されていたが誤り)の象限のどの目盛りが、太陽を観測して得られた最大高度まで達するかを求める必要がある。
    しかし夏至点の後なら、巨蟹宮0度から処女宮30度、つまり天秤宮0度までの象限を探す。

    同様に、もし冬至点の前なら天秤宮0度から人馬宮30度、つまり磨羯宮0度までの象限を探す。
    もし冬至点の後なら、磨羯宮0度から双魚宮30度、つまり白羊宮0度までの象限を探す。

  14. 各天体の現在の黄経を知る方法。
    How we shall find the Epoch of each of the Planets.
    It is possible to get the epochs of the remaining planets by means of the instrument, with exactness when they are in the actual middle of the signs of the zodiac, and more roughly if they deviate to the one side or the other, in the following way.

    残りの惑星の現在の黄経は、もしそれらが黄道帯の中央(訳注:つまり黄道上)にあれば正確に、これらが黄道帯の上下に逸れていればもっと大まかに、この器具によって知ることができる。

    (訳注:太陽の軌道を黄道と呼ぶことは言わずもがなだが、黄道から上下に8〜9度ほど幅をとった帯域を黄道帯と呼ぶ。太陽が黄道から外れることは決してないが、惑星はだいたい黄道帯の範囲を運行している)

    We must first observe one of the fixed stars inserted in the Arachne by the method already given.
    Then having learned how many parallels it has then been exalted from the rising or setting horizon we must place the Arachne in the zone in which we are making our observation in a manner corresponding to the position of the whole: this is to fit the index of the fixed star under observation to the parallel in which it has been observed to be.
    Then we must observe again the planet we are seeking, and mark how many parallels it has been raised from the setting or rising horizon, and seek the parallel of equal number in the zone in question, and the section thereof towards the west or the east in which the planet has been found to be.
    Then we must seek which degree of the zodiac this section of the parallel comes upon, and say that that is the epoch of the planetary star then under observation.

    まず先に述べた方法でリートに記された恒星の1つを観測しなくてはならない。

    そしてそれが東または西の地平線からどの等高度線まで上昇しているか分かったら、観測地のクリマのティンパンにリートを空全体の位置と対応するように置く。
    つまり観測している恒星の指標を観測された高度の等高度線に合わせる。

    そして再び目的の惑星を観測し、それが西または東の地平線からどの等高度線まで上昇しているかを記録し、問題となるクリマ用のティンパンで同じ度数の等高度線と、その惑星が見つかった西か東かの区域を探す。

    それからその区域でその等高度線上にある黄経目盛りを求めると、それが観測している惑星の現在の黄経ということになる。

    It stands to reason that, as the sun always moves along (τὴν ? a path) through the middle (τῶν μέσων), it happens that we get its epoch by exact observation, since it is always borne in it (αὐτῇ) in which we determine the epochs of the times (χρόνων).
    But in the case of the rest, since they are not borne always in that, but often make their movement oblique in regard to it, so that they are sometimes more to the north of them, and sometimes more to the south, whenever we observe them deviating from this (ταύτης), if we lead out to the zodiac the straight (glance) borne to them from the eye, it is necessary that it should fall not on that through the middle, but outside it, either more to the north, or more to the south, of it.
    Consequently we cannot get their epoch exactly, since, as I said, we can only determine the epochs by that through the middle.

    太陽は常に黄道帯の中央に沿って運行するので、正確な観測によってその現在の黄経がわかるのは当然であるが、それは太陽は常に黄道上にあってそこから我々は現在時の黄経を定めているからである。

    しかしそれ以外の惑星の場合、これらは常に黄道上にある訳ではなく、それに対してしばしば傾いて動いているので、これらは観測すると常に、ある時は黄道帯よりも北に、ある時は南に逸れており、もし目から黄道帯にある惑星まで(視線を)まっすぐに向けると、それは必ず黄道帯の中央(訳注:黄道そのもの)ではなく、黄道からもう少し北か、またはもう少し南など、その外側を向いている。

    その結果、前述したように、黄道帯の中央を通っていないと黄経を定められないので、これらの惑星の黄経を正確に知ることはできない。

  15. 黄道の各黄経が天の赤道から北または南にどのくらい逸れているかを知る方法。太陽、月、または各惑星の場合も同様。
    How we can discover how far each Degree of the Zodiac deviates from the Equinoctial to the north or the south.
    And similarly in the case of the Sun and the Moon, or each of the Planets.

    We shall find by using the instrument how far in width each degree of the zodiac is distant from the equinoctial in a northerly or southerly direction in this way.

    この器具を使って黄道の各黄経が天の赤道から北または南の方向にどのくらいの幅で離れているかを知ることができる。

    We have said in what preceded that the distance between the circle of Capricorn and that of Cancer has embraced the whole obliquity of the zodiac, amounting to forty-eight degrees, for from the latter to the equinoctial are twenty-four degrees, and from the equinoctial to the former the remaining twenty-four.
    It is plain that from the winter to the summer tropics the sun passing through the whole semi-circle is exalted towards the north, and reversely from the summer to the winter ones is lowered towards the south, and it is obvious that between the circle of Cancer and that of Capricorn is the equinoctial circle.
    Hence it comes about that twice in the year the sun is in this, from the summer tropics to the winter coming by Libra, and from the winter to the summer by Aries, with the result that in each semi-circle the sun is at one time to the north, and at another to the south, of the equinoctial.

    先に述べたように黄道の傾斜を全て含む南回帰線と北回帰線の間の角距離は、48度に達し、北回帰線から赤道までは24度であり、赤道から南回帰線までは残りの24度である。

    冬至点から夏至点まで間の半円全体を通過する太陽は北に向かって高度を上げ、反対に夏至点から冬至点までの間では南に向かって高度を下げることは明らかであり、南回帰線と北回帰線の間に赤道があることに疑いの余地はない。

    従って太陽は年に2回、夏至点から冬至点までの間では秋分点で、冬至点から夏至点までの間では春分点で赤道に至り、その結果それぞれの半円で太陽はある期間には赤道の北に、別の期間には赤道の南にある。

    If then we wish to find how far each degree of the zodiac in either semi-circle is distant to the north or to the south from the equinoctial circle, we shall find it in this way.
    Of the equinoctial signs — I mean the beginning of Aries or Libra — we must fit to the mid-heaven above the earth, and mark the parallel on which it falls: then again fit the degree of the zodiac we are seeking to the same meridian line, and mark the parallel on which it has fallen.
    This done, as many parallel circles as we find from the equinoctial to that degree, so many degrees we shall say it is distant from the equinoctial, and whether to the north or south we have at once by inspection what is being sought.
    For if the degree we are seeking falls outside the equinoctial, as in the direction of the winter tropical, as has been engraved on the tablet, it is plain that it is distant from the equinoctial in a southerly direction: but if within the equinoctial, as in the direction of the summer tropical, which we say is contained by the equinoctial, it is plain again that the degree of the zodiac we are seeking deviates in a northerly direction.

    ここでいずれかの半円で黄経のそれぞれが赤道からどのくらい離れているかを知るには、以下の方法で調べる。

    平分サイン——つまり春分点または秋分点——(訳注:のリートの目盛り)を(訳注:ティンパン上の)地上の子午線に合わせ、その目盛りが接する等高度線に印をつける。
    それからまた求める黄経の目盛りを同じ子午線に合わせ、その目盛りが接する等高度線に印をつける。

    そうしたら、分点の印から求める黄経の印までの間の等高度線の数が、赤道からの角距離となっており、北か南のどちらであるかは得られた結果を検証すればすぐにわかる。

    というのは、求める黄経の目盛りが、ティンパンに記されている、赤道より南回帰線に向かって外側にあるなら、赤道より南の方向に離れていることが明らかだからである。
    しかし赤道より、北回帰線に向かって内側に、つまり赤道の円の中にあれば、求める黄経は北の方向に逸れていることが明らかである。

    And this is plain from the mere placing of the signs of the zodiac.
    For if we seek the (τὰ) after the beginning of Aries up to the twenty-ninth of Capricorn, it is plain that they deviate to the north of the equinoctial, and if those after the beginning of Libra up to the twenty-ninth of Pisces they will have a deviation to the south of the same mid-heaven.

    そしてこれは単に黄道十二宮のサインの位置のみから明らかである。

    もし白羊宮0度から処女宮29度(訳注:英訳もギリシア語原文も共に「磨羯宮」であったがおそらく誤り)までの黄経について求めるなら、これらが赤道より北に逸れており、もし求める黄経が天秤宮0度から双魚宮29度までならこれらが同じ赤道(訳注:英訳もギリシア語原文も共に「子午線」であったがおそらく誤り)より南に逸れていることが明らかである。

    So it is plain to everyone, that for the sun, the moon, and each of the planetary stars, taking them in each occurring degree of the zodiac, we thus arrive at how much they deviate to the south or to the north of the equinoctial.
    For having taken the degree, in which the sun, or the moon, or each of the planetary stars, has its epoch, and done all the things previously mentioned, we shall find what we were seeking.
    For by as much as the degree of the zodiac deviates from the equinoctial to the north or to the south, so great a deviation does the star upon it make.

    そして、太陽、月、それぞれの惑星について、これらが出現している黄経を調べれば、赤道から南や北にどのくらい逸れているかがわかるということは、誰の目にも明らかである。

    太陽、月、それぞれの惑星の黄経の度数を調べるには、先に述べたことを全て行えば、求めるものは得られるだろう。

    なぜなら、黄道の黄経が赤道から北や南に逸れる角距離と同じだけ、黄道帯上の惑星も逸れているからである。

    Using the same method we shall know whether each of the fixed stars in the Arachne, is more to the south or more to the north of the equinoctial, and by how many degrees it is distant from it in either direction.

    同じ方法でリート上のそれぞれの恒星が、赤道より南にあるのか北にあるのか、そして赤道からそれぞれの方向にどのくらい離れているのかを知ることができる。

Finis.

終わり