月 | Luminareo

2014-07-31

「月」タロット図解(1922年版)

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オリジナルで絵を描くなら……

月 ― 「真の意志」までの孤独な道

一般的に「月」のカードは「不安」を意味すると言われます。

瀬野の場合も、このまま進むとその先が不安というときに「月」が出ますが、この先が不安であっても、結局はそっちに進まざるを得ないときに出るかな。
だから、「月」が出て不安って言われても、気を付ける以外しょうがないんだよね。

あとは、「どうって聞かれても、正直周囲の状況は曖昧」みたいなときにも出ます。

結局「月」が出るときは、「このまま進むけど、一応気を付ける」という結論ばかりで。


そう思って考えると、あとカードの順番から考えても、「星」で、自分にとっての進むべき方向がハッキリと見えてるんだから、不安だろうが、もうそっちに進むしかないんですね。自分的に。

となると、「月」が示す「不安」とは、外の社会とのあれこれにある、というようなことが言えそうで。

目の前の犬と狼

例えば、「星」のところで挙げた、絵を描いて生きて行こうと思った人の例で行くとですよ?


例えば、その人は、まず漫画やアニメが大好きだったから、自分もきっと漫画を描くのが好きなはずだと思いこんでたと。
しかし、その人が本当に好きだったことというのは、漫画キャラの「一枚絵」を描くことだけだった訳で、実はその人にとって、お話に関わることは苦痛だったとしましょう。

でも、漫画を描くというのは、「他人が読んで楽しいお話を作れる」ということの方がよほど重要なんですね。
一枚絵の上手い下手どうこうは、漫画にとっては最低限でいい

……今は、キャラ絵の一枚絵でお仕事もらえる時代ですけどさ、pixivやらSNSゲーだのスマホアプリなんてもんがなかった頃は、漫画絵キャラ絵を発表したけりゃ、漫画かゲームを作るのが一般的だった。
つまり自分が進んだらいい方向の選択肢が、社会的に存在しなかった。

ここで、「それでも自分はキャラ絵だけを描くんだー」とキャラ一枚絵を描くことを愛し、周囲の反応関係なしに、ひたすらイラスト集を世に発表し続けられたなら、既存の少なすぐる選択肢とは全く違う道が開けたやもしれません。

でも、毎回毎回いくら打てど全く響かず顧みられず、持ち出すことが延々と続き、その果てに続けることが重荷と苦しみにしかならなくなったなら、どうでしょ?
あるいは、顧みられることを選んで、もはや好きでもなく描いててちっとも喜びでも何でもないものばかりを発表し続けるとしたら?
……心折れるほうが当然だたぁ思いませんか。

巷にあふれる成功哲学を振りかざして、「道が開けるまで続けなかったお前がアホなのだ」と一喝するのは簡単ですよ。
でもあなたそんなら気が狂うまで破綻するかという苦しみを抱え続けてみるがいい。

……せめて、破綻するほど苦しくなければ、続けられたんだよ。


……ってぇゴルァ!!!!!!!
何の話をしとるんか私は!!!!
orz


要するにですよ、大人の事情だの世間の仕組みだの、周囲の評価だのなんかではなく、自分がどう進めたら満足か、続けていけるかということをコンパスにしてたら、小さいかもしれないけど、でも、自分だけの「星」に辿り着けたかもね。
……ということを言いたい! そういうことを言いたい!!

んー、まあ、「辿り着けたかも」っていうのはif」でしかないですが、むしろここまで不毛だと、もはや絵を描くことは本当は全然「星」じゃなかっただろとしか思えないんだが、でも、少なくとも、これだけは確かだ。
上の例は、大人の事情世間の仕組み周囲の評価だという、言わば道の両側にいる犬と狼にさんざん惑わされ、その先の道を行くことはなかったということだけは、確かなのだ。

黄色い道を一人ただ行け

そう思ってRWS版の「月」をみると、実によくできてるんですな。

中央の道がずーっと遠くまで続いてて、しっかり山の向こうまで行ってる。
この道が「黄色」っていうのが、これまた。
RWS版では黄色は精神性というか、祝福みたいなもの関連に使われてるからです。


で、「月」のカードって「全体的に不安な感じ」とか言う人がいるけど、実は明らかに過激な障害ってのは、目の前の犬と狼だけなんだな、よく見ると。

この手前の犬と狼をやり過ごしたら、あとはひたすら自分との勝負じゃないですか。
そこまで行って、そんなただの「全体的に不安な感じ」なんかに飲まれるのはもったいないよ!

荒野を行く道は、自分だけの「星」へと通じる、自分だけの道。
だから、この道を誰かと共に行くことは出来ないというだけ。
黄色い道はただ一人黙々と山の向こうまで行く必要がある。

でもその荒野の道だって、二つの塔の間を過ぎたら、なんか緩やかに上がっているように見えるし、お月さまの光がぽつぽつと祝福してるようじゃないですか。

あの山の向こうを過ぎたら、当然次の「太陽」に行きつく訳だ。