大アルカナの構造
うん、
タロット裏面の柄を考えてたとき、「世界」と「運命の輪」に考えが行って、さらにそれをきっかけに湧いてきた、瀬野の独断と偏見による大アルカナの構造。
そんな綿密ーなものじゃなくて、ざっくり、ざっくりですよ。
愚者
「愚者」は、気分的には「世界」の後に置くのが猛烈にしっくりくるんだけど、「魔術師」の前に置いても全く問題はないとも思ってます。
でも「愚者」を0番にすれば、「愚者」から「運命の輪」までと「正義」から「世界」までがカードの枚数的に釣りあうから、番号として0番を振るという感じですね。
本音としては、無番号にして別に置いときたい感じではあるかな。
とにかく「愚者」は、完成の後・始まりの前の、別次元って感じです。
魔術師 ~ 運命の輪
「愚者」から「運命の輪」までの11枚というか、「魔術師」から「運命の輪」までの10枚は、自分が世界に出現し、世界というものを学ぶまでのサイクルって感じですな。
前半の「魔術師」「女教皇」「女帝」「皇帝」「法王」はなんというか、キャラ紹介っていう感じがするんですよね。
状況がどうこうというより、基本どういう人間がいるか、というか、人間はどういうパーツの性格から成り立ってるかという成分説明みたいな感じ。
で、そのパーツというのは、小アルカナの4大元素とはちょっと方向が違うというか。
んーと、例えば、
占星術のサインの分類には、火・水・風・土の分け方の他に男性星座・女性星座という分け方があるんだけど、その男性・女性みたいな感じ。
あ、あれ? じゃあ、「女帝」―「皇帝」、「女教皇」―「法王」と組にすると、「魔術師」はオカマなのか!!?
……い、いや、でもあれですよ。ほら。
「魔術師」は「始まり」だからさ、そーゆー区分とは別枠なんだよ!!(汗)
日本の神様だってさ、初めに出現した神様は性別無しじゃない! そんな感じで!!!
続いての「恋人」「戦車」「力」「隠者」は、「他人が『こいつらは良いもんだ』と押しまくるから、きっと良いもんなんだろう」的なエニシングって感じがしてます。
それらはもしかすると、「確かに良いものではあるけど、自分自身の目的として目指すべきではないもの」かも、という可能性があるものです。
……子供のときってさ、そんな他人の価値観をひたすら押し付けられて、本当に自分が目指すべきものに気がつかなかったり、目指してても邪魔されたりするよね。
でも「隠者」では、自分が本当に目指すべきものになんとなく気付いて探しにいくような雰囲気があります。
しかし「隠者」の段階では、その目当ては、全然、全く見えてません。
そして「運命の輪」は、そんな他人の価値観にのっとってうまく行ったという感じ。
このとき、「世界」……というか、「私これでいいんだ」っていうのが垣間見える訳で。
ただし、この時点の「私これでいいんだ」は、所詮他人に振り回されて得られたもの。
他人から背を向けられた途端、「私これでいいんだ」ではなくなってしまうんだな。
そんな訳で、「運命の輪」には上げ下げがあるんです。
正義
タロットには8番11番問題というものがありまして。
……ん? そんな単語は初めて聞いた? うん。だって今瀬野が作ったし。
要はあれです。本来のタロットは8番が「正義」で11番が「力」なんですが、ウェイト版では占星術との対応的な面からこの8番と11番が入れ替わってるんですな。
ちなみにトート版では、さらに入れ替えたい箇所がもう一カ所できたため、むしろ8番と11番は入れ替えない方が釣り合いが取れるってんで、元のままとなってます。
……ざっくり言っただけじゃ、なんのこっちゃよう分からんな(爆)
瀬野は初め、占星術との対応的な理由での入れ替えについていったん元に戻してみて、改めて考え直してもいいかなと思ってたんですが、とある解説本で目にした「愚者を抜いた大アルカナを番号順に並べると、『正義』が中心に来て釣り合ってるー!」という説に激しく胸を打ち抜かれたので、やっぱり11番は「正義」です。ええ。
あと、「正義」は、「ちょっと頭冷やそうか?」的な意味があるというか、「いったん自分というものから離れろや」みたいな感じのカードなので、後半に向けてのインターバルみたいな感じで、ちょっと独立気味でいいかなと。
吊るされた男 ~ 世界
「正義」から「世界」までの11枚というか、「吊るされた男」から「世界」までの10枚は、本当に自分が目指すべきもの……自分の「真の意志」を見つけて掴むまでって感じ。
後半開始の「吊るされた男」「死神」「節制」「悪魔」「塔」は自分が目指すべきものを見失って辛い辛いマジ辛いという感じ。
スピ系で「魂の闇夜」という言葉がよく言われるけど、正にそれって感じです。
世間的に「それいいじゃーん」ってものを手に入れたのに、なんでか嬉しくないというか。
それどころか、その世間的によさげなのに実際手に入れてみたら微妙だってものを維持するのがむしろ不幸。
そうやって嫌々やってるうちに実際うまくいかなくなるし。
「節制」っていうのは、「まあまあまあまあ」って感じかな。
その場はなんとかやり過ごせても、根本的な解決にならない感じですね、「節制」って。
そう言えば、本心押さえつつやり過ごさなきゃならんときによく出てたな。
でも結局「塔」で、そうやって自分に嘘をついてきたことが崩壊する訳です。
真理がごまかせなくなって現実と破綻をきたすのが「塔」。これは間違いない。
「塔」は、流れ的に見ると「どうしてこんなになるまで放っておいたんだ」のAAな感じ。
そして最後の「星」「月」「太陽」「審判」「世界」は、もちろん「真の意志」を掴むまで。
「塔」で他人から押し付けられてきた「こいつら良いもんなんだぜ」が本当に崩壊して、「星」でやっと自分自身の「真の意志」が見えてきます。
でも「星」ではまだ見えてるだけで手が届いてないんです。だから「希望」。
「月」で、人の意見あれこれを振り切って、本気で「真の意志」へ向かい出し、「太陽」で「真の意志」をハッキリと捉える訳です!
ちょっと、「審判」は、瀬野にはイマイチ解釈出来ないところがあるんですね。
よく出るけどよく分からん! 「運命の輪」の上位変換という感じかな。
でもこれが出るときって、結局何事もないんだよね(爆)。まあよく思い出してみます。
で、「世界」で「真の意志」が具体的になって自分や現実とかみ合って本当に自分のことを「私これでいいんだ」って認められることになります。
愚者・再び
「世界」の後に、また「愚者」が回ってきます。
「愚者」は、完成したことをスッパリと投げ捨ててしまって別のサイクルへと飛び出していってしまうから「愚者」なんですな。
だけどこの「愚者」は、自分の「真の意志」、自分が本当に目指すべき先をもう知っているから、完成したものことを捨て去ってどこへ行こうとも、迷うことはないもんで、だから飛びだしていけるっていう訳です。