死神
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死神 ― 一区切りついてスッキリ
「死神」のカードは「終末」「終焉」「死と再生」などを意味します。
これは嫌いな人が多いカードではあります。でも好きって人も見かけますね。
好きって思う人はたぶん、ものごとを引きずるのは嫌というタイプかもです。
瀬野にとって「死神」は、初めこそ嫌げな印象のカードでしたが、占いで使っているうちに、自分にとってのメインの意味合いがガラっと変わったカードでもあります。
初めは、最初に参考した入門書の影響もあり、
正位置:「終わらせたくないものが終わってしまう」
逆位置:「終わってしまったチャンスが復活してハッピー!」
みたいな感じに捉えてました。
それが、数年後には
正位置:「終わるべきものが終わってスッキリ、新たな再生へ向けてGO!」
逆位置:「終わりたいのに復活しちゃって終わらなくてグダグダ」
と、自分の中での意味が変わってしまった訳です。
……この間に何があった、自分……。
ん?
正位置:「終わるべきものが終わってスッキリ、新たな再生へ向けてGO!」
逆位置:「終わってしまったチャンスが復活してハッピー!」
って意味にしちゃえば、すんげーポジティブなカードになるよね!?
……って、そういうもんじゃねえわ!!!
要は「終わり」ってことで
まあ、どういうふうに捉えるか、というのは、自分にとってしっくりくる解釈を採用すればいいと思います。
実際には、質問内容や周囲に出たカードで決まるところですし。
それより肝心なのは、終わって良いにしろ悪いにしろ、「死神」のカードの重要な意味は「終わる」ということな訳で。
んー、まあ、恋愛のことを占ってて「死神」が出てしまったらちょっとポジティブには捉えにくいですよね。
基本的にその恋愛は終わりって意味になるんですが、質問者は逆にその恋愛を続けたくて占ってる訳だしね。
だけど、世の中には終わった方がいいものもある訳で。
例えば、「吊るされた男」のときに言った、打つ手ないわ、何やっても無駄だわ、耐えるしかないわ、それに加えて過ぎ去ったからって得られるものが何もない、なんていう状況とかね。
うん、そんな最低な状況なんぞとっとと終わってくれ。
そういう状況のときに「死神」が出るなら大歓迎です。ええ。
そんな感じで、絵柄が骸骨だしなんか気味悪ということはその通りですが、「終わる」ということだと思えば、何が何でも怖くて嫌というカードでもないと瀬野は思うんです。
遠くに何か見えてますよ
ところで、このカード、よく見ると遠くにお日様が昇ってるんですね。
よく指摘されることではありますが。
お日様ってのは沈んでまた昇るものですから、ここでは「再生」を意味していると言われます。
よく指摘されることではありますが。
……本当は、昇ってるんじゃなくて、落ちてるという可能性があったりして。
さらに、これまた大変よく指摘されていることなんですが、昇る(?)お日様の手前には2つの塔が建ってます。
そしてこの2つの塔、「月」のカードに描かれてる2つの塔に激似です。
……この2つの塔については、瀬野にはちょっと思い入れるところがあるんですな。
瀬野的考えでは、「月」のカードの2つの塔の先の領域とは、「自分にとっての真実」に手が届く場所です。
己の人生の目標的な感じで目指していくべき場所だと瀬野は捉えてます。
で、その、自分にとっての真実だとか、本来自分が向かうべき場所ってのは、大アルカナの順番で言うと、「塔」の段階を過ぎて「星」の段階にならないとハッキリしないものではあるんですが、それが、もうここで見えているんですね。
今の時点では、ここからではでかい川はありーの高い崖はありーのであの2つの塔の所まで行ける道があるのかどうか分りませんが、でも、ゆくゆくはあそこを目指すことになるんでしょう、ということです。
ただし。
そこを目指すには、その前に目指そうとする自分を引きとめたり阻んでたりするウンチャラや過去のしがらみやらなどを終わらせる必要がある訳で。
このカードで、死神に引導を渡されている人たちは、そういう、自分にとって終わらせる必要のあるものの象徴だと瀬野は思う訳です。
前の「吊るされた男」のカードが本当の自分がガチガチに邪魔されて全く身動きとれない状態であるならば、この「死神」は、その状態が終わって、本当の自分が「真の意志」への旅を始めた状態だと、瀬野は思ってます。