アストロラーベ 解説 | Luminareo

アストロラーベ 解説

2017-12-31

アストロラーベ 解説

アストロラーベ(アストロラーブ・Astrolabe)とは、古典時代のギリシアで発明され、主に中世のイスラム世界やルネサンス期のヨーロッパなどで盛んに使われた天文観測器具です。

このアストロラーベ、とにかく初期の天文学のマストアイテムで、用途はえらい幅広く、

  • 太陽・月・惑星・恒星といった天体の高度(地平線からの角距離)の測定
  • ある土地での現地時間の算出
  • ある土地の緯度経度の測定
  • 三角測量や三角関数の算出
  • 惑星の位置の測定や予測
  • ホロスコープ・チャート(星位図)の作成
  • キブラ(メッカのカアバ神殿の方角)の算出
  • サラート(イスラム教の礼拝)の時間の算出

といった用途に使われました。

まあ見てもらえりゃ分かりますが、「透かし彫の唐草で表現された星図が円盤の上で回転する」という、厨二病を猛烈な勢いで悪化させるアイテムです。

アストロラーベ・裏表

それだけでも厨二病に悪いというのに、さらに「色々な使い方のあった(が、まとまった情報が伝わってなくてよくわからない)アナログ・コンピュータ」だなんて言われりゃもう大変。

だって、使い方の失われたアナログ・コンピュータですよ? 心踊りません?
あなたの心が踊らなくても瀬野の心はぴょんぴょんします。
と言うわけでこの使い道のわからないアナログ・コンピュータ、使ってみようじゃありませんか。みんなで!


え? ここ占いのサイトじゃねーのかよ、天文学関係ねーだろ?
いやー、それが全然んなこたぁないんだな! 天文学と占星術は歴史上猛烈に密接な関係があってですね。
およそ地動説が確立する前の天文学は占星術との区別があまりなく、中世では占星術はほぼ学問として扱われてました。
それにホロスコープのアセンダントやハウスを割り出すのにアストロラーベが使われたりもしたもんです。

アストロラーベ 解説・目次

アストロラーベ操作マニュアル

  • アストロラーベの構造とパーツ(2018-09-20)
    アストロラーベの仕組みを、部品ごとに(マーテル、ティンパン、リート、アリダード等)図示して解説
  • アストロラーベの使い方(2018-09-20)
    代表的な使い方の解説(太陽黄経の算出、太陽高度から現在時刻の算出、アセンダント(黄道と地平線の東の交点の黄経)の算出、日の出や星の出の時刻の算出、不定時法による時刻の見積り、三角関数の算出、三角測量)
  • ユニバーサル・アストロラーベ(サフェア)の使い方(2022-06-28)
    ティンパンの交換なしで全世界で使えるユニバーサル・アストロラーベ(サフェア・アルザケリス)の使い方解説(太陽の赤経赤緯の算出、現在地での太陽南中高度の算出、黄道座標←→赤道座標の変換、日の出日没時刻の算出、太陽高度の算出、太陽・恒星の高度から現在時刻の算出)

アストロラーベの背景

  • アストロラーベの作り方(2019-04-22)
    ヨーロッパ式のアストロラーベの、設計理論と一から製図する方法の、図解による詳細な説明
  • アストロラーベの歴史(2018-06-18)
    古代ギリシャで発明されてから世界へ伝播、発展・衰退するまでの、めくるめく歴史
  • アストロラーベの種類(2018-08-30)
    現在一般的なもの以外の、航海用アストロラーベ、アストロラーベ四分儀、ユニバーサル・アストロラーベといったバリエーションの紹介

一次資料・和訳

配布資料・製作物

アストロラーベ・パーツ

なお、LuminareoWebショップにて、真鍮製のミニチュアや組立済みのカードを販売してます。

参考文献

このコーナーで主に参考にしたサイトや文献は以下の通り。

アストロラーベ製作・製図

アストロラーベについて

PD一次資料・原著および訳

大元の資料は間違いなくパブリックドメインなんですが、現代語訳版や和訳版には著作権保護期間中なものもありますので、引用などの際はご注意ください。

天文学資料

占星術資料

  • ルル・ラブア『占星学』(1995)実業之日本社, 321p.
  • ウィリアム・リリー(著), 田中要一郎(監修), 田中紀久子(訳)『クリスチャン・アストロロジー 第1書&第2書』(2018)太玄社, 592p.
  • ウィリアム・リリー(著), 田中要一郎(監修), 田中紀久子(訳)『クリスチャン・アストロロジー 第3書』(2015)太玄社, 408p.
  • 鏡リュウジ『鏡リュウジの占星術の教科書 I 自分を知る編』(2018)原書房, 296p.
  • 鏡リュウジ『鏡リュウジの占星術の教科書 II 相性と未来を知る編』(2018)原書房, 256p.
  • 河内邦利『西洋占星術 星の階梯 I 天空の神秘』(2018)カクワークス社, 260p.
  • 河内邦利『西洋占星術 星の階梯 II 占星術の奥義』(2020)カクワークス社, 246p.
  • アンソニー・ルイス(著), 鏡 リュウジ(監修訳)『ホラリー占星術 入門と実践』(2020)駒草出版, 480p.
  • Alexander BoxerA Scheme of Heaven: Astrology and the Birth of Science』(2020)Profile Books Ltd, 336p.
  • ベルナデット・ブレイディ(著), さくらいともみ(訳)『ブレイディの恒星占星術 恒星と惑星の組み合わせで読み解くあなたの運命』(2021)太玄社, 640p.
  • ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ・フォン・ネテスハイム(著), Hiro(訳)「オカルト哲学 2-47」(2018),「オカルト哲学 2-52」(2018), 魔術とオカルトの図書館
  • 福本基(note伝統的占星術における恒星と星座の意味』(2020)(※ 有料記事)
  • Astro Grammar (YouTube)(2020)
  • Lumiere占星術/占星学/星占い/Astrology』, 『占星術用語辞典』, 占いフォーラム (fanex)
  • Overview House Systems」, Astrodienst
  • Graham BatesThe Astronomy of Houses」, Urania Trust
  • Behenian fixed star」, Wikipedia.en

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