チョーサー「アストロラーベに関する論文(A Treatise on the Astrolabe)」全文和訳/現代英語訳 | Luminareo

チョーサー「アストロラーベに関する論文」全文和訳/現代英語訳

「アストロラーベに関する論文(A Treatise on the Astrolabe)」完訳

2018-06-28

ジェフリー・チョーサーの「アストロラーベに関する論文(A Treatise on the Astrolabe)」、和訳したった!

文中から察するに1391年頃にまとめられたと思われる、英文では最古のアストロラーベ解説書の、日本語完訳です。
8世紀のペルシャの学者・マーシャーアッラー(*740頃〜†815)の論文のラテン語訳「Compositio et Operatio Astrolabii(アストロラーベの設計と操作法)」を軸に再構成したもので、英語のアストロラーベ解説サイトではまず真っ先に「読んどけ」文献に上がっている文書です。

…その割に、今の英語とは文法や単語とかがだいぶ違うのに、ジェームス E. モリソンさんによる訳以外の現代英語訳を見ないんですが、あっちの人って古英語をそのまま流し読みできるものなんかいな…?
瀬野はいくら日本語でも14世紀な鎌倉時代の古文なんて流し読めないぞ!
さらに英語ともなりゃとてもじゃないけど流し読むなんぞ無理なんで、やっとこせっとこ日本語にしたよ!!
日本人ならやっぱ日本語で読まなきゃ頭に入んないもんね!!!

ここでは文献学者・ウォルター・ウィリアム・スキート(*1835〜†1912)が1872年に校訂したものの本文部分を底本にしました。

序文に「この論文は5部からなる」と書かれてますが、2部までなのは仕様です。原文自体が2部までしか現存してません。現存してないどころか4部以降はそもそも書かれなかった可能性が高いようです。
さらにその2部も写本によって項目の数や内容がバラバラで、22の写本を比較・検討したスキートは、第40項までは確実にチョーサーが書いたものと結論づけました。
そしてスキートは第40項までを第2部とし、それ以降を補足資料として章立てて収録しました。


ところで、原文を対訳で掲載するのがうちのいつものスタイルですが、この文献のガチ原文ったらパッと見が相当にカオスで、現代英語との比較ならともかく日本語と比較するんじゃかなり辛いのと、うち別に中英語の研究サイトじゃないので、原文から単語や語順を局所的に最低限、Google翻訳がスペルミスを指摘しない程度に、現代英語に置換した文章を対訳として載せています。
正直、モリソンの現代語訳はずいぶんな意訳で明確に間違ってる箇所すらあるので、意訳のない現代語訳が欲しかった。
本当にほんとの原文テキストはWikisourceProject Gutenbergを当たって見比べてみてください。

なお、それ以外の、つまり単語や語順を局所的に現代語に置換した以外の編集は行っておりません。
翻訳の内容も、語順や単語を置き換えた後の文章をできるだけストレートに日本語に訳しました。
瀬野の認識誤りから文意が変わってしまっている点はあるかもしれませんが、元の文の内容を恣意的に省略したり編集したり改変したりといったことは行っておりません。それと前置きはこんなですけど、訳文は超まじめだよ!

「アストロラーベに関する論文」・目次

序文


第1部


第2部

  1. 任意の日の太陽の黄経を求める
  2. 太陽や他の天体の高度を求める
  3. 現在時刻とアセンダントを求める
  4. アセンダントについて
  5. 太陽を等高度線の間に合わせる
  6. 薄明の開始・終了時刻を求める
  7. 日の出から日没までの時間を測る
  8. 不定時法を定時法へ変換する
  9. 薄明開始から終了までの時間を測る
  10. 不定時法の昼の1時間の長さを測る
  11. 定時法での1時間の長さを求める
  12. プラネタリーアワーについて
  13. 太陽の南中高度を求める
  14. リートから太陽の黄経を求める
  15. 日中の長さが等しい日を求める
  16. 第15項の解説
  17. 未知の星の黄経を求める
  18. 既知の星の黄経を求める
  19. 恒星が昇る時のアセンダントを求める
  20. 黄道上の点の赤緯を求める
  1. ティンパンに設定された緯度を求める
  2. オックスフォードの緯度と北極の高さ
  3. 任意の場所の緯度を求める
  4. 任意の場所の緯度を求める方法その2
  5. 任意の場所の緯度を求める方法その3
  6. 12宮の各サインの上昇時間について
  7. 赤道でのサインの上昇時間を求める
  8. 任意の場所のサイン上昇時間を求める
  9. 正確な東西南北の方位を求める
  10. 惑星が太陽より北か南かを求める
  11. アストロラーベの方位について
  12. 太陽との合が起きる方位を求める
  13. 高度から太陽の方位を求める
  14. 月が黄道にある時に黄経を求める
  15. 惑星が順行か逆行かを求める
  16. アストロラーベでハウス分割をする
  17. ハウス分割の別の方法
  18. 任意の場所で子午線を求める
  19. 2地域間の緯度・経度について
  20. 黄道にない惑星が昇る時の黄経を求める

補足資料

序文

Geoffrey Chaucer,

A Treatise on the Astrolabe.

アストロラーベに関する論文

PROLOGUE.

序文

Little Lowis my son, I have perceived well by certain evidences your ability to learn sciences touching numbers and proportions; and as well I consider your busy preyer in special to learn the Treatise of the Astrolabe.
Then, for as mach as a philosopher says, "he wraps him in his frend, that condescends to the rightful preyers of his frend," therefore I have given you a sufficient Astrolabe as for our horizon, compounded after the latitude of Oxford; upon which, by mediation of this little treatise, I purpose to teach you a certain number of conclusions appertaining to the same instrument.

小さなルイス、我が息子よ、お前にはもう数や比率といった学問を学ぶ力が確かにあることを知った。
そしてお前がアストロラーベの論文を学びたいとたびたび願っていることも知った。
そこで、ある哲学者が「人は、他者の正当な願いを誠実に扱う者を友とみなす」と語ったように、私はお前に、ここオックスフォードの緯度用に設計された、この土地できちんと使えるアストロラーベを与え、このささやかな論文で、お前にこの器具のまとまった使い方を教えよう。

(訳注:チョーサーにルイスという名の息子がいたかについて確実な記録はない。ルイスとはチョーサーの長男トマスのことであるとする説や、チョーサーの友人の息子ルイス・クリフォードであるとする説などがある。ルイス・クリフォードはチョーサーが名付け親(代父)であった可能性があり、1391年10月に亡くなっていることから有力視されることが多かった)

(訳注:哲学者の言葉の出典についてスキートは、キケロ(*前106〜†前43)「Laelius de Amicitia(友情について)」44節の冒頭「Haec igitur prima lex amicitiae sanciatur, ut ... amicorum causa honesta faciamus(そこで次のことを友情の第一の法と定めよう、(中略)友人には誠実なことをなすべきだ)」と推定している)

I say a certain of conclusions, for three causes.
The first cause is this: trust well that all the conclusions that have been found, or else possibly might be found in so noble an instrument as an Astrolabe, are unknown perfectly to any mortal man in this region, as I suppose.
Another cause is this; that truly, in any treatises of the Astrolabe that I have seen, there are some conclusions that will not in all things perform their behests; and some of them are to hard to your tender age of ten year to conceive.

私が使い方をまとめるのには、3つの理由がある。
最初の理由は、アストロラーベというこの素晴らしい器具の、今までに分かっている使い方や可能性のある使い方は、この地域の人に完全には理解されていないということ。
もう一つの理由は、私がこれまで読んできたアストロラーベの論文にあった使い方のいくつかは、まるで用をなさなかったこと。
そして、これらの本をお前のような10歳の幼い子供が理解するのは難しいということだ。

This treatise, divided in five parts, I will show you under full light rules and naked words in English; for you can not yet Latin but little, my little son.
But nevertheless, these true conclusions in English suffice to you, as well as these same conclusions in Greek suffice to these noble scholars Greekes, and to Arabians in Arabic, and to Jews in Hebrew, and to the Latin folk in Latin; which Latin folk have them first out of other diverse languages, and written in their own tongue, that is to say, in Latin.
And god knows, that in all these languages, and in many more, these conclusions have been sufficiently learned and taught, and yet by diverse rules, right as diverse paths lead diverse folk the right wey to Rome.

この論文は5部からなるが、私はこれをお前のために、とても簡単な方法で素朴な単語の英語で書こう。
なぜなら息子よ、お前はまだ幼いのでラテン語を読めないからだ。
しかし、ギリシャ語で書かれた正しい使い方がギリシャの立派な学者たちに、アラビア語のものがアラブ人たちに、ヘブライ語のものがユダヤ人たち、そしてラテン語のものがラテン語を使う人々にとって十分役に立つように、英語で書かれた同じ内容の正しい使い方はお前にとって十分訳に立つものだ。
ラテン語を使う人々だってまず他のいろいろな言語で理解したことを、自分たちの言語、つまりラテン語に書きなおしたのだ。
様々な道が様々な人を正しくローマへ導くように、これら全ての言語、さらにもっと別の言語でも、これらの使い方が色々な方法で十分に学ばれ教えられることを、神はご存知だ。

Now I will prey meekly every discreet person that reads or hears this little treatise, to have my rude composing for excused, and my superfluity of words, for two causes.
The first cause is, for that curious composing and hard sentence is full heavy at once for such a child to learn.
And the second cause is this, that seems truly me better to write unto a child twice a good sentence, than he forget it once.

さて、このささやかな論文を読んだり聞いたりする分別のある読者たちには、私の雑な構成とくどい言葉使いを、次の2つの理由からどうか大目に見てほしい。
1つ目の理由は、物々しい構成や難しい文章は、子供が学ぶためには全く難しいのだ。
2つ目の理由は、子供にとっては1回読んで忘れてしまうより、2回良い文章を書いてやる方が良いと私は心底から思うのだ。

And Lowis, if so be that I show you in my light English as true conclusions touching this matter, and not only as true, but as many and as subtle conclusions as are showed in Latin in any common treatise of the Astrolabe, great me the more thank; and prey god save the king, that is lord of this language, and all that surely bears and obeys him, each in its degree, the more and the less.
But consider well, that I never claim to have found this work of my labor or of my skill.
I am not but a lewd compilator of the labor of old Astrologers, and have translated it in my English only for your doctrine; and with this sword I shall slay envy.

さあルイスよ、正しい使い方の教材として簡単な英語で書いたこの論文が、いままでのどの一般的なラテン語のアストロラーベの本より、正しいだけでなくたくさんの緻密な使い方を教えるものであったなら、ありがたく思うように。
そしてこの言葉の主である王と、その王にそれぞれの分に応じてきちんと仕え従う全ての者たちに、ご加護があるよう祈りを捧げよ。
しかしよく覚えていてほしいのだが、私はこの仕事を自分の努力や技能で行ったなどと主張したりは決してしない。
私は、いにしえの占星学者たちの努力をいかがわしく寄せ集め、お前に教えるためだけに英語へと訳したのだ。
この宣言を剣として、私は妬みを退ける。

  1. (第1部:アストロラーベの部品)
    The first part of this treatise shall rehearse the figures and the members of your Astrolabe, because that you shall have the greater knowing of your own instrument.

    この論文の第1部では、アストロラーベの形と部品について詳しく語る。
    なぜならお前はこの器具についてきちんと知っておくべきだからだ。

  2. (第2部:使用法)
    The second part shall teach you the very practical work of the aforesaid conclusions, as far forth and as narrow as may be shown in so small an portable instrument about.
    For every astrologer know well that smallest fractions will not be shown in an so small instrument, as in subtle tables calculated for a cause.

    第2部では、この持ち運び可能な小さな器具にできる範囲での、ごく限られた、だがとても役に立つ使い方をお前に教える。
    というのは占星学者たちは皆、ある根拠によって算出された緻密な台であるこの小さな器具では、細かすぎる分数は表せないということをよく知っているのだ。

  3. (第3部:天文表・資料)
    The third part shall contain diverse tables of longitudes and latitudes of fixed stars for the Astrolabe, and tables of declinations of the sun, and tables of longitudes of cities and of towns; and as well for the governance of a clock as for to find the altitude meridian; and many another notable conclusion, after the calendars of the reverent clerks, frere I. Somer and frere N. Lenne.

    第3部では、アストロラーベのための恒星の赤経・赤緯の表、太陽の偏角の表、都市や町の経度の表、子午線高度を見つけて時刻を管理するための表、その他敬虔な聖職者であるジョン・ソマー修道士とリンのニコラス修道士の天文暦による注目すべき使い方など、様々な表を掲載する。

    (訳注:ジョン・ソマーは14世紀後半に活動していた修道士で、チョーサーは彼の書いた「Kalendarium of John Somer」という天文年表を所持していた。
    リンのニコラス(1386〜1411に活躍)も、天文学(占星学)分野の研究で著名だったカルメル会の修道士。オックスフォードで活動していた)

  4. (第4部:天体の動き・月の動き)
    The fourth part shall be a theory to declare the moving of the celestial bodies with the causes.
    The which fourth part in special shall shows a table of the very moving of the moon from hour to hour, every day and in every sign, after your almanac; upon which table there follows a canon, sufficient to teach as well the manner of the working of that same conclusion, as to know in our horizon with which degree of the zodiac that the moon arises in any latitude; and the arising of any planet after its latitude from the ecliptic line.

    第4部は、天体の動きをその原因と共に解き明かす理論である。
    特にこの第4部では、占星暦から、毎日毎時間ごとの月の動きの正確な表を掲載する。
    この表はある法則に基づいており、任意の緯度で月が地平線から昇るときにどの黄経にあるかを知る使い方を教えるのに十分使える。
    同じ使い方で、この緯度で任意の天体が黄道のどの黄経から昇るかが分かる。

  5. (第5部:占星学入門)
    The fifth part shall be an introductory after the statute of our doctors, in which you may learn a great part of the general rules of theory in astrology.
    In which fifth part you shall find tables of equations of houses after the latitude of Oxford; and tables of dignities of planets, and other useful things, if god and his mother the maiden will vouchsafe, more than I promise, &c.

    第5部は、一般的な占星学理論で定義されていることの大部分を学ぶ、学問の課程に従った入門となるだろう。
    この第5部ではオックスフォードの緯度でハウスを割り出す方程式の表、惑星の品位の表、その他の便利なこと、…もし神と聖母の思し召しなれば、その他の約束以上のことも掲載する。

第1部

PART I.
Here begins the description of the Astrolabe.

これよりアストロラーベの解説を始める。

  1. (リング)
    Your Astrolabe has a ring to put on the thumb of your right hand in taking the height of things.
    And take keep, for from henceforth, I will call the height of any thing that is taken by your rule, the altitude, without more words.

    アストロラーベには、物の高さを測るときに右手の親指を入れるリング(訳注:吊り輪)がある。
    そしてこれから先は、そのアリダード(訳注:原文では「定規」)で測った高さのことを「高度(the altitude)」と呼び、それ以外の言葉は使わない。

  2. (スローン)
    This ring runs in a manner swivel, fast to the mother of your Astrolabe, in so wide a space that it doesn't disturb the instrument to hang after its right center.

    このリングはスイベルを通り、器具の中心を差し障りなくまっすぐぶら下げられるような遊間を持って、アストロラーベのマーテル(訳注:原文では「母」。アストロラーベ本体のこと)にしっかりとつながっている。

  3. (マーテル)
    The Mother of your Astrolabe is the thickest plate, pierced with a large hole, that receives in their womb the thin plates compound for diverse climates, and your rete shapes in manner of a net or of a web of a spider; and for the more declaration, lo here the figure.

    アストロラーベのマーテルはとても厚い板でできていて、大きな穴が空いている。
    マーテルのその大きな穴に、薄い板でできた何枚もの「ティンパン」(訳注:原文では「クライメータ」)と、蜘蛛の巣のような形をした「リート」が納められる。
    より詳しくは図で示す。

    マーテル

    (訳注:スキートが主に底本にしたケンブリッジ大所蔵の写本には、「and for the more declaration, lo here the figure」の文章と共に大量の図が追加されていた。
    ここではスキートによる図版や本文の記述を元に、新たに図を描き下ろした)

    (訳注:実物の写真はこちらのリンク先画像を参照。大英博物館所蔵の1326年製アストロラーベより。
    写真左上がマーテル、右下の円盤がティンパン、中央上がリート)

  4. (南の線・北の線)
    This mother is divided on the back-half with a line, that comes descending from the ring down to the lowest border.
    The which line, from the aforesaid ring unto the center of the large hole amid, is called the south line, or else the meridional line.
    And the rest of this line down to the border is called the north line, or else the line of midnight.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    アストロラーベのマーテルの裏側は、リングから下の縁まで引かれた線で分けられる。
    このリングから中央の大きな穴の中心へと引かれた線は「南の線」または「子午線」と呼ばれる。
    この線の下の縁までの残りの部分は「北の線」または「真夜中の線」と呼ばれる。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:解説は裏面から始まる)

    南の線・北の線
  5. (東の線・西の線)
    Across this aforesaid long line, there crosses that another line of the same length from east to west.
    Of the which line, from a little cross + in the border unto the center of the large hole, is called the East line, or else the line Orientale; and the remnant of this line from the aforesaid + unto the border, is called the West line, or the line Occidentale.
    Now you have divided here the four quarters of your Astrolabe, after the four principal regions or quarters of the firmament.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    先に述べた長い線を横切って、東から西まで同じ長さの別の線が交差する。
    その線のうち、縁の小さな十字から中央の大きな穴の中心へと引かれた線は「東の線」または「東方線」と呼ばれる。
    そして、この十字から縁まで(訳注:を除いた)この線の残りの部分は「西の線」または「西方線」と呼ばれる。
    さてこれで、天空の4方位または4つの主要な領域(象限)に従って、アストロラーベを4等分した訳だ。
    より詳しくは図で示す。

    東の線・西の線
  6. (アストロラーベの右左と東西)
    The east side of your Astrolabe is called the right side, and the west side is called the left side.
    Do not Forget this, little Lowis.
    Put the ring of your Astrolabe upon the thumb of your right hand, and then its right side will be toward your left side, and its left side will be toward your right side; take this rule general, as well on the back as on the womb-side.
    Upon the end of this east line, as I first said, is marked a little +, whereas everemore generaly is considered the entering of the first degree in which the sun arises.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    アストロラーベの東側は「右」、西側は「左」と呼ばれる。
    このことを忘れるな、小さなルイスよ。
    お前の右手の親指をアストロラーベのリングに置くと、「アストロラーベの右」は向かって左側に、「アストロラーベの左」は向かって右側となる。
    これは裏面だけでなく大きな穴のある側の表面でも、いつもの決まりとする。
    最初に言ったように「東の線」の端には小さな十字の印があるが、ここは常にいつも、太陽が昇る0度のところ(訳注:東の地平線)とみなされる。
    より詳しくは図で示す。

    アストロラーベの右左と東西
  7. (裏面・外周の目盛り)
    From this little + up to the end of the meridional line, under the ring, you shall find the border divided with 90 degrees; and by that same proportion every quarter of your Astrolabe is divided.
    Over the which degrees there are numbers of algorism, that divide that same degrees from five to five, as shown by long strokes between.
    Of which long strokes the space between contains a mile-way.
    And every degree of the border contains four minutes, that is to say, minutes of an hour.
    And for more declaration, lo here the figure.

    この小さな十字からリングの下の「南の線」の端まで、縁が90度に目盛りを振られているのが分かるだろう。
    アストロラーベの各4分の1の領域にそれぞれ同じ割合で目盛りが振られている。
    その目盛りの外に算用数字が書かれており、同じ目盛りが長いストロークで5度ずつに分けられている。
    この長いストローク同士の間には、1マイルの距離を歩く時間(訳注:20分)が含まれる。
    縁の角度の1度が表す時間は4分、この場合の「分」とはつまり(訳注:角度の単位の分ではなく)時間の単位の分である。
    より詳しくは図で示す。

    外周の目盛り
  8. (黄経目盛り)
    Under the compass of that degrees the names of the Twelve Sign is writen, as Aries, Taurus, Gemini, Cancer, Leo, Virgo, Libra, Scorpio, Sagittarius, Capricornus, Aquarius, Pisces; and the numbers of the degrees of those signs are writen in algorism above, and with long divisions, from five to five; divided from time that the sign enters unto the last end.
    But understand well, that these degrees of signs are each of them considered of 60 minutes, and every minute of 60 secondes, and so forth into small fractions infinit, as Alkabucius says.
    And therefore, know well, that a degree of the border contains four minutes, and a degree of a sign contains 60 minutes, and have this in mind.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    目盛りの書かれた円の内側に、「白羊宮(Aries)」「金牛宮(Taurus)」「双児宮(Gemini)」「巨蟹宮(Cancer)」「獅子宮(Leo)」「処女宮(Virgo)」「天秤宮(Libra)」「天蠍宮(Scorpio)」「人馬宮(Sagittarius)」「磨羯宮(Capricornus)」「宝瓶宮(Aquarius)」「双魚宮(Pisces)」と、黄道十二宮のサインの名前が書かれており、その外側には算用数字でサイン(による黄経の)の度数と、5度ずつに分ける長い区切りが書かれている。
    サインの始まりから終わりまでの期間がこの長い区切りで分けられている。
    だが、これらのサインの目盛りはそれぞれが(訳注:黄経の角度での)60分を表し、1分は60秒であるが、アルカビティウスの言うように、同じようにもっと際限なく小さく分けられることを、よく理解せよ。
    それなので、縁の目盛りの1度は(訳注:時間の)4分で、サインの目盛りの1度は(訳注:角度の)60分だ。
    これをよく覚えておくように。
    より詳しくは図で示す。

    黄経目盛り

    (訳注:アルカビティウスとは、イスラム圏スペインで活躍した占星術師・アル=カビーシー(〜†967)のラテン語名。彼の書いた「星辰の判定術の手引き」は当時ヨーロッパで高く評価されており、何度もラテン語に訳された)

  9. (カレンダー目盛り)
    Next this follows the Circle of the Days, that is figured in manner of degrees, that contains in number 365; divided also with long strokes from five to five, and the numbers in algorism written under that circle.
    And for more declaration, lo here your figure.

    この次に、度数と同じように365個の目盛りを振られた日付の円が続く。
    この円もまた長いストロークで5目盛りずつに分けられ、円の内側には算用数字が書かれている。
    より詳しくは図で示す。

    カレンダー目盛り
  10. (一年の月の名前)
    Next the Circle of the Days, follows the Circle of the names of the Months; that is to say, Januarius, Februarius, Martius, Aprilis, Maius, Junius, Julius, Augustus, September, October, November, December.
    The names of these months were called in Arabians, some for their properties, and some by decrees of lords, some by other lords of Rome.
    Moreover of these months, as liked to Julius Caesar and to Caesar Augustus, some were compound of diverse numbers of days, as July and August.
    Then January has 31 days, February 28, March 31, April 30, May 31, June 30, July 31, August 31, September 30, October 31, November 30, December 31.
    Nevertheless, although that Julius Caesar took 2 days out of February and put them in his month of July, and Augustus Caesar called the month of August after his name, and ordered it of 31 days, yet trust well, that the sun dwells therefore never the more nor less in one sign than in another.

    日付の円の次に、月の名前の円が続く。
    つまり、「1月(Januarius)」「2月(Februarius)」「3月(Martius)」「4月(Aprilis)」「5月(Maius)」「6月(Junius)」「7月(Julius)」「8月(Augustus)」「9月(September)」「10月(October)」「11月(November)」「12月(December)」だ。
    これらの月の名前は、アラビア語や、いくつかはその月の性質、あるいは主君の命令、その他のローマの君主などから付けられた。
    さらにこれらの月は、ユリウス・カエサルカエサル・アウグストゥスが7月や8月にしたように、いろいろな日数から成り立った。
    それで1月は31日、2月は28日、3月は31日、4月は30日、5月は31日、6月は30日、7月は31日、8月は31日、9月は30日、10月は31日、11月は30日、12月は31日ある。
    ユリウス・カエサルは2月から2日を取って自分の月である7月に付け足し、カエサル・アウグストゥスは8月に自分の名前をつけて日数も31日にするよう要求したが、それでも、太陽が1つのサインに滞在する期間は、他のサインより決して長くも短くもないことは確かだ。

    一年の月の名前

    (訳注:ここに書かれたのはユリウス暦への改暦についての話だが、今では正確ではないと考察されている。最後の「太陽が12サインそれぞれに均等な期間滞在する」という説明だけは正しい)

  11. (聖人暦)
    Then the names of the Holidays in the Calendar follow, and next them the letters of the A, B, C, ... on which they follow.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    それから聖人暦の祝日の名前が続き、その次にアルファベットの文字(訳注:ドミニカル・レター。元旦をA曜日としたとき、その年の任意の日の曜日をA~Gで表したもの)が続く。
    より詳しくは図で示す。

    聖人暦

    (訳注:聖人暦とは、カトリックなどで聖人を記念する記念日で、365日ほぼすべての日に聖人が関係づけられている。どの記念日をアストロラーベに入れこむかは製作者によって異なるが、ここではスキートによる校訂版の図に従って製図した。
    1/25 聖パウロの回心、2/2 主の奉献、3/25 受胎告知、5/3 聖十字架発見の記念、6/24 洗礼者ヨハネの誕生、7/25 聖ヤコブ使徒、8/10 聖ラウレンチオ助祭殉教者、9/8 聖マリアの誕生、10/18 聖ルカ福音記者、11/11 ツールの聖マルチノ司教、12/21 聖トマス)

  12. (余接・正接の目盛り)
    Next the aforesaid Circle of the A,B,C,..., under the cross-line, the scale is marked, in manner of two squares, or else in manner of ladders, that serves by these 12 points and this divisions of full many a subtle conclusion.
    Of this aforesaid scale, from the cross-line unto the very angle, is called Umbra Versa, and the lower part is called the Umbra Recta, or else Umbra Extensa.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    先に述べたアルファベットの円の次だが、交差した線の下部に、2個の正方形の形か、はしごのような形をした目盛りがある。
    この目盛りには12個の点があり、たくさんの緻密な使い方がある。
    この目盛りのうち、交差した線に垂直な目盛りは「余接(Umbra Versa、訳注:タンジェントの古名。直訳は「垂直の影」)」と呼ばれ、下部にある目盛りは「正接(Umbra Recta、訳注:コタンジェントの古名。直訳は「水平の影」)」または「Umbra Extensa(訳注:直訳は「伸びた影」)」と呼ばれる。
    より詳しくは図で示す。

    余接・正接の目盛り
  13. (アリダード)
    Then you have a broad Rule, that has on either end a square plates pierced with a certain holes, some more and some less, to receive the stream of the sun by day, and also by mediation of your eye, to know the altitude of stars by night.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    それから幅のある「アリダード」があって、その両端にはしっかりした穴の開いた正方形の板がついている。
    この穴は、片方は大きくてもう片方は小さく、日中は太陽の光を受け、あるいは夜は目視で星の高度を知るためにある。
    より詳しくは図で示す。

    アリダード

    (訳注:これは立体パーツである。実物の写真はこちらのリンク先画像左下の、複雑な形状の細長い板である)

  14. (ポストとホース)
    Then there is a large Pin, in manner of an axis, that goes through the hole that halt the tables of the climates and the rete in the womb of the Mother, through which Pin there goes a little wedge which that is called "the horse," that strains all these parts together; this aforesaid great Pin, in manner of an axis, is imagined to be the Pole Arctic in your Astrolabe.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    そして、ティンパンとリートの板の穴を通って、マーテル表面の大きな穴に留めるための、軸の形をした「ポスト」(訳注:原文では「大きなピン」)がある。
    「ホース」と呼ばれる小さな楔が、ポストを通って全ての部品を一つに固定する。
    このポストは軸となって、アストロラーベの北極と見なされる。
    より詳しくは図で示す。

    ポストとホース

    (訳注:実物の写真はこちらのリンク先画像で、左一番下の大きなビス状のものがポスト、右上の細い棒状のものがルールを兼ねたホース。
    マーテルにティンパンとリートをはめ、ポストとホースで留めるとこの写真のようになる)

  15. (表面)
    The womb-side of your Astrolabe is also divided with a long cross in four quarters from east to west, from south to north, from right side to left side, as the back-side is.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    アストロラーベの表面も、裏面と同じように、東から西へ、南から北へ、右から左へ、長い十字で4等分されている。
    より詳しくは図で示す。

    アストロラーベ表面
  16. (表面・外周の目盛り)
    The border of which womb-side is divided from the point of the east line unto the point of the south line under the ring, in 90 degres; and by that same proportion is every quarter divided as the back-side is, that amounts 360 degrees.
    And understand well, that degrees of this border are answering and concentric to the degrees of the Equinoctial, that is divided in the same number as every other circle is in the high heaven.
    This same border is divided also with 23 letters capitals and a small cross + above the south line, that show the 24 hours equals of the clock; and, as I have said, 5 of these degrees makes a mile-way, and 3 mile-way makes an hour.
    And every degree of this border contains 4 minutes, and every minute 60 seconds; now have I told you twice.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    表側の縁は、「東の線」のところからリングの下の「南の線」のところまで、90度に目盛りが振られている。
    裏面と同じように、それぞれの4分の1の部分も同じ割合で目盛りが振られており、合計は360度である。
    よく理解せよ。縁の目盛りは同じ中心として赤経に対応しており、高い空を表す他の円(訳注:赤緯)も同じ数の目盛りで分けられている。
    この縁はまた、23個の大文字と「南の線」上の小さな十字で分けられており、時計と同じ24時間を表している。
    そして前に言ったように、この目盛りの5度が1マイルの距離を歩く時間(訳注:20分)で、3マイルの距離を行く時間は1時間だ。
    この縁の目盛りの1度が表す時間は4分、そして1分は60秒だ。大事なことなので2回言った。
    より詳しくは図で示す。

    表面・外周の目盛り
  17. (北回帰線・天の赤道・南回帰線)
    The plate under your rete is described with 3 principal circles; of which the least is called the circle of Cancer, because that the head of Cancer turns evermore concentric upon the same circle.
    In this head of Cancer, declination northward of the sun is the greatest.
    And therefore it is called the Solstice of Summer; which declination, after Ptolemy, is 23 degrees and 50 minutes, as well in Cancer as in Capricorn.
    This sign of Cancer is called the Tropic of Summer, of tropos, that is to say "turning"; for then the sun begins to pass away from us.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    リートの下のティンパン(訳注:原文では「プレート」)には主要な円が3つ描かれている。
    そのうち最小の円は「巨蟹宮の円(訳注:北回帰線)」と呼ばれる。
    なぜなら巨蟹宮0度の点は常にこの円の上にあるからだ。
    この巨蟹宮0度の点では、太陽が北側へ最大に傾く。
    だからここは「夏至点」と呼ばれる。
    プトレマイオスによればその傾きは23度50分で、磨羯宮でも同様だ。
    この巨蟹宮のサインは「夏の回帰線」と呼ばれ、tropos、つまり「転換点」を意味する。
    というのもここで太陽が我々から離れ始めるからだ。
    より詳しくは図で示す。

    北回帰線

    (訳注:黄道傾斜角は年々変化しており、国際天文学連合による2006年の定義では、現在の黄道傾斜角はおよそ23度26分である)

    The middle circle in wideness, of these 3, is called the Equinoctial Circle; upon which the heads of Aries and Libra turn evermore.
    And understand well, that evermore this Equinoctial Circle turns justly from very east to very west; as I have shown you in the sphere solid.
    This same circle is called also the Weigher, equator, of the day; for when the sun is in the heads of Aries and Libra, then the days and the nights are equal of length in all the world.
    And therefore these two signs are called the Equinoxes.
    And all that moves within the heads of these Aries and Libra, its moving is called northward; and all that moves without these heads, its moving is called southward as from the equinoctial.
    Take keep of these latitudes north and south, and do not forget it.
    By this Circle Equinoctial is considered the 24 hours of the clock; for evermore the arising of 15 degrees of the equinoctial makes an hour equal of the clock.

    3つのうち真ん中の大きさの円は「天の赤道の円」と呼ばれる。
    白羊宮0度の点と天秤宮0度の点は常にこの円の上を巡る。
    以前お前に天球儀で見せたように、この赤道の円は常に正確に真東から真西へと巡ることを、よく理解せよ。
    またこの円は「一日を量るもの」や「一日を等分するもの」とも呼ばれる。
    というのは、太陽が白羊宮の始まりや天秤宮の始まりにあるときは、全世界で昼と夜の長さが等しくなるからだ。
    だから、この2つのサインは「分点」と呼ばれる。
    (訳注:アストロラーベ上で)これら白羊宮の始まりの点と天秤宮の始まりの点の内側で起こる全ての動きは天の赤道からみて北側と呼ばれ、これらの点の外側で起こる全ての動きは天の赤道から見て南側と呼ばれる。
    この緯度の南北を頭に入れて、忘れることのないように。
    天の赤道で15度上昇するのにかかる時間は常に1時間なので、この「天の赤道の円」は時間の24時間であるとみなされる。

    天の赤道
    This equinoctial is called the girdle of the first moving, or else of the angulus primi motus vel primi mobilis.
    And observe, that first moving is called "moving" of the first movable of the 8 sphere, which moving is from east to west, and after again into east; also it is called "girdle" of the first moving, for it departs the first movable, that is to say, the sphere, in two equal parts, even-distance from the poles of this world.

    この天の赤道は「原動天の帯域」または「angulus primi motus(プリムム・モビーレの領域)もしくは primi mobilis(プリムム・モビーレ)」と呼ばれる。
    そして「第8天球の原動力の『動き』」と呼ばれるこの原動天が、東から西そして再び東へと戻る形で動いていることをよく観察せよ。
    また、天の赤道は、天の原動力つまり天球を、この世界の2つの極から均等な距離で2等分しているので、「原動天の『帯』」と呼ばれる。

    (訳注:当時は天動説が信じられており、世界は9層の天球からなると考えられていた。
    世界の中心にあるのが地球で、地球を包む最初の天球は月の軌道がある「月天」、月天を包む第2の天球は水星の軌道がある「水星天」である。同様に第3から第7の天球としてそれぞれ金星、太陽、火星、木星、土星の軌道がある「金星天」「太陽天」「火星天」「木星天」「土星天」がある。土星天を包む第8の天球として黄道十二宮や恒星がある「恒星天」があり(なおこの時代には天王星、海王星、冥王星などはまだ発見されていない)、さらに全天体の運行の原動力としてこれらの8つの天球を包む第9の天球「原動天(プリムム・モビーレ)」がある。
    この原動天とは、地動説での地球の自転を表現したものであると考えると、話を把握しやすいだろう)

    The widest of these three principal circles is called the Circle of Capricorn, because that the head of Capricorn turns evermore concentric upon the same circle.
    In the head of this aforesaid Capricorn is the greatest declination southward of the sun, and therefore it is called the Solstice of Winter.
    This sign of Capricorn is also called the Tropic of Winter, for then begins the sun to come again toward us.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    主要な円のうち最大の円は「磨羯宮の円(訳注:南回帰線)」と呼ばれる。
    なぜなら磨羯宮0度の点は常にこの円の上にあるからだ。
    この磨羯宮0度の点では太陽が南側へ最大に傾く。
    そこでここは「冬至点」と呼ばれる。
    またこの磨羯宮のサインは「冬の回帰線」とも呼ばれる。
    というのもここで太陽が再び我々に近づき始めるからだ。
    より詳しくは図で示す。

    南回帰線
  18. (等高度線)
    Upon this aforesaid plate is planned certain circles that is named Almucantars, of which some of them seems perfect circles, and some seems imperfect.
    The center that stands amid the narrowest circle is called the Zenith; and the lowest circle, or the first circle, is colled the Horizon, that is to say, the circle that divides the two hemispheres, that is, the part of the heaven above the earth and the part beneath.
    These Almucantars are composed by two and two, although so that on diverse Astrolabes some Almucantars are divided by one, and some by two, and some by three, after the quantity of the Astrolabe.
    This aforesaid zenith is imagined to be the very point over the crown of your head; and also this zenith is the very pole of the horizon in every region.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    今述べたこのティンパンには「等高度線」と呼ばれる円がいくつも引かれている。
    これらの円のいくつかは完璧な円で、いくつかは不完全な円の形である。
    最も小さい円の中央にあるのが「天頂」で、最も下にある円または最初の円は「地平線」と呼ばれる。
    地平線は2つの半球、つまり地面から上の天の部分とその下の部分を分けている円である。
    これらの等高度線は2度ごとに描かれているが、他のアストロラーベの等高度線は1度ごと、あるいは2度ごと、他のものは3度ごとなど、アストロラーベの大きさに応じて引かれる。
    この天頂は、お前の頭上のまさに最も高いところだと見なされる。
    またこの天頂はあらゆる場所の地平線において正確な極にあたる。
    より詳しくは図で示す。

    等高度線
  19. (等方位角線)
    From this zenith, as it seems, there come a manner crooked strokes like to the claws of a spider, or else like to the work of a woman's caul, in crossing across the Almucantars.
    And these same strokes or divisions are called Azimuths.
    And they divide the horizon of your Astrolabe in twenty four divisions.
    And these Azimuths serve to know the direction of the firmament, and to other conclusions, as for to know the cenyth of the sun and of every star.
    And for more declaration, lo here your figure.

    この天頂から、見ればわかる通り、蜘蛛の足や女性のヘアネットのような曲がった線が伸びていて、等高度線を横切っている。
    この曲線もしくは分割線は「等方位角線」と呼ばれる
    これらはアストロラーベの地平線を24の区域に分ける。
    そしてこれらの等方位角線は、天空の方位を知ったり、その他太陽やあらゆる星の正中を知るといった使い方で使われる。
    より詳しくは図で示す。

    等方位角線
  20. (不定時法の境界線)
    Next these azimuths, under the Circle of Cancer, there are twelve oblique divisions, much like to the shape of the azimuths, that show the spaces of the hours of planets; and for more declaration, lo here your figure.

    これらの等方位角線の次には、巨蟹宮の円の下に、等方位角線によく似た形で、斜めに12個に区切られた部分がある。
    これらはプラネタリーアワーの境界線を示している。
    より詳しくは図で示す。

    不定時法の境界線

    (訳注:プラネタリーアワーとは、日の出から日没までの時間と、日没から次の日の日の出までの時間をそれぞれ12等分し、そのそれぞれの領域を土星・木星・火星・太陽・水星・金星・月の7つの惑星が順番に守護するというもの。どの時間をどの惑星が守護するかはその日の曜日によって変化する。プラネタリーアワーの詳しい解説は第2部第12項にある。要は不定時法における1時間の境界を示す線である)

  21. (リート・黄道帯・12サイン)
    The Rete of your Astrolabe with your zodiac, shapes in manner of a net or of a spider-web after the old description, which you may turn up and down as yourself like, contains certain number of fixed stars, with their determined longitudes and latitudes; if so be that the maker has not erred.
    The names of the stars are written in the margin of the rete there as they sits; of which stars the small point is called the Center.
    And understand also that all stars sitting within the zodiac of your Astrolabe are called "stars of the north," for they arise by north the east line.
    And all the rest fixed, out of the zodiac, are called "stars of the south;" but I do not say that they arise all by south the east line; witness on Aldebaran and Algomeysa.
    Generally understand this rule, that those stars that are called stars of the north arise sooner than the degree of their longitude, and all the stars of the south arise after the degree of their longitude; this is to say, fixed stars in your Astrolabe.
    The measure of this longitude of stars is taken in the ecliptic line of heaven, under which line, when that the sun and the moon are in an exact line or else in the immediate neighbourhood of this line, then is the eclipse of the sun or of the moon; as I shall declare, and eke the cause why.
    But truly the Ecliptic Line of your zodiac is the outermost border of your zodiac, there are marked the degrees.

    アストロラーベのリートには十二宮環があり、昔からの記述によれば(訳注:リートは)網や蜘蛛の巣のような形をしていて、好きなように回転させられる。
    リートには、製作者による間違いがなければ、いくつもの恒星がその定められた赤経と赤緯に配置されている。
    リート上の恒星の位置のそばの余白にはその星の名前が書かれており、恒星の位置にある小さな点はその星の「中心」と呼ばれる。
    そしてアストロラーベの十二宮環の内側にある恒星は、全て北東の線から昇るので、「北の星」と呼ばれることを理解せよ。
    十二宮環の外にある残り全ての恒星は「南の星」と呼ばれるが、アルデバラン(訳注:おうし座α星)やプロキオン(訳注:こいぬ座α星、原文では「Algomeysa」)がその証拠であるように、彼らの全てが東南の線から昇る訳ではないと言っておく。
    一般的に、アストロラーベ上で「北の星」と呼ばれる恒星たちはその経度(訳注:同じ黄経にある黄道上の点)のよりも早くに昇り、全ての「南の星」は全てその経度よりも後から昇る、という規則があることを理解せよ。
    星の経度の単位は天の黄道の線から取られていて(訳注:惑星の位置は黄経を元に考える)、この黄道の下で、太陽と月が一直線に並んだり(訳注:衝、黄経の差が180度の位置にあること)すぐ隣に来たり(訳注:合、黄経でほぼ同じ度数にあること)すると、日食や月食となるのだが、それがなぜ起こるかの解説と補足は後で行う。
    ところでこの十二宮環では、真の黄道にあたる線は環の最も外側の縁であり、そこに(訳注:黄経の)目盛りが振られている。

    (訳注:「zodiac」の本来の訳語は「黄道帯」である。しかし黄道帯とは黄道の両側に8〜9度の幅を取った帯域を言う(この論文では両側に6度ずつとしている)。対してアストロラーベのリートでは黄道の南側には幅を取らないため、ここでは「リート上のzodiac」は「十二宮環」と訳した)

    (訳注:「北の星」について、本当は北東方向から昇るのは天の赤道より北にある恒星であり、黄道の北側の恒星ではない。リートの十二宮環内に配置されたのがたまたま全て天の赤道より北にある恒星ばかりなので説明が成り立っている。
    そのため、黄道の南側にあっても天の赤道より北にある恒星(アルデバラン、ベテルギウス(オリオン座α星)、プロキオンなど)は東北の方位から昇る)

    (訳注:「Algomeysa」について、Wikipediaオックスフォード科学史博物館のデータベースなどでは現在のプロキオンと同定されている。ちなみに現在こいぬ座β星の固有名が「ゴメイサ(Gomeisa)」だが、これはプロキオンと取り違えたことが元になっている。
    モリソンの現代英語訳ではこのAlgomeysaを「アルゴル(ペルセウス座β星)」としているが、これは明確に誤りである。アルゴルは赤緯約41度で黄道帯より北にあり、リートでは必ず十二宮環の内側に配置される恒星なので、説明が成り立たない)

    Your Zodiac of your Astrolabe is shapes as a compass which that contains a large breadth, as after the quantity of your Astrolabe; in example that the zodiac in heaven is imagined to be a surface containing a latitude of twelve degrees, whereas all the rest of circles in the heaven is imagined very lines without any latitude.
    Amid this celestial zodiac a line is imagined, which that is called the Ecliptic Line, under which line is evermore the way of the sun.
    Thus there are six degrees of the zodiac on that on side of the line, and six degrees on that other.
    This zodiac is divided in twelve principal divisions, that divide the twelve signs.
    And, for the narrowness of your Astrolabe, then every small division is in a sign divided by two degrees and two; I mean degrees containing sixty minutes.

    アストロラーベの十二宮環は、そのアストロラーベの大きさに応じた幅の円形をしている。
    たとえば、天の残りの円(訳注:黄緯のこと)は全て幅を持たない全くの線と考えるが、天にある黄道帯は南北に12度の幅を持った面と考える。
    その黄道帯の中心に、常に太陽の道となる「黄道」と呼ばれる線があると考える。
    そしてその線(訳注:黄道)の片側には6度、もう片側にも6度の幅がある。
    この黄道帯は黄道十二宮の12のサインによって、12個の主要な部分に区切られている。
    さて、お前のアストロラーベは小さいので、それぞれのサインの領域は2度ごとに目盛りが振られている。この「度」は1度が60分の方の(訳注:角度の単位の)度である。

    And this aforesaid heavenly zodiac is called the Circle of the Signs, or the Circle of the Beasts; for zodia in language of Greek sounds "beasts" in Latin tongue; and in the zodiac is the twelve signs that have names of beasts; or else, for when the sun enters in any of the signs, it takes the property of such beasts; or else, for that the stars that are fixed there are disposed in signs of beasts, or shapes like beasts; or else, when the planets are under these signs, they cause us by their influence operations and effects like to the operations of beasts.
    And understand also, that when an hot planet comes into an hot sign, then increases its heat; and if a planet is cold, then lessens its coldness, because of the hotly sign.
    And by this conclusion you may take example in all the signs, are they moist or dry, or movable or fixed; reckoning the quality of the planet as I first said.
    And each of these twelve signs has respect to a certain part of the body of a man and has it in governance; as Aries has your heaed, and Taurus your neck and your throat, Gemini your armholes and your arms, and so forth; as shall be shown more crearly in the fifth part of this treatise.
    This zodiac, which that is part of the eighth sphere, closses the equinoctial; and it closses it again in equal part; and that on half declines southward, and that other northward, as plainly declares the treatise of the sphere.
    And for more declaration, lo here your figure.

    ところで、ギリシャ語のzodiaはラテン語では「動物」という意味なので、この天の黄道帯は「黄道十二宮の円」や「獣帯」と呼ばれる。
    この黄道帯の12のサインには動物の名前がつけられていて、いずれかのサインに入った太陽はその動物の性質を帯び、そのサインにある恒星はその動物のマークや動物の形に配置され、これらのサインに入った惑星はその動物の振る舞いのような影響や効果を我々に引き起こす。
    また、熱の性質を持つサインに熱の性質を持つ惑星が入るとその熱は増加し、冷の性質を持つ惑星が入るとサインの熱で惑星の冷は軽減されるということも理解せよ。
    湿・乾や活動・固定といった性質をもつ全てのサインで、いま言ったような惑星の性質の差し引きが行われる。
    そして、この論文の第5部でもっと明確に教えるが、これら12のサインは、白羊宮は頭、金牛宮は首と喉、双児宮はわきの下と腕など、それぞれ人間の体のある部分を守護し、支配している。
    黄道帯は第8天球にあって天の赤道を横切っており、そこからちょうど半分になるところでもう一回横切っている。
    天球に関する論文ではっきり説明されているように、黄道帯の半分は南側に傾いており、もう半分は北側に傾いている。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:黄道十二宮の12のサインや惑星が持つ性質とは、西洋占星術の基礎の話にあたる。12サインには「火(熱・乾)」「地(冷・乾)」「風(熱・湿)」「水(冷・湿)」の4区分による性格づけと、「活動」「固定」「柔軟」の3区分による性格づけがされている。惑星にも同様の性格が割り当てられている。これらは第5部で説明される予定だったと思われるが、この論文ではオミットされてしまうことになった)

  22. (ルール)
    Then you have a label, that is shape like a rule, save that it is narrow and has no plates on either end with holes; but, with the small point of the aforesaid label, you shall calculate your equations in the border of your Astrolabe, as by your almury.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    それから「ルール」(訳注:原文では「ラベル」)がある。
    これはアリダードに似た形をしているが、幅が狭く、両端に穴の開いた板はつかない。
    だが、このルールの細い先端と、アルムリを使って、アストロラーベの縁で問題を解くことができる。
    より詳しくは図で示す。

  23. (アルムリ)
    Your Almury is called the Denticle of Capricorn, or else the Calculater.
    This same Almury sit fixed in the head of Capricorn, and it serves of many a necessary conclusion in equations of things, as shall be shown; and for the more declaration, lo here your figure.

    「アルムリ」は「山羊座の歯」または「計算器」と呼ばれる。
    このアルムリは磨羯宮0度のところに固定されており、これから教えるように、いくつもの方法で必要なものだ。
    より詳しくは図で示す。

Here ends the description of the Astrolabe.

ここでアストロラーベの解説は終わる。

第2部

PART II.
Here begin the Conclusions of the Astrolabe.

これよりアストロラーベの使い方を始める。

  1. 太陽の軌道からその日の太陽の黄経を求める。
    To find the degree in which the sun is day by day, after its course about.
    [Hic incipiunt Conclusiones Astrolabii; et prima est ad inveniendum gradus solis in quibus singulis diebus secundum cursum sol est existens.]

    Reckon and know which is the day of your month; and lay your rule up that same day; and then the very point of your rule will sit in the border, upon the degree of your sun.
    example as thus; the year of our lord 1391, the 12 day of March at midday, I would know the degree of the sun.
    I sought in the back side of my Astrolabe, and found the circle of the days, the which I know by the names of the months written under the same circle.
    Then I laid my rule over this aforesaid day, and the point of my rule in the border found upon the first degree of Aries, a little within the degree; and thus I know this conclusion.

    月と日を決め、(訳注:アストロラーベ裏面で)その日にアリダードをあてると、アリダードが縁の目盛りで指す点がちょうどその日の太陽の黄経となる。
    例えば次のようにして、西暦1931年3月12日正午における太陽の黄経を知ることができる。
    アストロラーベの裏側で、内側にある月の名前の書かれた円を元に日付の円を探す。
    それからアリダードを今述べた日付にあてると、アリダードの先は縁の目盛りでおおよそ白羊宮0度の度数を指していることが分かるが、これが答えとなる。

    (訳注:当時はユリウス暦を使っていたが、当時の春分の日付は現在のグレゴリオ暦とはズレていて、3月12日あたりが春分にあたっていた。
    同様に、次の例の12月13日は当時では冬至にあたる)

    Another day, I would know the degree of my sun, and this was at midday in the 13 day of December; I found the day of the month in manner as I said; then I laid my rule upon this aforseid 13 day, and the point of my rule found in the border upon the first degree of Capricorn, a little within the degree; and then I had of this conclusion the full experience.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    別の日の太陽の黄経も分かる。
    ここでは12月13日としてみよう。
    言ったとおりの方法でその日付を見つけ、アリダードを今述べた13日にあてると、アリダードの先は縁の目盛りでおおよそ磨羯宮0度の度数を指していることが分かり、これが答えとなる。
    さあこれでこの使い方は充分に分かっただろう。
    より詳しくは図で示す。

  2. 太陽や、その他の天体の高度を知る。
    To know the altitude of the sun, or of other celestial bodies.
    [De altitudine solis et aliorum corporum supra celestium.]

    Put the ring of your Astrolabe upon your right thumb, and turn your left side against the light of the sun.
    And move your rule up and down, till that the streams of the sun shine through both holes of your rule.
    Look then how many degrees your rule is arisen from the little cross upon your east line, and take it the altitude of your sun.
    And in this same way you may know by night the altitude of the moon, or of bright stars.
    This chapter is so general ever in one, that there needs no more declaration; but do not forget it.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    アストロラーベのリングに右の親指を入れ、体の左側を日の光に向ける。
    そして、太陽の光線がアリダードの両方の穴を通るまで、アリダードを上下に動かす。
    そしてアリダードが東の線上にある小さな十字から何度の角度にあるかを見ると、それが太陽の高度である。
    これと同じやり方で、夜に月や明るい星の高度を知ることができる。
    このセクションは全く一般的なことで、これ以上の説明は必要ないが、この説明は忘れるな。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:なお、太陽の高度を測るときは、アリダードの穴は直接覗いてはならない。アリダードの2つの穴の影を地面や手のひらなどに受けながらアリダードを動かし、穴の影がぴったり重なった時のアリダードの角度を太陽の高度とする。
    夜の月や星は直接アリダードの穴を覗いて高度を測定する)

  3. 昼間の太陽の光や夜の恒星から時刻を知り、それにより昼や夜に東の地平線に昇るサインの度数(一般的にアセンダント、またはホロスコープと呼ばれるもの)を知る。

    (訳注:現在は「ホロスコープ」という単語は人の出生星位図を意味するが、もともとはアセンダントを意味していた)

    To know every time of the day by light of the sun, and every time of the night by the stars fix, and eke to know by night or by day the degree of any sign that ascends on the East Horizon, which that is called commonly the Ascendant, or else Horoscope.
    [Ad cognoscendum quodlibet tempus diei per solis indicacionem, et quodlibet tempus noctis per quasdam stellas in celo fixas; ac eciam ad inveniendum et cognoscendum signum super orizontem qui communiter vocatur ascendens.]

    Take the altitude of the sun when you choose, as I have said; and set the degree of the sun, in case that it be before the middle of the day, among your almucantars on the east side of your Astrolabe; and if it be after the middle of the day, set the degree of your sun upon the west side; take this manner of setting for a general rule, once for ever.
    And when you have set up the degree of your sun as many almucantars of height as was the altitude of the sun taken by your rule, lay over your label, upon the degree of the sun; and then the point of your label will sit in the border, upon the very time of the day.

    先に教えたやり方で太陽の高度を測る。
    そして、午前中であればアストロラーベ(訳注:表面)の東側の等高度線に(訳注:リートの十二宮環の)黄経の目盛りを合わせ、午後の場合は西側に黄経の目盛りを合わせる。
    この設定の仕方は常にいつもの決まりとするように。
    黄経の目盛りを、アリダードで測った高度に当たる高さの等高度線に合わせたら、ルールを黄経の目盛りに合わせる。
    するとルールの先が縁の目盛りで、まさに今の時刻を指している。

    Example as thus: the year of our lord 1391, the 12 day of March, I would know the time of the day.
    I took the altitude of my sun, and found that it was 25 degrees and 30 of minutes of height in the border on the back side.
    Then I turned my Astrolabe, and because that it was before midday, I turned my rete, and set the degree of the sun, that is to say, the 1 degree of Aries, on the right side of my Astrolabe, upon that 25 degrees and 30 of minutes of height among my almucantars; then I laid my label upon the degree of my sun, and found the point of my label in the border, upon a capital letter that is called an X; then I reckoned all the capital letters from the line of midnight unto this aforesaid letter X, and found that it was 9 of the clock of the day.
    Then I looked down upon the east horizon, and there found the 20 degree of Gemini ascending; which that I took for my ascendant.
    And in this way I had the experience for always in which manner I should know the time of the day, and eke my ascendant.

    例えば次のようにして、西暦1391年3月12日での時刻が分かる。
    裏面のアリダードで太陽の高度を測ったら、縁の目盛りで25度30分の高さにあったとする。
    それからアストロラーベを表面に返し、今は午前中なので、リートを回して、黄経目盛りのつまり白羊宮0度を、アストロラーベの右(訳注:第1部第6項より、東側。向かって左側であることに注意)の等高度線で25度30分の高さに合わせる。
    そしてルールを黄経の目盛りにあてると、ルールが指す縁の目盛りは大文字の「X」のところとなる。
    真夜中の線からこの「X」のところまで大文字を数えていくと、朝の9時であることが分かる。
    そこで東の地平線を見ると、双児宮20度が昇っていることが分かり、これが求めるアセンダントである。
    このやり方によって私はいつも時刻を知り、アセンダントを割り出している。

    (訳注:これはオックスフォードの緯度である北緯51度45分に対応したティンパンを使った説明であることに注意。これを例えば日本の緯度(北緯35度近辺)に対応したティンパンでやってしまうと頓珍漢なことになる)

    Then I would know the same night following the hour of the night, and worked in this way.
    Among a heap of stars fix, it liked me for to take the altitude of the fair white star that is called Alhabor; and found it sitting on the west side of the line of midday, 18 degrees of height taken by my rule on the back-side.
    Then I set the center of this Alhabor upon 18 degrees among my almucantars, upon the west side; because that it was found on the west side.
    Then I laid my label over the degree of the sun that was descended under the west horizon, and reckoned all the letters capitals from the line of midday unto the point of my label in the border; and found that it was passed 8 of the clock the space of 2 degrees.
    Then I looked down upon my east horizon, and found there 23 degrees of Libra ascending, which I took for my ascendant; and thus I learned to know once for ever in which manner I should come to the hour of the night and to my ascendant; as verily as may be taken by so small an instrument.

    そしてその後の同じ日の夜の時刻は、次のようにすれば分かる。
    多くの恒星の中で、高度を測るのに良さそうなのは、白く明るいシリウス(訳注:おおいぬ座α星、全天で最も明るい恒星。原文では「Alhabor」)と呼ばれる星だ。
    シリウスが子午線より西側にあって、裏面のアリダードで測ると18度の高さだったとする。
    そこで、星が西側にあったことから、(訳注:リートの)シリウスの位置を(訳注:ティンパンの)西側の等高度線の18度に合わせる。
    それからルールを西の地平線の下に沈んだ太陽の黄経の度数(訳注:この日の太陽の黄経は白羊宮0度)に当て、ルールが指す縁の大文字を正午の線から数えると、8時を2度すぎた時刻(訳注:第1部第7項より、表の縁の目盛りの1度は4分なので、つまり8時8分)であることが分かる。
    それから東の地平線を見ると、天秤宮23度が昇っていることが分かり、これがアセンダントである。
    こうして、このような小さな器具であっても正確に、いつでも夜の時刻とアセンダントを知る方法が分かった。

    But nevertheless, in general, I would warn you forever, not make you never bold to have take a just ascendant by your Astrolabe, or else to have set justly a clock, when any celestial body by which that you expect govern that things are near the south line; for trust well, when that the sun is near the meridional line, the degree of the sun runs so long concentric upon the almucantars, that truly you shall err from the just ascendant.
    The same conclusioun I say by the center of any fixed star by night; and moreover, by experience, I know well that in our horizon, from 11 of the clock unto one of the clock, in taking of a just ascendant in a portable Astrolabe, it is to hard to know.
    I mean, from 11 of the clock before the hour of noon till one of the clock next following.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    だがしかし、一般的に、お前が目をつけた天体が南の線のそばにある時には、決してアストロラーベでアセンダントを割り出したり、または時刻を設定したりしないように、私は厳しく警告する。
    これは本当のことなのだが、太陽が子午線の近くにあるときは、黄経目盛りが一つの等高度線に長く留まるので、お前は正しいアセンダントを読み違えてしまうだろう。
    夜ではどの恒星でも同じことが言える。
    さらには経験上、我々の地平線では、時計の11時から1時の間、持ち運べるアストロラーベで正確なアセンダントを決定するのは難しいということが分かっている。
    つまり、正午1時間前の11時からその次に続く1時までという意味だ。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:子午線のそばに来た天体は、連続で測定しても高度があまり変わらず、子午線の東にあるか西にあるかの判断がしづらいので読み違えやすい。さらにオックスフォードは太陽の位置が日本より総じて低いため、子午線近辺では太陽の高度の差がより出にくく、方位の厳密な判断がより難しい)

  4. アセンダントについての特別な解説。
    Special declaration of the ascendant.
    [Specialis declaracio de ascendente.]

    The ascendant truly, as well in all nativities as in questions and elections of times, is a thing which that these astrologers greatly observe; wherefore seems me convenient, since that I speak of the ascendant, to make of it special declaration.
    The ascendant truly, to take it at the largest, is that degree that ascends at any of those aforesaid times upon the east horizon; and therefore, if that any planet ascends at that same time in that aforesaid degree of its longitude, men say that the planet is in horoscopo.

    アセンダントというものはとにかく、出生星位図(訳注:出生時のホロスコープ。ネイタル・チャート)で質問や天命をみるのと同じくらいに、占星学者たちが大いに注目するものだ。
    なのでアセンダントについて、特別に解説しておいた方が都合が良いだろう。
    実にアセンダントとは、ざっくり言うと、ある時刻において東の地平線に昇る(訳注:黄道の黄経の)度数のことである。
    そして、もしその同じ時刻にその黄経で惑星が地平線から昇るならば、その惑星は「ホロスコープにある」と呼ばれる。

    But truly, the house of the ascendant, that is to say, the first house or the east angle, is a thing more broad and large.
    For after the statutes of astrologers, what celestial body that is 5 degrees above that degree that ascends, or within that number, that is to say, near the degree that ascends, yet they reckon that planet in the ascendant.
    And what planet that is under that degree that ascends the space of 25 degrees, yet they say that the planet is like to him that is in the house of the ascendant; but truly, if it passes the bounds of those aforesaid spaces, above or beneath, they say that the planet is failing from the ascendant.

    しかし全く、アセンダントのハウス、つまり1ハウスまたは東のアングル(軸)とは、もっと大きくて幅がある。
    占星学者たちの決まりによれば、地平線の上5度以内、つまり地平線の近くにある天体は、アセンダントにある惑星とみなすことになっている。
    そして地平線の下25度までの範囲にある惑星も、同様にアセンダントのハウスにあると彼らは言う。
    しかし全く、惑星がその領域を外れて、その上や下にあるならば、その惑星はアセンダントから落ちると表現される。

    (訳注:これは業界用語でいう「上昇星(ライジングプラネット)」の解説。チョーサーは占断に関してはあまり興味がなく、この解説では微妙に混同されているが、惑星が上昇星であることと1ハウスにあることは本来は別の話で、区別して考えたほうが良い)

    Those astrologers say it, that the ascendant, and eke the lord of the ascendant, may be shaped for to be fortunate or unfortunate, as thus: they call a fortunate ascendant when that no wicked planet, as Saturn or Mars, or else the Tail of the Dragon, is in the house of the ascendant, nor that no wicked planet have no aspect of enmity upon the ascendant; but they will cast that they have a fortunate planet in their ascendant and yet in this felicity, and then they say that it is well.
    Furthermore, they say that the unfortunate of an ascendant is the contrary of those aforesaid things.

    彼ら占星学者たちは、アセンダントや、アセンダントの支配星(訳注:アセンダントの黄経が属するサインの支配星)が、次のように幸運か不運かを決めていると言う。
    土星や火星などのマレフィック天体(凶星)もしくはドラゴンテイル(訳注:黄道と月軌道の交点・降交点。惑星ではないが占星術では天体として扱う)が上昇星ではなく、かつアセンダントがマレフィック天体とはハードアスペクト(凶座相、訳注:黄経の位置の差が45度・90度・180度となる角度)をとっていないならば、吉相のアセンダントだと彼らは言う。
    しかし彼らは、アセンダントにベネフィック天体(吉星、訳注:太陽、月、金星、木星)があることをより幸運だとみなしていて、彼らはそれを吉相だと言う。
    さらには、彼らは今述べたこととは反対のものを、アセンダントが凶相だと言う。

    The lord of the ascendant, they say, that it is fortunate, when it is in good place from the ascendant as in angle; or in a succedent, where as it is in its dignity and comforted with friendly aspects of planets and well received, and also that it may see the ascendant, and that it do not retrograde nor combust, not joined with no shrew in the same sign; not that it is not in its descention, nor joined with no planet in its discention, not have upon it no unfortunate aspect; and then they say that it is well.

    アセンダントの支配星が……

    • アセンダントとソフトアスペクト(吉座相、訳注:黄経の位置の差が30度、60度、120度)を取っている
    • あるいは、サクシーデント・ハウス(訳注:2ハウス、5ハウス、8ハウス、11ハウスのどれか)にあって、品位が良く(訳注:惑星は黄経のサインによって長所が活きたり逆に短所が目立ったりするとされる)、他の惑星とソフトアスペクトを取っていて、支配星の持つ長所が引き立てられている
    • または、アセンダントにあって、逆行したり、コンバスト(訳注:黄経の位置で太陽に近すぎる・太陽との黄経の差が8.5度以内であること。惑星の力が太陽に焼かれて弱まるとされる)されていたり、同じサイン内で悪影響を及ぼす惑星と合になったりしていない
    • ディセンダント(西の地平線、訳注:アセンダントから黄経で180度の位置・太陽の沈む地点)にはない
    • ディセンダントにあって、他の惑星と合になったり、ハードアスペクトを取ったりしていない

    ……であれば、彼らはそれを吉相だと言う。

    Nevertheless, these are observances of judicial matters and rites of pagans, in which my spirit has no faith, nor knowing of its horoscopum; for they say that every sign is divided in 3 even parts by 10 degrees, and that portion they call a Face.
    And although that a planet have a latitude from the ecliptic, yet some folk say, so that the planet arise in that same sign with any degree of the aforesaid face in which its longitude is reckoned, that yet the planet is in horoscopo, it is in nativity or in election, &c.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    とは言うものの、これらは決め事だとか信仰を持たぬ者たちの慣例にのっとったもので、私の魂はそれを信じないし、私には星位図についての知識もない。
    彼らは、それぞれのサインは10度ずつ均等に3つの部分に分かれているとして、そのそれぞれの部分を「デカン」(訳注:原文では「フェイス」。現在は一般的にはフェイスはデカンの支配星のことを指す場合が多い)と呼んでいる。
    そして、惑星は黄道からは外れているにも関わらず、ある種の人々は、黄経の算出されたこのデカンのどの度数でも惑星は同じサインで昇るだの、惑星がホロスコープにあるだの、出生星位図にあるだの天命であるだのと言う。
    より詳しくは図で示す。

  5. 太陽がアストロラーベの2本の等高度線の間に来る時、線の間に太陽を合わせる方法を知る。
    To know the very equation of the degree of the sun, if so that is it fall between your almucantars.
    [Ad cognoscendum veram equacionem de gradu solis, si contigerit fore in duas Almicanteras.]

    For as much as the almucantars in your Astrolabe are compounded by two and two, whereas in various Astrolabes some almucantars are compounded by one and one, or else by two and two, it is necessary to your learning to teach you first to know and work with your own instrument.
    Wherefore, when that the degree of your sun falls between two almucantars, or else if your almucantars are engraved with over great a point of a compass, (for both these things may cause error as well in knowing of the time of the day as of the very ascendant), you must work in this way.
    Set the degree of your sun upon the higher almucantars of both, and watch well where as your almury touches the border, and set there a prick of ink.
    Set down again the degree of your sun upon the lower almucantars of both, and set there another prick.
    Remove then your almury in the border even amid both pricks, and this will lead justly the degree of your sun to sit between both almucantars in its right place.
    Lay then your label over the degree of your sun; and find in the border the very time of the day or of the night.
    And as verily you shall find your ascendant upon your east horizon.
    And for more declaration, lo here your figure.

    他のいろいろなアストロラーベでは等高度線が1度ごとや2度ごとなどに引かれているが、お前のアストロラーベの等高度線は2度ごとに引かれている。
    この練習ではまずお前に自分の器具の使い方を教える必要がある。
    そこで、太陽が2つの等高度線の間に来る場合、もしくは等高度線が先の太いコンパスで刻まれている(訳注:線が太い)場合(どちらの場合も、日中の時刻や正確なアセンダントを調べる際に間違いを引き起こす可能性がある)、次の方法で操作する。
    太陽の黄経を2本の等高度線の内の高い方に合わせ、アルムリが縁のどこを指しているかをしっかり読み取り、その位置にインクで点を付ける。
    太陽の黄経を2本の等高度線の内の低い方に再度合わせ、同様にして別の点を付ける。
    そしてアルムリを2つの点のちょうど真ん中に動かせば、太陽の黄経は両方の等高度線の間の正しい位置に置かれる。
    そうしたらルールを太陽の黄経にあてて、昼でも夜でも正確な時刻を縁から読み取る。
    同じようにして東の地平線から正確なアセンダントを割り出せるだろう。
    より詳しくは図で示す。

  6. 2つのcrepusculum(天文薄明)と呼ばれる、夜明けの始まりと黄昏の終わりの時刻を知る。
    To know the spring of the dawn and the end of the evening, the which is called the two crepusculis:
    [Ad cognoscendum ortum solis et eius occasum, que vocatur vulgariter crepusculum.]

    Set the nadir of your sun upon 18 degrees of height among your almucantars on the west side, and lay your label on the degree of your sun, and then shall the point of your label show the spring of day.
    Also set the nadir of your sun upon 18 degrees of height among your almucantars on the east side, and lay over your label upon the degree of the sun, and with the point of your label find in the border the end of the evening, that is, very night.
    The nadir of the sun is that degree that is opposite to the degree of the sun, in the seventh sign, as thus: every degree of Aries by order is nadir to every degree of Libra by order; and Taurus to Scorpio; Gemini to Sagittarius; Cancer to Capricorn; Leo to Aquarius; Virgo to Pisces; and if any degree in your zodiac is dark, its nadir shall declare it.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    太陽の底の黄経を等高度線で西側の18度の位置に合わせ、ルールを太陽の黄経の位置にあてると、ルールの先が朝の薄明の始まる時刻を指す。
    また、太陽の底の黄経を等高度線で東側の18度の位置に合わせ、ルールを太陽の黄経の位置にあてると、ルールの先が薄明の終わりの夜になる時刻を指す。
    太陽の底とは、太陽の反対側の黄道の黄経のことで、次のように太陽の位置から7番目のサインにある。
    白羊宮の各度数はその順番で天秤宮の各度数の底にあたっている。
    そして金牛宮は天蝎宮の、双児宮は人馬宮の、巨蟹宮は磨羯宮の、獅子宮は宝瓶宮の、処女宮は双魚宮の底にあたる。
    黄道十二宮でどの度数が地平線の下側にあっても、その底は明るい側にあるだろう。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:天文薄明とは太陽が地平線下で俯角18度の位置に来ることである。一般的にはアストロラーベには地平線の下の等高度線は描かれないため、地平線の下にある太陽は等高度線での位置合わせができないが、「底」にあたる黄経の180度反対側の黄道の点は必ず地上にあることから、そちらで位置合わせをする。なおアストロラーベの中には天文薄明の算出のために地平線下18度の等高度線(トワイライト・ライン)が描かれているものもある)

  7. 一部の人々が「人工の一日」と呼ぶ、日の出から日没までの時間を知る。
    To know the arc of the day, that some folk call the artificial day, from the sun arising till it go to rest.
    [Ad cognoscendum archum diei, quem vulgus vocat diem artificialem, in hoc, ab ortu solis usque ad occasum.]

    Set the degree of your sun upon your east horizon, and lay your label on the degree of the sun, and at the point of your label in the border set a prick.
    Turn then your rete about till the degree of the sun sit upon the west horizon, and lay your label upon the same degree of the sun, and at the point of your label set another prick.
    Reckon then the quantity of time in the border between both pricks, and take there your arc of the day.
    The remnant of the border under the horizon is the arc of the night.
    Thus you may reckon both arcs, or every portion, of whether that you like.
    And by this manner of working you may see how long that any fixed star dwells above the earth, from time that it rises till it go to rest.
    But the natural day, that is to say 24 hours, is the revolution of the equinoctial with as much part of the zodiac as the sun of its proper moving passes in the meanwhile.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    太陽の黄経を東の地平線に合わせ、ルールを太陽の黄経の位置にあて、縁でルールが指す先に点をつける。
    それから太陽の黄経の位置が西の地平線に来るまでリートを回し、ルールを太陽の黄経にあて、縁でルールが指す先にもう一つ点をつける。
    そうしたら縁の2つの点の間の時間を数えて、それを日中の長さとする。
    縁で地平線の下側の残りの時間が夜の長さである。
    こうして両方もしくはどちらかのみでも、好きに時間の長さを数えればよい。
    これと同じ方法で、任意の恒星が昇ってから沈むまでの、地上にある時間の長さを知ることも可能だ。
    24時間の「自然な一日」とは天の赤道の回転であり、太陽が固有の動きで動く間に、黄道帯も同じくらい回転をしている。
    より詳しくは図で示す。

  8. 不定時法を定時法に変換する。
    To turn the unequal hours in equal hours.
    [Ad convertendum horas inequales in horas equales.]

    Know the number of the degrees in the unequal hours, and divide it by 15, and take it your equal hours.
    And for the more declaraciun, lo here your figure.

    不定時法での角度(訳注:アストロラーベ上で、日の出の位置から日没の位置までは角度にして何度あるか)を知り、それを15で割ると、定時法での時間となる。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:不定時法とは、日の出から日没までの時間と、日没から次の日の日の出までの時間をそれぞれ12等分して1時間とするものであるが、不定時法では昼と夜で1時間の長さが異なるし、昼の1時間も季節によって長さが変わる。このセクションはつまり不定時法での12時間を定時法での時間の長さに変換する方法である。
    たとえば春分・秋分なら日の出の位置から日没の位置までの角度は180度であるが、180を15で割ると12となって、日の出から日没の間は定時法で12時間の長さということになる。
    北緯35度用のアストロラーベを使って夏至の日中の時間を見ると、日の出の位置から日没の位置までの角度はおよそ217.5度あった。
    217.5を15で割ると14.5となることから、北緯35度の夏至の日は日の出から日没まで約14時間30分あることになる)

  9. 「俗な一日」、すなわち夜明けの始まりから黄昏の終わるまでの時間を知る。
    To know the quantity of the vulgar day, that is to say, from spring of the day unto very night.
    [Ad cognoscendum quantitatem diei vulgaris, viz. ab ortu diei usque ad noctem.]

    Know the quantity of your crepusculis, as I have taught in the chapter before, and add it to the arc of your artificial day; and take it the space of all the whole vulgar day, unto very night.
    The same manner you may work, to know the quantity of the vulgar night.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    前のセクション(訳注:第6項・天文薄明の時刻)で教えた通りにして薄明の時間を測り、「人工の一日」の長さ(訳注:第7項)に加えると、それが黄昏の終わりまでの「俗な一日」の長さとなる。
    同じ方法で「俗な夜」(訳注:黄昏の終わりから翌日の夜明けの始まりまで)の時間の長さも知ることができる。
    より詳しくは図で示す。

  10. 不定時法での日中の1時間の長さを知る。
    To know the quantity of unequal hours by day.
    [Ad cognoscendum horas inequales in die.]

    Understand well, that these unequal hours are called hours of planets, and understand well that sometime they are longer by day than by night, and sometime the contrary.
    But understand well, that evermore, generally, the unequal hour of the day with the unequal hour of the night contain 30 degrees of the border, which border is evermore answering to the degrees of the equinoctial; wherefore the arc of the artificial day divide in 12, and take it the quantity of the unequal hour by day.
    And if you abate the quantity of the unequal hour by day out of 30, then the remnant that leave shall perform the hour unequal by night.
    And for the more declaracioun, lo here the figure.

    不定時法での1時間はプラネタリーアワーと呼ばれており、夜の1時間より昼の1時間の方が長いこともあれば、その逆のこともあるということをよく理解せよ。
    しかし、それ以上に、一般的に、不定時法での昼の1時間と不定時法での夜の1時間の合計は、アストロラーベの縁で30度となっており、アストロラーベの縁は常に天の赤道に対応しているということをよく覚えておけ。
    そして、「人工の一日」の長さを12で割ると、それが不定時法での昼の1時間の長さとなる。
    不定時法での昼の1時間を30度から差し引けば、その残りは不定時法での夜の1時間となる。
    より詳しくは図で示す。

  11. 定時法での1時間の長さを知る。
    To know the quantity of equal hours.
    [Ad cognoscendum quantitatem horarum inequalium.]

    The quantity of equal hours, that is to say, the hours of the clock, are divided by 15 degrees already in the border of your Astrolabe, as well by night as by day, generally forever.
    What needs more declaration?
    Wherefore, when you list to know how many hours of the clock are passed, or any part of any of these hours that are passed, or else how many hours or part of hours are to come, from switch a time to switch a time, by day or by night, know the degree of your sun, and lay your label on it; turn your rete about jointly with your label, and with the point of it reckon in the border from the sun arise unto the same place there you desire, by day as by night.
    I will declare this conclusion in the last chapter of the 4 part of this treatise so openly, that there shall lack no word that needs to the declaration.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    定時法での1時間の時間、つまり時計の1時間は、昼も夜も同じく変わらず、アストロラーベの縁ですでに15度ずつに分割されている。
    これ以上の解説が必要だろうか?
    だから、時計の時間で何時間が過ぎたのか、過ぎたのは時計の時間のうちで何分か、夜や昼で時間が切り替わるまでに何時間または何分が必要なのか、知りたいことがある時は、太陽の黄経を調べてルールをそこにあてよ。
    ルールごとリートを回転させて、ルールが縁で指す先で、日の出からお前の望む時刻まで、昼でも夜でも計算すればよい。
    この使い方はこの後この論文の第4部(訳注:現存しない)で詳しく解説する予定であるから、ここで言葉による解説をする必要はないだろう。
    より詳しくは図で示す。

  12. プラネタリーアワーについての特別な解説。
    Special declaration of the hours of planetes.
    [Specialis declaracio de horis planetarum.]

    Understand well, that evermore, from the arising of the sun till it go to rest, the nadir of the sun shall show the hour of the planet, and from that time forward all the night till the sun arise; then the very degree of the sun shall show the hour of the planet.

    いつでも、日の出から日没までの間は太陽の底がプラネタリーアワーを指し、夜から日の出までの間は太陽の黄経の位置がそのままプラネタリーアワーを指していることを、よく理解せよ。

    Example as thus.
    The 13 day of March fill upon a Saturday perchance, and, at the arising of the sun, I found the second degree of Aries sitting upon my east horizon, although that it was but little; then I found the 2 degree of Libra, nadir of my sun, descending on my west horizon, upon which west horizon every day generally, at the sun arises, the hour of any planet enters, after which planet the day bears its name; and ends in the next stroke of the plate under the aforesaid west horizon; and ever, as the sun climbs upper and upper, so its nadir goes downer and downer, teaching by such strokes the hours of planets by order as they sit in the heaven.
    The first hour unequal of every Saturday is to Saturn; and the second, to Jupiter; the 3rd, to Mars; the 4th, to the Sun; the 5th, to Venus; the 6th, to Mercury; the 7th, to the Moon; and then again, the 8th is to Saturn; the 9th, to Jupiter; the 10th, to Mars; the 11th, to the Sun; the 12th, to Venus; and now my sun is gone to rest as for that Saturday.

    例えば次の通りである。
    3月13日が土曜日だったとして、黄経で白羊宮2度弱にある太陽が東の地平線から昇るとき、太陽の底は天秤宮2度で西の地平線にある。
    毎日、一般的に、日の出の時に(訳注:太陽の底が指す)この西の地平線から始まるプラネタリーアワーの支配星は、その日の名前(訳注:曜日)の惑星となる。
    そしてその惑星のプラネタリーアワーは、ティンパンの西の地平線の下にある次の線(訳注:プラネタリーアワーの境界線)で終わる。
    同様に、太陽が昇るにつれ、太陽の底は沈んでいき、この境界線により惑星が並び順(訳注:天球の並び順である土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月の順。この並び順は「カルディアン・オーダー」と呼ばれる)で支配する時間を示していく。
    不定時法での最初の1時間は、土曜日ならば土星が支配する。2時間目は木星、3時間目は火星、4時間目は太陽、5時間目は金星、6時間目は水星、7時間目は月、それから戻って8時間目は土星、9時間目は木星、10時間目は火星、11時間目は太陽、12時間目は金星となり、そうして土曜日の太陽は沈む。

    Then the very degree of the sun shows the hour of Mercury entering under my west horizon at evening; and next it succeeds the Moon; and so forth by order, planet after planet, in hour after hour, all the night long till the sun arise.

    そして晩には太陽の黄経の位置がそのまま、西の地平線から水星のプラネタリーアワーに入ることを示す。
    その次は月のプラネタリーアワーに入れ替わり、同様の順番で日が昇るまでの夜中、時間ごとに惑星が交代で支配する。

    Now the sun resets that Sanday by the morning; and the nadir of the sun, upon the west horizon, shows me the entering of the hour of the aforesaid sun.
    And in this manner succeeds planet under planet, from Saturn unto the Moon, and from the Moon up again to Saturn, hour after hour generally.
    And thus I know this conclusion.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    さて、日曜の朝になると太陽によってリセットされ、西の地平線で太陽の底が、先に述べたように太陽のプラネタリーアワーに入ることを示す。
    そしてこのように惑星の支配は、土星から順番に月へ、そして月の後はまた土星へと、一般的に時間ごとに入れ替わる。
    こうしてこの説明は終わりである。
    より詳しくは図で示す。

  13. 正午の太陽の高度、いわゆる子午線高度(訳注:南中高度)を知る。
    To know the altitude of the sun in middle of the day, that is called the meridian altitude.
    [Ad cognoscendum altitudinem solis in medio diei, que vocatur altitudo meridiana.]

    Set the degree of the sun upon the meridional line, and reckon how many degrees of almucantars are between your east horizon and the degree of the sun.
    And take them your altitude meridian; this is to say, the highest of the sun as for that day.
    So you may know in the same line, the highest course that any fixed star climbs by night; this is to say, that when any fixed star is passed the meridional line, then it begins to descend, and so the sun does.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    太陽の(訳注:その日の黄経にあたる)目盛りを南の線に合わせ、東の地平線から太陽の黄経までの間の等高度線から高度を割り出す。
    そしてこれを子午線高度とする。
    つまり、それがその日の太陽の最高高度である。
    夜に任意の恒星が昇る軌道の最高点を、この南の線から知ることができる。
    つまり、太陽と同じように、どの恒星も子午線を過ぎると降り始める。
    より詳しくは図で示す。

  14. ちょっと変わった方法でリートから太陽の黄経を知る、他。
    To know the degree of the sun by your rete, for a manner curious, &c.
    [Ad cognoscendum gradum solis curiose.]

    Seek busily with your rule the highest of the sun in middle of the day; then turn your Astrolabe, and mark with a prick of ink the number of that same altitude in the meridional line.
    Turn then your rete about till you find a degree of your zodiac according with the prick, this is to say, sitting on the prick; and in truth, you shall find but two degrees in all the zodiac of that condition; and yet that two degrees are in diverse signs; then you may lightly know the sign in which that is the sun by the season of the year.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    正午にアリダードで太陽の最高高度を素早く調べ、それからアストロラーベを返して、子午線上でその高度にあたるところにインクで点をつける。
    それからリートの黄道目盛りがこの点を指す、つまり点に重なるまでリートを回す。
    そうなる場所は実は黄道目盛りで2箇所だけあって、それらは違うサインにあるだろう。
    しかし一年の季節から、現在の太陽があるサインはすぐにわかるはずだ。
    より詳しくは図で示す。

  15. 日中の長さが同じになる日を知る、他。
    To know which day is like to which day as of length, &c.
    [Ad cognoscendum quales dies in longitudine sunt similes.]

    Look which degrees are alike far from the heads of Cancer and Capricorn; and look, when the sun is in any of that degrees, then the days are alike of length.
    This is to say, that as long is that day in that month, as was such a day in such a month; there varying but little.
    Also, if you take two days naturally in the year alike far from either point of the equinoctial in the opposite parts, then as long the artificial day of is that on day as is the night of that other, and the contrary.
    And for the more declaration, lo here youe figure.

    巨蟹宮0度の点と磨羯宮0度の点それぞれからの距離が等しい黄経の点を探す。
    太陽がそれらの黄経のいずれかにあれば、それらの日では日中の長さが同じである。
    つまり、その月のその日は日の長さがだいたい同じであり、多少は違えど差はごくわずかである。
    また、一年のうちで春分点・秋分点のそれぞれから等しい距離で反対側にある2つの日を自然にとると、片方の日の「人工の一日」の長さはもう片方の日の夜の長さと同じとなっており、逆もまたそうである。
    より詳しくは図で示す。

  16. この章は使い方に続いての解説である。
    This chapter is a manner declaration to conclusions that follow.
    [Illud capitulum est quedam declaracio ad certas conclusiones sequentes.]

    Understand well that your zodiac is divided in two half circles, as from the head of Capricorn unto the head of Cancer; and backward from the head of Cancer unto the head of Capricorn.
    The head of Capricorn is the lowest point, where as the sun goes in winter; and the head of Cancer is the highest point, in which the sun goes in sommer.
    And therefore understand well, that any two degrees that are alike far from any of these two heads, trust well that the two degrees are of alike declination, it is southward or northward; and the days of them are alike of length, and the nights also; and the shadows alike, and the altitudes alike at midday forever.
    And for more declaration, lo here your figure.

    十二宮環は、磨羯宮0度の点から巨蟹宮0度の点までと、引き返して巨蟹宮0度の点から磨羯宮0度の点までの、2つの半円に分けられることを理解せよ。
    磨羯宮0度の点は冬に太陽が通る低い点であり、巨蟹宮0度の点は夏に太陽が通る最も高い点である。
    だからこの2つのそれぞれの点から同じ距離にある2つの黄経の度数では、(訳注:天の赤道から)北側にも南側にも同じだけ傾いていることを理解せよ。
    そしてこれらの日では日中の長さは同じであり、夜の長さもまたそうだ。
    影(訳注:影の長さ)も同じだし、正午の太陽の高度も常に同じである。
    より詳しくは図で示す。

  17. アストロラーベには記されていない、未知の星や別の既知の星の正確な度数を黄経から知る。まったく本当に、それでその星は既知のものとなるだろう。
    To know the very degree of any manner strange or not strange star after its longitude, though it is indeterminate in your Astrolabe; truly to the truth, thus it shall be know.
    [Ad cognoscendum verum gradum alicuius stelle aliene secundum eius longitudinem, quamvis sit indeterminata in astrolabio; veraciter isto modo.]

    Take the altitude of this star when it is on the east side of the meridional line, as near as you may guess; and take an ascendant immediately by some manner fixed star which that you know; and do not forget the altitude of the first star, and your ascendant.
    And when that this is done, spy diligently when this same first star passes anything the south westward, and have it immediately in the same number of altitude on the west side of this meridional line as it was caught on the east side; and take a new ascendant immediately by some manner fixed star which that you know; and do not forget this secound ascendant.

    目的の星が、子午線と思われるところよりも東側にあるときに、その高度を測る。
    それからすぐ、とある既知の恒星のアセンダントを調べる(訳注:その時観測できる既知の恒星に目星をつけ、その恒星の高度を別途測定することで、この時点でのアセンダントを調べる)。
    最初の星の高度とこのアセンダントを覚えておく。
    そうしたら、最初の星が南の適当な目標物を西へ通過するのを注意深く観察し、子午線の西側の同じ高度に来たら、ただちに東側で行ったときと同様に高度を測る(訳注:星が西側で先ほどと同じ高度に来る瞬間を捉える)。
    そしてすぐ、新たに(訳注:先ほど目星をつけた)既知の恒星のアセンダントを調べる(訳注:同じ恒星から、再びこの時点のアセンダントを調べる)。
    この2つ目のアセンダントも覚えておく。

    And when that this is done, then reckon how many degrees are between the first ascendant and the second ascendant, and reckon well the middle degree between both ascendants, and set that middle degree upon your east horizon; and then wait what degree that sit upon the meridional line, and take it the very degree of the ecliptic in which the star stands for the time.

    それが終わったら、最初のアセンダントと2つ目のアセンダントの間に何度あるかを調べ、2つのアセンダントの中央にある黄経を割り出し(訳注:これが目的の星が正中したときのアセンダントの度数にあたる)、この中央の黄経の目盛りを東の地平線に合わせる。
    この時に子午線がどの黄道目盛りにあるかを確認すると、それがまさに目的の星のこの時点での黄経を示している。

    For in the ecliptic the longitude of a celestial body is reckoned, exactly from the head of Aries unto the end of Pisces.
    And its latitude is reckoned after the quantity of its declination, north or south toward the poles of this world; as thus.
    If it is of the sun or of any fixed star,its latitude or its declination reckon from the equinoctial circle; and if it is of a planet, reckon then the quantity of its latitude from the ecliptic line.
    Although so that the declination or the latitude of any celestial body may be reckoned from the equinoctial, after the site north or south, and after the quantity of its declination.
    And right so the latitude or the declinacion of any celestial body may, save only of the sun, after its site north or south, and after the quantity of its declination, be reckoned from the ecliptic line; from which line all planets sometime decline north or south, save only the aforesaid sun.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    というのは、天体は黄経で白羊宮0度から双魚宮30度までによって正確に計算される。
    そしてその黄経は、この世界の極(訳注:天の北極)への北や南への偏角の量から導き出されている(訳注:天の赤道上にあれば春分点・秋分点、北への偏角が最大なのが夏至点、南への偏角が最大なのが冬至点)。
    太陽や恒星の場合、その緯度や偏角は赤道の円を元に計算される(訳注:赤経・赤緯で表される)が、惑星の場合には緯度は黄道の線を元に計算される(訳注:黄経・黄緯で表される)。
    とはいえ任意の天体の偏角や緯度は、天の赤道からどれだけ北や南にあるかや、天の赤道からの偏角の量(訳注:赤緯)によって導き出されたりする。
    そして任意の天体の緯度や偏角は、太陽のみを除いて、黄道の線からどれだけ北や南にあるかや、黄道の線からの偏角の量(訳注:黄緯)によって導き出されることもある。
    この太陽のみを除いて、全ての天体は黄道の線からしばしば北や南に傾いているのである。
    より詳しくは図で示す。

  18. (その星が)正確に同定されているとして、アストロラーベで定義された恒星の経度を知る。
    To know the degrees of the longitudes of fixed stars after that they are determined in your Astrolabe, if so is that they are truly set.
    [Ad cognoscendum gradus longitudinis de stellis fixis que determinantur in astrolabio, sicut in suis locis recte locentur.]

    Set the center of the star upon the meridional line, and take keep of your zodiac, and look what degree of any sign that sit on the same meridional line at that same time, and take the degree in which the star stands; and that same star comes with that same degree unto that same line from the horizon.
    And for more declaration, lo here your figure.

    星の中心を子午線に合わせ、その位置にリートを固定し、その時に子午線がどのサインの何度にあるかを見ると、それがその星の黄経である。
    その星は地平線を出てからその黄経で子午線にくる。
    より詳しくは図で示す。

  19. 星が別のサインにあるとしても、アストロラーベ上の任意の恒星がどの黄経で東の地平線から昇るかを知る。
    To know with which degree of the zodiac any fixed star in your Astrolabe arises upon the east horizon, althogh its dwelling is in another sign.
    [Ad cognoscendum cum quibus gradibus zodiaci que stella fixa in astrolabio ascendit super orizontem orientalem, quamvis eius statio sit in alio signo.]

    Set the center of the star upon the east horizon, and look what degree of any sign that sit upon the same horizon at that same time.
    And understand well, that with that same degree arises that same star; and this marvellous arising with a strange degree in another sign is because that the latitude of the fixed star is either north or south from the equinoctial.
    But truly the latitudes of planets are commonly reckoned from the ecliptic, because that none of it declines but few degrees out from the breadth of the zodiac.

    星の中心を東の地平線に合わせ、その時どのサインのどの度数が地平線上にあるかを見る(訳注:その星が地平線から昇るときのアセンダント)。
    この星はその黄経で(訳注:地平線から)昇るということをよく理解せよ。
    恒星が地平線から(訳注:その黄経とは)全く違うサインの全く違う度数で昇るというのは不思議だが、それは恒星の緯度は赤道よりも北や南のどちらかにあるからだ。
    しかし全く、惑星は(訳注:黄道からの)傾きがごくわずかで黄道帯から外れないので、惑星の緯度は黄道から計算されるのが一般的だ。

    And take good keep of this chapter of arising of the celestial bodies; for trust well, that neither moon nor star as in our oblique horizon arises with that same degree of its longitude, save in one case; and that is, when they have no latitude from the ecliptic line.
    But nevertheless, sometime each of these planets is under the same line.
    And for more declaracioun, lo here your figure.

    この天体の上昇について章のことはよく覚えておけ。
    というのは実際、月も星も我々の傾いた地平線からは、一つの場合を除いて、その黄経と同じ度数では昇らないからだ。
    その場合とは、月や星が黄道上にある時だ。
    だがそれでも、これらの惑星のそれぞれは、時々この線上にあるものだ。
    より詳しくは図で示す。

  20. 任意の黄道上の点の、天の赤道の円からの偏角(訳注:黄道上の点の赤緯)を知る、他。
    To know the declination of any degree in the zodiac from the equinoctial circle, &c.
    [Ad cognoscendum declinacionem alicuius gradus in zodiaco a circulo equinoctiali.]

    Set the degree of any sign upon the meridional line, and reckon its altitude in almucantars from the east horizon up to the same degree set in the aforesaid line, and set there a prick.
    Turn up then your rete, and set the head of Aries or Libra in the same meridional line, and set there another prick.
    And when that this is done, consider the altitudes of them both; for truly the difference of that altitudes is the declination of that degree from the equinoctial.
    And if so is that the degree is northward from the equinoctial, then it is declination north; if it is southward, then it is south.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    (訳注:黄道の)任意のサインの目盛りを子午線に合わせ、東の地平線から子午線に合わせたその目盛りまでの高度を等高度線から割り出し、そこに点をつける(訳注:子午線上に合わせた黄道目盛りのところに印の点を付ける)。
    リートを回し、白羊宮0度の点または天秤宮0度の点を同じく子午線に合わせ、そこに別の点を付ける。
    そうしたら、これら2つの点の高度を調べる。
    正にこれらの高度の差が、その黄経の赤道の円からの偏角(訳注:赤緯)である。
    目盛りが赤道より北側にあれば、(訳注:その黄道上の点は赤道より)北へ傾いていて、南側にあるなら、南へ傾いている。
    より詳しくは図で示す。

  21. ティンパンの等高度線がどの地域のどの緯度に設計されているかを知る。
    To know for what latitude in any region the almucanters of any table are compounded.
    [Ad cognoscendum pro qua latitudine in aliqua regione almicantre tabule mee sunt composite.]

    Reckon how many degrees of almucanters, in the meridional line, are from the equinoctial circle unto the zenith; or else from the arctic pole unto the north horizon; and for so a great latitude or for so a small latitude is the table compounded.
    And for more declaration, lo here your figure.

    子午線上で、赤道の円から天頂まで、または天の北極から北の地平線まで何度あるかを等高度線より数える。
    その度数がそのティンパンに設定された緯度である。
    より詳しくは図で示す。

  22. 我々の国の特別な緯度、つまりオックスフォードの緯度と、この地での極の高さを知る。
    To know in the special latitude of our country, I mean after the latitude of Oxford, and the height of our pole.
    [Ad cognoscendum specialiter latitudinem nostri regionis, scilicet latitudinem Oxonie, et altitudinem poli nostri.]

    Understand well, that the head of Aries or Libra in the equinoctial from our horizon is as far as is the zenith from the arctic pole; and the arctic pole from the horizon is as high, as the equinoctial is far from the zenith.
    I prove it thus by the latitude of Oxford.
    Understand well, that the height of our arctic pole from our north horizon is 51 degrees and 50 minutes; then the zenith from our arctic pole is 38 degrees and 10 minutes; then the equinoctial from our zenith is 51 degrees and 50 minutes; then is our south horizon from our equinoctial 38 degrees and 10 minutes.
    Understand well this reckoning.
    Also do not forget that the zenith is 90 degrees of height from the horizon, and our equinoctial is 90 degrees from our arctic pole.
    Also this short rule is true, that the latitude of any place in a region is the distance from the zenith unto the equinoctial.
    And for more declaration, lo here your figure.

    赤道にある白羊宮0度や天秤宮0度から私たちの地平線までと、天頂から天の北極までは、同じくらい離れていることをよく理解せよ。
    そして地平線から天の北極までの高さは、天頂から赤道までの距離と同じくらいである。
    そのことをオックスフォードの緯度から証明しよう。
    我々の土地では、天の北極は北の地平線から51度50分の距離にあることをよく理解せよ。
    そして我々の土地では、天頂は天の北極から38度10分の距離にある。
    天頂から赤道までは51度50分であり、赤道から南の地平線までは38度10分である。
    この計算をよく理解せよ。
    また、天頂は地平線から90度の高さにあること、そして我々の土地での赤道は我々の土地での天の北極から90度であることを忘れるな。
    そして、どの地域にあるどの場所でもその緯度は天頂から赤道までの距離であるという、この短い規則は本当だ。
    より詳しくは図で示す。

  23. ある地域の任意の場所で天の北極の高さを明らかにし、その場所での緯度を明確に知る。
    To prove evidently the latitude of any place in a region, by the prove of the height of the arctic pole in that same place.
    [Ad probandum evidenter latitudinem alicuius loci in aliqua regione, per probacionem altitudinis de polo artico in eodem loco.]

    In some winter's night, when the firmament is clear and thickly covered with star, wait a time till that any fixed star sit exactly in a perpendicular line over the arctic pole, and call that star A.
    And wait another star that sit exactly in a line under A, and under the pole, and call that star F.
    And understand well, that F is not considered but only to declare that A sit exactly over the pole.
    Take then immediately the altitude of A from the horizon, and do not forget it.
    Let A and F go farewell till against the dawn a great while; and come then again, and abide till that A is exactly under the pole and under F; for truly, then F will sit over the pole, and A will sit under the pole.
    Take then soon after the altitude of A from the horizon, and note as well its second altitude as its first altitude; and when that this is done, reckon how many degrees that the first altitude of A exceeds its second altitude, and take half that portion that is exceeded, and add it to its second altitude; and take it the elevation of your pole, and also the latitude of your region.
    For these two are of a number; this is to say, as many degrees as your pole is elevated, is so much the latitude of the region.

    ある冬の日の、澄んだ天空に満点の星が広がる晩に、ある恒星Aが垂直な線上で正確に天の北極の上に来るまで待つ。
    そして別の恒星Fが正確に、恒星Aの下の線に、かつ天の北極の下に来るのを待つ。
    ここで恒星Fとは、恒星Aがちょうど天の北極上にあることを表すためだけのものであることをよく理解せよ。
    それからすぐに地平線からの恒星Aの高度を測り、それを覚えておく。
    夜明けが来るまでの長い間、恒星Aと恒星Fをそのままにしておき、それから戻ってきて、恒星Aが正確に天の北極と恒星Fの下に来るまで待つ。
    実にその時、恒星Fは天の北極の上にあり、恒星Aは天の北極の下にあるだろう。
    その直後に地平線からの恒星Aの高度を測り、最初の高度の時と同じように、その2度目の高度を記録する。
    それが終わったら、最初の高度が2度目の高度より何度上にあるかを数え、その超えた分の値の半分を2度目の高さに足し合わせる。
    それがその地での天の北極の高さであり、またその地域の緯度でもある。
    これら2つは同じ数字となる。
    つまり、その地での天の北極の高さは、その地の緯度と同じ度数である。

    Example as thus: peradventure, the altitude of A in the evening is 56 degrees of height.
    Then its second altitude or the dawn will be 48; that is 8 less than 56, that was its first altitude at even.
    Take then the half of 8, and add it to 48, that was its second altitude, and then you have 52.
    Now you have the height of your pole, and the latitude of the region.
    But understand well, that to prove this conclusion and many another fair conclusion, you must have a plummet hanging on a line higher than your head on a perch; and that line must hang exactly perpendicular between the pole and your eye; and then you shall see if A sit exactly over the pole and over F at exactly; and also if F sit exactly over the pole and over A or day.
    And for more declaration, lo here your figure.

    例えば、夕方に恒星Aの高度が56度の高さにあったとしよう。
    そして夜明けにその2度目の高度が48度であったとする。
    これは最初の高度の56度よりも8度低い。
    そこで8の半分を取り、2度目の高度である48度に足すと、52度が得られる。
    こうしてこの地での天の北極の高さと、この地の緯度が分かった。
    しかし、この使い方や別の正しい使い方をする時は、自分の頭より高い位置にある横木から紐で下がる錘を持っていなくてはならないことを理解せよ。
    そしてその紐は天の北極と目の間で正確に垂直に下がっていなくてはならない。
    そうすれば恒星Aが正確に天の北極の上と恒星Fの上にあるかどうか、そしてまた朝に恒星Fが正確に天の北極の上と恒星Aの上にあるかどうかがわかるだろう。
    より詳しくは図で示す。

  24. 地平線からの天の北極の高さを明らかにする別の方法。
    Another conclusion to prove the hight of the arctic pole from the horizon.
    [Alia conclusio ad probandum altitudinem de polo artico ab orizonte.]

    Take any fixed star that never descends under the horizon in that region, and consider its highest altitude and its lowest altitude from the horizon; and make a number of both these altitudes.
    Take then and abate half that number, and take it the elevation of the arctic pole in that same region.
    And for more declaration, lo here your figure.

    その土地で地平線の下に沈まない任意の恒星を選び、地平線からのその最も高い高度と最も低い高度を観察する。
    そしてその2つの高度の値を足し合わせる。
    それからその値を半分にすると、それがその地域での天の北極の高さである。
    より詳しくは図で示す。

  25. その地域の緯度を明らかにする別の方法、他。
    Another conclusion to prove the latitude of the region, &c.
    [Alia conclusio ad probandum latitudinem regionis.]

    Understand well that the latitude of any place in a region is verily the space between the zenith of it that dwells there and the equinoctial circle, north or south, taking the measure in the meridional line, as shown in the almucantars of your Astrolabe.
    And that space is as much as the arctic pole is high in the same place from the horizon.
    And then the depression of the antarctic pole is, that is to say, then the antarctic pole is beneath the horizon, the same quantity of space, neither more nor less.

    アストロラーベで等高度線が示しているのと同様に、どの地域にあるどの場所でもその緯度は正確に、その地域の天頂と天の赤道の間の距離を子午線上で北または南に測定した値になっていることをよく理解せよ。
    そしてその距離は、その場所での地平線から天の北極までの高さと同じである。
    また、天の南極は地平線の下にある訳だが、その天の南極の俯角も同じ量の値であり、これより大きくも小さくもない。

    Then, if you desire to know this latitude of the region, take the altitude of the sun in the middle of the day, when the sun is in the heads of Aries or of Libra; (for then the sun moves in the equinoctial line); and abate the number of that same sun's altitude out of 90, and then the remnant of the number is that leaves the latitude of the region.
    As thus: I suppose that the sun is that day at noon 38 degrees and 10 minutes of hight.
    Abate then these degrees and minutes out of 90; so there leaves 51 degrees and 50 minutes, the latitude.
    I do not say this but for example; for I know well the latitude of Oxford is certain minutes less, as I might prove.

    さて、その地域での緯度を知りたければ、太陽が白羊宮0度または天秤宮0度にあるときの正午の太陽の高度を測る。
    (この時太陽は天の赤道上を動くからである。)
    そしてその太陽の高度の値を90から差し引くと、その残りの数値がその土地の緯度となっている。
    次のようにである。
    この日の正午の太陽の高度は38度10分だったする。
    そこでこの度数と分数を90から差し引くと、51度50分が残り、これが緯度である。
    しかしこれはただの例に過ぎない。
    というもの私が試したところでは、オックスフォードの緯度はもう数分ほど低いことが分かっている。

    Now if so is that you seem to long a tarrying, to abide till that the sun is in the heads of Aries or of Libra, then wait when the sun is in any other degree of the zodiac, and consider the degree of its declination from the equinoctial line; and if it is so that the sun's declinacion is northward from the equinoctial, then abate the number of its declination from the sun's altitude at noon, and then you have the height of the heads of Aries and Libra.
    As thus: my sun is, peradventure, in the first degree of Leo, 58 degrees and 10 minutes of height at noon and its declination is almost 20 degrees northward from the equinoctial; abate then that 20 degrees of declination out of the altitude at noon, than leaves you 38 degrees and odd minutes; lo there the head of Aries or Libra, and your equinoctial in that region.
    Also if so is that the sun's declination is southward from the equinoctial, add then that declination to the altitude of the sun at noon; and take there the heads of Aries and Libra, and your equinoctial.
    Abate then the height of the equinoctial out of 90 degrees, and then there leaves the distance of the pole, 51 degrees and 50 minutes, of that region from the equinoctial.

    ところでもし長い期間を待てるのであれば、太陽が白羊宮0度または天秤宮0度に来るまで待ち、さらに太陽が黄道の他の黄経に移動するまで待って、天の赤道からの偏きの度数を考える。
    そして太陽の傾きが天の赤道より北側にあれば、その傾きの度数を正午の太陽の高度から差し引くと、白羊宮0度と天秤宮0度の時の高度がでる。
    たとえばこうである。
    太陽が獅子宮0度にあり、正午に58度10分の高さにあり、天の赤道から北へほぼ20度傾いていたとする。
    そこでこの偏角の20度を正午の高度から差し引くと、38度と余りの分が残る。
    するとそれが白羊宮0度や天秤宮0度(訳注:の子午線高度)であり、その地域の天の赤道(訳注:の子午線高度)だ。
    また、太陽の傾きが天の赤道より南側であれば、その傾き(訳注:の度数)ををその日の正午の太陽の高度に足す。
    そしてそれを白羊宮0度または天秤宮0度(訳注:の子午線高度)で、天の赤道(訳注:の子午線高度)とする。
    それから天の赤道の高さを90から差し引くと、その地域の天の赤道から天の北極までの距離、51度50分が出る。

    Or else, if you lust, take the highest altitude from the equinoctial of any fixed star that you know, and take its lower elongation extending from the same equinoctial line, and work in the manner aforesaid.
    And for more declaracion, lo here your figure.

    または、もしやってみたければ、任意の既知の恒星を選んで天の赤道から一番高い位置の高度を測り、天の赤道から伸びる低い角度の距離を調べ、先に述べた方法で計算する。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:任意の恒星の、赤緯とその土地における子午線高度との差を調べ、90からその差を引くと、その土地の緯度の値となる)

  26. サインの上昇についての解説、他。
    Declaration of the ascension of signs, &c.
    [Declaracio de ascensione signorum.]

    The excellence of the solid sphere, among other noble conclusions, shows manifest the diverse ascensions of signs in diverse places, as well in the right circle as in the oblique circle.
    These authors write that the sign is called of right ascension, with which ascends more part of the circle equinoctial and less part of the zodiac; and that sign ascends oblique, with which ascends less part of the equinoctial and more part of the zodiac.

    他の素晴らしい使い方の中で、天球儀が傑出しているのは、様々な場所での様々な上昇を、傾いた円(訳注:高緯度地点での地平線に相当する円)でも傾かない円(訳注:赤道上における地平線に相当する円)と同じように明確に示せることである。
    これらの著者たち(訳注:過去の天文学/占星学者たち)は、天の赤道の円が上昇するのに対して黄道の区間が昇り切る時間が長いサインを「ライト・アセンション」、天の赤道が上昇するのに対して黄道の区間が昇り切る時間が短いサインを「オブリーク・アセンション」と呼ぶ。

    (訳注:ライト・アセンションは「ロング・アセンション」とも呼ばれ、北半球では巨蟹宮・獅子宮・処女宮・天秤宮・天蠍宮・人馬宮が該当する。
    オブリーク・アセンションは「ショート・アセンション」とも呼ばれ、北半球では磨羯宮・宝瓶宮・双魚宮・白羊宮・金牛宮・双児宮が該当する。
    なぜそうなるかは第28項の後半に解説がある。なお南半球ではこれらは逆転する)

    Moreover they say, that in that country where as the zenith of them that dwells there is in the equinoctial line, and their horizon passing by the poles of this world, that folk have this right circle and the right horizon; and evermore the arc of the day and the arc of the night there is alike long, and the sun twice every year passing through the zenith of their head; and two summers and two winters in a year this aforesaid people have.
    And the almucantars in their Astrolabes are straight as a line, so as shown in this figure.

    さらに彼らは、天頂が赤道上にあり、地平線がこの世界の極を横切るような国(訳注:赤道上の地域)では、そこの国民たちは傾かない円とまっすぐな地平線を持っていると言う。
    彼らの国では昼の時間と夜の時間は常に同じ長さであり、太陽は年に2回天頂を通過する。
    そしてその国では、1年のうちに夏が2回、冬が2回ある。
    彼らの使うアストロラーベの等高度線は、次の図のようにまっすぐな線になっている。

    (訳注:実際には赤道用のティンパンは、地平線こそ直線だが、それ以外の等高度線は弧となる)

    The utility to know the ascensions in the right circle is this: trust well that by mediation of that ascensions these astrologers, by their tables and their instruments, know verily the ascension of every degree and minute in all the zodiac, as shall be shown.
    And observe, that this aforesaid right horizon, that is called orison rectum, divides the equinoctial into right angles; and the oblique horizon, where as the pole is enhanced upon the horizon, closses the equinoctial in oblique angles, as shown in the figure.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    傾かない円での上昇を知ることがなぜ有用なのかは次の通りだ。
    この上昇を元に、占星学者たちは、天文表と器具を使って、黄道上の全ての黄経の上昇を正確に知ることができるのである。
    そして先に述べた「orison rectum(まっすぐな地平線)」と呼ばれるこのまっすぐな地平線は、天の赤道を直角に分割していることに注意せよ。
    極が地平線の上に持ち上がることで傾いた地平線は、図で示すように、天の赤道を傾いた角度で横切っている。
    より詳しくは図で示す。

  27. これは「circulus directus(まっすぐな小円)」という傾かない円での、サインの上昇を知る使い方である。
    This is the conclusion to know the ascensions of signs in the right circle, that is, circulus directus, &c.
    [Ad cognoscendum ascenciones signorum in recto circulo, qui vocatur circulus directus.]

    Set the head of what sign you lust to know its ascending in the right circle upon the meridional line; and observe where your almury touches the border, and set there a prick.
    Turn then your rete westward till that the end of the aforesaid sign sits upon the meridional line; and soon after observe where your almury touches the border, and set there another prick.
    Reckon then the number of degrees in the border between both pricks, and take the ascension of the sige in the right circle.
    And thus you may work with every portion of your zodiac, &c.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    傾かない円(訳注:赤道上における地平線)での上昇を知りたいサインの、0度の点を子午線に合わせる。
    そしてアルムリが縁のどこに接しているかを確認し、そこに点をつける。
    それからリートを西へ、このサインの30度の点が子午線に来るまで回す。
    そうしたらすぐに、アルムリが縁のどこに接しているかを確認し、そこに別の点をつける。
    縁の2つの点の間が何度かを数えると、それが傾かない円でのサインの上昇である。
    黄道のどの部分でもこのやり方で行う。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:この時に出た角度を15で割れば、一つのサインが上昇するのに掛かる時間が出る(第8項・定時法への変換))

  28. 傾いた円「circulus obliquus(傾いた小円)」での、つまり任意の地域でのサインの上昇を知る。
    To know the ascensions of signs in the oblique circle in every region, I mean, in circulo obliquo.
    [Ad cognoscendum ascenciones signorum in circulo obliquo, in omni regione.]

    Set the head of the sign which as you lust to know its ascension upon the east horizon, and observe where your almury touches the border, and set there a prick.
    Turne then your rete upward till that the end of the same sign sit upon the east horizon, and observe soon after where as your almury touches the border, and set there another prick.
    Reckon then the nuumber of degrees in the border between both pricks, and take it the ascension of the sign in the oblique circle.

    上昇を知りたいサインの0度の点を、東の地平線に合わせる。
    そしてアルムリが縁のどこに接しているかを確認し、そこに点をつける。
    それからリートを上へ、同じサインの30度の点が東の地平線に来るまで回す。
    そうしたらすぐに、アルムリが縁のどこに接しているかを確認し、そこに別の点をつける。
    縁の2つの点の間が何度かを数えると、それが傾いた円(訳注:ティンパンに設定された緯度での地平線)でのサインの上昇である。

    And understand well, that all signs in your zodiac, from the head of Aries unto the end of Virgo, are called signs of the north from the equinoctial; and these signs arise between the very east and the very north in our horizon generaly forever.
    And all signs from the head of Libra unto the end of Pisces are called signs of the south from the equinoctial; and these signs arise evermore between the very east and the very south in our horizon.

    12宮の全てのサインのうち、白羊宮0度から処女宮30度までは天の赤道より北のサインと呼ばれることを覚えておけ。
    そしてこれらのサインは一般的に、常に真東と真北の間の地平線から昇る。
    天秤宮0度から双魚宮30度までは天の赤道より南のサインと呼ばれる。
    これらのサインは、常に真東と真南の間の地平線から昇る。

    Also every sign between the head of Capricorn unto the end of Gemini arises on our horizon in less than two equal hours; and these same signs, from the head of Capricorn unto the end of Gemini, are called "tortuous signs" or "crooked signs," for they arise oblique on our horizon; and these crooked signs are obedient to the signs that are of right ascension.
    The signs of right ascension are from the head of Cancer to the end of Sagittarius; and these signs arise more upright, and they are called also sovereign signs; and each of them arises in more space than in two hours.
    Of which signs, Gemini obeys to Cancer; and Taurus to Leo; Aries to Virgo; Pisces to Libra; Aquarius to Scorpio; and Capricorn to Sagittarius.
    And thus evermore two signs, that are alike far from the head of Capricorn, obey each of them till other.
    And for more declaration, lo here the figure.

    また、磨羯宮0度から双児宮30度までのサインのそれぞれは、地平線から定時法で2時間以内に昇り切る。
    そしてこれら磨羯宮0度から双児宮30度までのサインは、地平線から斜めに上昇することから、「ねじれたサイン」や「曲がったサイン」と呼ばれる。
    これらの曲がったサインはライト・アセンションのサインに服従する。
    ライト・アセンションのサインは巨蟹宮0度から人馬宮30度までである。
    これらのサインはより直立した角度で上昇するため、「王者のサイン」とも呼ばれる。
    そしてこれらのサインはそれぞれ昇り切るのに2時間以上かかる。
    これらのサインは、双児宮は巨蟹宮に服従し、金牛宮は獅子宮に服従し、白羊宮は処女宮に、双魚宮は天秤宮に、宝瓶宮は天蠍宮に、磨羯宮は人馬宮に服従する。
    このように、磨羯宮0度から同じ距離にある2つのサインは常に、それぞれが片方のサインに服従する。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:北半球では、オブリーク・アセンションである磨羯宮・宝瓶宮・双魚宮・白羊宮・金牛宮・双児宮の区間は、地平線に対して黄道の角度が斜めにつくため、黄道の各サインの区間が上昇し切る時間が短い。
    そして、ライト・アセンションである巨蟹宮・獅子宮・処女宮・天秤宮・天蠍宮・人馬宮の区間は、地平線に対する黄道の角度がオブリーク・アセンションのサインよりも直立するため、黄道の各サインの区間が上昇し切る時間が長い。
    南半球では、オブリーク・アセンションのサインとライト・アセンションのサインは逆転する)

    (訳注:「服従する」とは、ホロスコープでオブリーク・アセンションとライト・アセンションの両側のサインに惑星があるとき、ライト・アセンションのサインにある惑星の方がホロスコープ全体に与える影響が強い、ということ)

  29. この世界の4方位、東・西・北・南を正確に知る。
    To know justly the four quarters of the world, as east, west, north, and south.
    [Ad cognoscendum evidenter quatuor partes mundi, scilicet, orientem, austrum, aquilonem, et occidentem.]

    Take the altitude of your sun when you lust, and note well the quarter of the world in which the sun is for the time by the azimuth.
    Turn then your Astrolabe, and set the degree of the sun in the almucantars of its altitude, on that side that the sun stands, as is the manner in taking of hours; and lay your label on the degree of the sun, and reckon how many degrees of the border are between the meridional line and the point of your label; and note well that number.
    Turn then again your Astrolabe, and set the point of your great rule, there you take your altitudes, upon as many degrees in its border from its meridional as was the point of your label from the meridional line on the womb-side.
    Take then your Astrolabe with both hands deeply and subtly, and let the sun shine through both holes of your rule; and subtly, in that shining, let your Astrolabe lay down evenly upon a smooth ground, and then the very meridional line of your Astrolabe will lay evenly south, and the east line will lay east, and the west line west, and north line north, so that you work softly and advisedly in the laying; and thus you have the 4 quarters of the firmament.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    これを知りたい時は太陽の高度を測り、その時太陽がこの世界の4方位のどこにあるか(訳注:東か西のどちらにあるか)方位を確認する。
    そうしたらアストロラーベを返し、時刻を知るとき(訳注:第3項)と同じ方法で、太陽の黄経に当たる目盛りを、現在太陽がある側の、その高度に当たる等高度線に合わせる。
    そしてルールを太陽の黄経の目盛りに当て、子午線とルールの先端の間が角度で何度あるかを縁で数える。
    そしてその数値をしっかり記録する。
    再びアストロラーベを返して、高度を測るときに使ったアリダードの先端を、縁でその子午線から、表面の子午線からルールまでの角度と同じ角度に合わせる。
    そしてアストロラーベを両手でしっかりと注意深く持ち、日光がアリダードの2つの穴を通るようにする。
    そして注意深く、その光を保ちながら、アストロラーベを平らな地面に正確に置くと、正にアストロラーベの子午線が正確に南に、東の線が東に、西の線が西に、そして北の線が北に向いている。
    (訳注:アストロラーベを)置く時には静かに慎重に行うこと。
    こうして天空の4方位が分かる。
    より詳しくは図で示す。

  30. 惑星の高度を太陽の日周経路から、太陽の経路より北か南かを前述の方法で知る。
    To know the altitude of planets from the way of the sun, whether so they are north or south from the aforesaid way.
    [Ad cognoscendum altitudinem planetarum a cursu solis, utrum sint in parte australi vel boreali a cursu supra dicto.]

    Look when that a planet is in the meridional line, if that its altitude is of the same height that is the degree of the sun for that day, and then the planet is in the very way of the sun, and have no latitude.
    And if the altitude of the planet is higher than the degree of the sun, then the planet is north from the way of the sun such a quantity of latitude as shown by your almucantars.
    And if the altitude of the planet is less than the degree of the sun, then the planet is south from the way of the sun such a quantity of latitude as shown by your almucantars.
    This is to say, from the way where as the sun went that day, but not from the way of the sun in every place of the zodiac.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    ある惑星が子午線上にある時に観測し、もしその高度がその日の太陽の黄経の位置と同じであれば、その惑星は正に太陽の日周経路上にあって、高くも低くもない。
    もし惑星の高度が太陽の黄経よりも高ければ、その惑星は等高度線で示された高度の分だけ太陽の日周経路より北にある。
    もし惑星の高度が太陽の黄経よりも低ければ、その惑星は等高度線で示された高度の分だけ太陽の日周経路より南にある。
    これはつまり、その日の太陽の日周経路からという話であり、黄道の全ての場所での太陽の日周経路からという話ではない。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:ある日ある惑星が太陽より高い高度にあったからといって、その惑星の経路が常に太陽よりも高い位置にあるという訳ではない)

  31. 太陽が昇る地点、つまり太陽の昇る地平線の方位を知る。
    To know the cenith of the arising of the sun, this is to say, the part of the horizon in which that the sun arises.
    [Ad cognoscendum signum de ortu solis, scilicet, illam partem orientis in qua oritur sol.]

    You must first consider that the sun arises not always very east, but sometime by north the east, and sometime by south the east.
    Truly, the sun arises nevermore very east in our horizon, but it is in the head of Aries or Libra.
    Now your horizon is departed in 24 parts by your azimuth, in signification of 24 parts of the world; although so that shipmen reckon that parts in 32.
    Then there is no more but observe in which azimuth that your sun enters at its arising; and take there the cenith of the arising of the sun.
    The manner of the division of your Astrolabe is this; I mean, as in this case.
    First it is devided in 4 principal regions with the line that goes from east to west, and then with another line that goes from south to north.
    Then it is divided in small parts of azimuth, as east, and east by south, where as is the first azimuth above the east line; and so forth, from part to part, till that you come again unto the east line.
    Thus you may understand also the cenith of any star, in which part it rises, &c.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    まず、太陽はいつも真東から昇る訳ではなく、時には北寄りの東、時には南寄りの東から昇るということをよく分かっておくべきだ。
    実際、太陽は白羊宮0度か天秤宮0度の点にあるとき以外に、真東から昇ることは決してない。
    さて、(訳注:アストロラーベで)地平線は等方位角線によって24の部分、この世界の24の方位に分けられている。
    船乗りたちはこれを32の部分に分けているが。
    太陽が昇る時にどの方位から出てくるかは観察するにしくはない。
    そしてそれが太陽の昇る地点である。
    アストロラーベ(訳注:の方位)はこのように、つまりこのやり方で分けられる。
    まず、それ(訳注:アストロラーベ)は、東から西に伸びる線と南から北に伸びる別の線で4つの主要な領域に分けられる。
    それから東に、東の線のすぐ上にある等方位角線で東南にというように、等方位角線によって小さな部分に分けられる。
    そして部分から部分へ、再び東の線に戻ってくるまで、同じように分けられている。
    こうして任意の星でも、昇る時などにどの地点にあるか、方位が分かるだろう。
    より詳しくは図で示す。

  32. 天空のどの方位で(太陽と月の)合が起こるかを知る。
    To know in which part of the firmament the conjunctioun is.
    [Ad cognoscendum in qua parte firmamenti sunt coniuncciones solis et lune.]

    Consider the time of the conjunction by your calender, as thus; look how many hours that conjunction is from the midday of the precedent day, as shown by the canon of your calender.
    Reckon then that number of hours in the border of your Astrolabe, as you are wont to do in knowing of the hours of the day or of the night; and lay your label over the degree of the sun; and then the point of your label will sit upon the hour of the conjunction.
    Look then in which azimuth the degree of your sun sits, and in that part of the firmament the conjunctioun is.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    次のようにして、天文暦から合の時刻を考える。
    合の時刻がその前日の正午から何時間後に当たるかを、天文暦の法則による表から見る。
    そして、日中や夜に時刻を調べるとき(訳注:第3項)と同じように、アストロラーベの縁でその時間数を数える(訳注:その時間数に当たる位置にルールを合わせる)。
    それから(訳注:ルールの位置は変えずにリートを回して)ルールを太陽の黄経の度数に合わせる。
    するとルールの先は合の時間を指している。
    そして等方位角線のどこに太陽の黄経の目盛りがあるかを見ると、それが合が起きる天空の方位である。
    より詳しくは図で示す。

  33. 太陽の高度から(訳注:太陽の)方位を知る、他。
    To know the cenith of the altitude of the sun, &c.
    [Ad cognoscendum signa de altitudine solis.]

    This is no more to say but any time of the day the altitude of the sun take; and by the azimuth in which it stands, you may see in which part of the firmament it is.
    And in the same way you may see, by the night, of any star, whether the star sit east or west or north, or any part between, after the name of the azimuth in which the star is.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    いつでも昼に太陽の高度を測るという以外に言うことはない。
    その位置にある等方位角線から、それが天空のどの方位かが分かるだろう。
    夜には任意の星について、星が東や西や北にあっても、あるいは等方位角線の間の方位にあっても、同じ方法で(訳注:方位が)分かる。
    より詳しくは図で示す。

  34. 月やその他の惑星が黄道上にあるときに、その正確な黄経を知る。
    To know truly the degree of the longitude of the moon, or of any planet that has no latitude for the time from the ecliptic line.
    [Ad cognoscendum veraciter gradum de longitudine lune, vel alicuius planete qui non habet longitudinem pro tempore causanto linea ecliptica.]

    Take the altitude of the moon, and reckon your altitude up among your almucantars on which side that the moon stand; and set there a prick.
    Take then immediately, upon the moon's side, the altitude of any fixed star which that you know, and set its center upon its altitude among your almucantars there the star is found.
    Observe then which degree of the zodiac touches the prick of the altitude of the moon, and take there the degree in which the moon stands.
    This conclusioun is very true, if the stars in your Astrolabe stands after the truth; of common, treatise of Astrolabe do not make exception whether the moon have latitude, or not; nor on whether side of the moon the altitude of the fixed star is taken.
    And observe, that if the moon shows itself by light of day, then you may work this same conclusion by the sun, as well as by the fixed star.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    月の高度を測り、(訳注:アストロラーベの表面で)月がある側(訳注:東または西)で等高度線からその高度を数える。
    そしてそこに印の点を付ける。
    それからすぐ、月の方向にある既知の恒星の高度を測り、その中心(訳注:リート上のその恒星に当たるポインタ)を等高度線からその星の高度にあたるところに合わせる。
    月の高度を記した点に黄経のどの目盛りが接しているかを確認し、それを月の黄経とする。
    アストロラーベの星の位置が正確であるなら、この使い方はとても正確である。
    一般的にアストロラーベの論文には、月が黄道から離れているときの例外や、恒星の高度を測るときに月がどちら側にあるかについては記載されていない。
    また、月が日中にある場合には、恒星と同じように太陽でこのやり方が使えることに注意せよ。
    より詳しくは図で示す。

  35. これは任意の惑星が順行か逆行かを知る方法である。
    This is the working of the conclusion, to know if that any planet is direct or retrograde.
    [Hec conclusio operatur ad cognoscendum si aliqua planeta sit directa vel retrograda.]

    Take the altitude of any star that is called a planet, and note it well.
    And take also soon the altitude of any fixed star that you know, and note it well also.
    Come then again the third or the fourth night next following; for then you shall perceive well the moving of a planet, whether so it move forward or backward.
    Await well then when that your fixed star is in the same altitude that it was when you took it first altitude; and take then soon after the altitude of the aforesaid planet, and note it well.
    For trust well, if so is that the planet is on the right side of the meridional line, so that its second altitude is less than its first altitude was, then the planet is direct.
    And if it is on the west side in that condition, then it is retrograde.
    And if so is that this planet is upon the east side when its altitude is taken, so that its second altitude is more than its first altitude, then it is retrograde, and if it is on the west side, then it is direct.
    But the contrary of these parts is of the course of the moon; for truly, the moon moves the contrary from other planets as in its epicycle, but in no other manner.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    星の中でも任意の惑星の高度を測り、これをきちんと記録する。
    そしてまたすぐに既知の恒星の高度を測り、これもまたちきんと記録する。
    3日〜4日経った後に再び戻ってくる。
    すると惑星が順行しているかまたは逆行しているかどうか、その動きがよく分かるだろう。
    (訳注:目を付けた)恒星が最初に測定したときと同じ高度になるまで待つ。
    そしてすぐ後に先に述べた惑星の高度を測り、これをきちんと記録する。
    惑星が子午線の右側(訳注:アストロラーベの右側、つまり東側(第1部第6項))にあって、2番目の高度が最初のものより低ければ、その惑星は間違いなく順行している。
    もし西側で同様の状態にあれば、惑星は逆行している。
    もし惑星の高度を測った時に東側にあって、2番目の高度が最初のものより大きければ、その惑星は逆行している。
    そして西側でそうなっていれば、惑星は順行している。
    しかしこれが月の進行の場合には逆となる。
    というのは、月は周転円上で他の惑星と逆に動いているからだが、それ以外は同じ動き方である。
    より詳しくは図で示す。

  36. アストロラーベを使ってハウス分割をする方法、他。
    The conclusions of equations of houses, after the Astrolabe, &c.
    [Conclusio de equacione domorum.]

    Set the beginning of the degree that ascends upon the end of the unequal 8 hour; then the beginning of the 2 house will sit upon the line of midnight.
    Remove then the degree that ascends, and set it on the end of the unequal 10 hour; and then the beginning of the 3 house will sit upon the midnight line.
    Bring up again the same degree that ascends first, and set it upon the horizon; and then the beginning of the 4 house will sit upon the line of midnight.
    Take then the nadir of the degree that first ascends, and set it on the end of the unequal 2 hour; and then the beginning of the 5 house will sit upon the line of midnight; set then the nadir of the ascends on the end of the 4 hour, then the beginning of the 6 house will sit on the midnight line.
    The beginning of the 7 house is nadir of the ascendent, and the beginning of the 8 house is nadir of the 2; and the beginning of the 9 house is nadir of the 3; and the beginning of the 10 house is the nadir of the 4; and the beginning of the 11 house is nadir of the 5; and the beginning of the 12 house is nadir of the 6.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    アセンダントの黄経の度数を不定時法の8時の終わりに合わせると、真夜中の線上に来るのが2ハウスの始まりの黄経の度数(訳注:カスプ、ハウスの境界線)である。
    そうしたらアセンダントの黄経の度数を動かして、これを不定時法の10時の終わりに合わせると、3ハウスの始まりの黄経が真夜中の線上に来る。
    最初のアセンダントの黄経の度数を元に戻し、地平線に合わせると、4ハウスの始まりの黄経が真夜中の線上に来る。
    今度はアセンダントの底の黄経を不定時法の2時の終わりに合わせると、5ハウスの始まりの黄経が真夜中の線上に来る。
    アセンダントの底の黄経を不定時法の4時の終わりに合わせると、6ハウスの始まりの黄経が真夜中の線上に来る。
    7ハウスの始まりの黄経はアセンダントの底の黄経である。
    8ハウスの始まりの黄経は2ハウスの底の黄経である。
    9ハウスの始まりの黄経は3ハウスの底の黄経である。
    10ハウスの始まりの黄経は4ハウスの底の黄経である。
    11ハウスの始まりの黄経は5ハウスの底の黄経である。
    12ハウスの始まりの黄経は6ハウスの底の黄経である。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:ここで解説されているハウス分割方法は次項と共にアルカビティウス・システムで、この時代の主流だった。
    ハウスの分割方法はこの他にも現代までに多数の方法があり、現代の占星術ではプラシーダス・システム(17世紀に考案され18世紀に普及)やコッホ・システム(20世紀に考案・普及)、古典占星術の手法でもレジオモンタナス・システム(15世紀に考案・普及)が使われるのが一般的である)

  37. アストロラーベでのハウス分割の別の方法。
    Another manner of equatious of houses by the Astrolabe.
    [De aliqua forma equacionis domorum secundum astrolabium.]

    Take your ascendant, and then you have your 4 angles; for well you know that the opposite of your ascendant, that is to say, your beginning of the 7 house, sit upon the west horizon; and the beginning of the 10 house sit upon the meridional line; and its opposite upon the line of midnight.
    Then lay your label over the degree that ascends, and reckon from the point of your label all the degrees in the border, till you come to the meridional line; and depart all that degrees in 3 even parts, and take the even equation of 3; for lay your label over each of 3 parts, and then you may see by your label in which degree of the zodiac is the beginning of each of these same houses from the ascendant: that is to say, the beginning of the 12 house next above your assendent; and then the beginning of the 11 house; and then the 10, upon the meridional line; as I first said.
    The same way you work from the ascendant down to the line of midnight; and then thus you have other 3 houses, that is to say, the beginning of the 2, and the 3, and the 4 houses; then the nadir of these 3 houses are the beginning of the 3 houses that follow.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    アセンダントを取れば、それで4つのアングル(軸)が分かる。
    よく知ってのとおりアセンダントの反対側が、つまり、7ハウスの始まりの黄経で、西の地平線にある。
    そして10ハウスの始まりの黄経は子午線上にある。
    その反対側(訳注:4ハウスの始まりの黄経)は真夜中の線上だ。
    そうしたら、ルールをアセンダントの度数に合わせ、縁で子午線に来るまでの全ての度数を数える。
    そしてその度数を3等分し、正確に3つに分ける。
    それからルールを3つの部分のそれぞれに合わせると、ルールが黄道で指す黄経が、アセンダントからそれぞれのハウスの始まる度数となっている。
    つまり、12ハウスの始まりの黄経は、アセンダントのすぐ上にくる。
    その次に11ハウスの始まりの黄経がくる、
    そして10ハウスの黄経は、最初に述べたように、子午線の上にある。
    同じ方法をアセンダントから真夜中の線でも行う。
    すると、2ハウス・3ハウス・4ハウスの、別の3つのハウスが得られる。
    これらの3つのハウスの底が、これに続く3つのハウスの始まりの黄経(訳注:この記述は誤りで、5ハウスのカスプは11ハウスのカスプの底、6ハウスは12ハウスの底、7ハウスはアセンダント(1ハウス)の底。2ハウスのカスプの底は8ハウスのカスプ、3ハウスの底は9ハウス、4ハウスの底が10ハウス)である。
    より詳しくは図で示す。

  38. 任意の場所で不変の子午線を見つける。
    To find the meridional line to dwell fixedly in any certain place.
    [Ad inveniendum lineam meridionalem per subtiles operaciones.]

    Take a round plate of metal; for warping, the broader the better; and make there upon a just compass, a little within the border; and lay this round plate upon an even ground, or on an even stone, or on an even fixed stock in the ground; and lay it even by a level.
    And in center of the compass stick an even pin or a wire upright; the smaller the better.
    Set your pin by a plumb rule evenly upright; and let this pin be no longer than a quarter of the diameter of your compass, from the center.
    And wait busily, about 10 or 11 of the clock and when the sun shines, when the shadow of the pin enters anything within the circle of your plate an hair-part, and mark there a prick with ink.
    await then still waiting on the sun after 1 of the clock, till that the shadow of the wire or of the pin passes anything out of the circle of the compass, be it never so little; and set there another prick of ink.
    Take then a compass, and measure evenly the middle between both pricks; and set there a prick.
    Take then a rule, and draw a strike, evenly align from the pin unto the middle prick; and take there your meridional line for evermore, as in that same place.
    And if you draw a cross-line across the compass, justly over the meridional line, then you have east and west and south; and, in consequence, then the nadir of the south line is the north line.
    And for more declaration, lo here your figure.

    丸い金属板を使う。
    たわまないように、大きなものが良い。
    その上にいっぱいに、縁より少しだけ内側になるように、コンパスで正確に円を描く。
    そしてその丸い板を平らな地面か、平たい石の上、または地面の上の平らな台の上に置く。
    水準器を使って平らに置く。
    その正確な円の中心にまっすぐなピンかワイヤーを垂直に刺す。
    ピンは小さい方が良い。
    このピンを垂準を使って正確に直立させる。
    そして中心からのピンの長さは、正確に描いた円の直径の4分の1以下にする。
    そして、日が照っている日の10時か11時頃、ピンの影が金属板の正確な円の中に少しだけ、髪の毛一本分ほど入るまで待ち、そしてそこ(訳注:影の先端)にインクで点をつける。
    それから1時過ぎに、ワイヤーまたはピンの影が正確な円の線を少しだけ、ごくほんの僅かだけ過ぎるまで待つ。
    そしてそこにインクで別の点をつける。
    そうしたらこの正確な円で、両方の点の中央を正確に測る。
    そしてそこに点をつける。
    定規を使って、ピンから中央の点まで正確に、まっすぐに線を引く。
    するとその線が、常にその場所での子午線となる。
    また、子午線に重ねて、正確な円を横切る線を引けば、東と西と南の方位が得られる。
    その結果、南の線の反対側が北の線となる。
    より詳しくは図で示す。

  39. 別の地域にある都市や町同士の間の子午線・経度・緯度の解説。
    Description of the meridional line, of longitudes, and latitudes of cities and towns from one to another of climates.
    This meridional line is but a manner description of imagined line, that passes upon the poles of this world and by the zenith of our head.
    And it is called the meridional line; for in what place that any manner man is at any time of the year, when that the sun by moving of the firmament comes to its very meridian place, then it is very midday, that we call our noon, as to that man; and therfore it is called the line of midday.
    And nota, for evermore, of 2 cities or of 2 towns, of which that one town approachs more toward the east than does that other town, trust well that these towns are diverse meridians.
    Nota also, that the arc of the equinoctial, that is contained or bounded between the 2 meridians, is called the longitude of the town.
    And if so is that two towns have alike meridian, or one meridian, then the distance of them both is alike far from the east; and the contrary.
    And in this manner they do not change their meridian, but truly they change their almucantars; for the elevation of the pole and the distance of the sun.

    この子午線とは想像上の線として解説されるもの以外に、この世界の極とわれわれの頭上にある天頂を通るものである。
    それが子午線と呼ばれる。
    どの季節のどの時間のどの場所でも、太陽が天空を動いていって子午線上にちょうど来たときが、まさに真昼であり、われわれはこれを正午と呼ぶ。
    そのため、これを真昼の線と呼ぶ。
    そして、常に、2つの都市または2つの町で、片方の町がよりもう片方の町よりもっと東にあるならば、本当に、これらの町は異なる子午線を持つことに注意せよ。
    そしてまた、2つの子午線の間にあってこれを結ぶ赤道上の弧のことを町の経度と呼ぶことに注意せよ。
    そして、反対に、もし2つの町が、だいたい同じか全く同じ子午線上にあって、その間の距離がさっきの東に離れているのと同じくらい距離があったとする。
    その場合はこれらの町の子午線は変わらないが、等高度線が違うものになる。
    極の高さと太陽の距離が違うからである。

    The longitude of a climate is a imagined line from east to west, alike distance between them all.
    The latitude of a climate is a imagined line from north to south the space of the earth, from the beginning of the first climate unto the very end of the same climate, evenly direct against the arctic pole.
    Thus say some authors; and some of them says that if men call the latitude, they mean the meridian arc that is contained or intercept between the zenith and the equinoctial.
    Then they say that the distance from the equinoctial unto the end of a climate, evenly against the arctic pole, is the latitude of a climate for truth.
    And for more declaration, lo here your figure.

    地域の経度というのは東から西への想像上の線であり、全ての地域の間の距離のようなものである。
    地域の緯度というのは、最初の地域から最初から同じ地域の終わりまでの正確な北極方向の大地の距離で、北から南への想像上の線である。
    このように何人かの著者たちは言う。
    緯度とは、天頂と赤道の間にある、あるいはこの2点で切り取られた子午線の弧を意味すると言う著者たちもいる。
    そして彼らは、赤道からその地域の終わりまでの正確な北極方向の距離を、本当の地域の緯度であると言う。

    (訳注:この項の地域とは「clime」のことを指している。古代ギリシャ・ローマの地理学の概念で、夏至の日の昼間の長さを元に、地球を赤道に平行な地域に区分したものである。文中の「地域の緯度」とはこのそれぞれの地域の幅のことである)

  40. 黄道より北や南にあっても、任意の惑星が地平線から昇るときの黄経を知る。
    To know with which degree of the zodiac that any planet ascends on the horizon, whether so that its latitude is north or south.
    Know by your almanac the degree of the ecliptic of any sign in which that the planet is reckoned for to be, and that is called the degree of its longitude; and know also the degree of its latitude from the ecliptic, north or south.
    And by these following samples in special, you may work for truth in every sign of the zodiac.

    天文暦からその惑星があると思われる黄経のサインと度数を調べると、それを経度と呼ぶ。
    そしてまた、黄道から北または南への黄緯の度数を調べる。
    次の特別な例から、黄道の全てのサインで本当に調べられるだろう。

    The degree of the longitude, peradventure, of Venus or of another planet, was 6 of Capricorn, and the latitude of it was northward 2 degrees from the ecliptic line.
    I took a subtle compass, and called that one point of my compass A, and that other point F.
    Then I took the point of A, and set it in the ecliptic line evenly in my zodiac, in the degree of the longitude of Venus, that is to say, in the 6 degree of Capricorn; and then I set the point of F upward in the same sign, because that the latitude was north, upon the latitude of Venus, that is to say, in the 6 degree from the head of Capricorn; and thus I have 2 degrees between my two pricks.
    Then I laid down softly my compass, and set the degree of the longitude upon the horizon; then I took and waxed my label in manner of a pair of tables to receive distinctly the pricks of my compass.
    Then I took this aforesaid label, and laid it fixed over the degree of my longitude; then I took up my compass, and set the point of A in the wax on my label, as even as I could guess over the ecliptic line, in the end of the longitude; and set the point of F along in my label upon the space of the latitude, inward and over the zodiac, that is to say, northward from the ecliptic.
    Then I laid down my compass, and looked well in the way upon the prick of A and of F; then I turned my rete till that the prick of F sat upon the horizon; then I saw well that the body of Venus, in its latitude of 2 degrees northern, ascended, in the end of the 6 degree, in the head of Capricorn.

    金星または他の惑星が、黄経の度数では磨羯宮6度にあって、その黄緯は黄道より2度北にあったとする。
    精密なコンパス(訳注:ディバイダ。コンパス座の星図絵やフリーメーソンのマークが好例)を取って、その片方の先端をA、もう片方の先端をFと呼ぶことにする。
    コンパスの先端Aを、(訳注:リートの)十二宮環上の黄道の、金星の黄経つまり磨羯宮6度に正確に合わせる。
    それから先端Fをそのサインの上方に合わせる、というのは黄緯が北にあることから、金星の黄経より上、つまり磨羯宮0度から6度までの間である(訳注:先端Fを黄経で2度手前の目盛り、つまり磨羯宮4度に合わせる)。
    こうして2つの先端の間を2度にする。
    それからコンパスを静かに置き、(訳注:リートの)黄経の度数を地平線に合わせる。
    そして一対の目印としてコンパスの先による印がはっきりとつくように、ルールを取って、そこに蝋を塗る。
    このルールを、黄経の度数に合わせて固定する。
    それからコンパスを取り、先端Aでルールの蝋に印を付け、同時に黄道上の黄経の端の見当をつける。
    そして先端Fをルールに沿って黄緯の分だけ、十二宮環の内側つまり黄道から北に合わせる。
    その後コンパスを置き、(訳注:ルールにつけた)先端Aと先端Fでつけた印をよく確認する。
    そして先端Fでつけた印が地平線上に来るまでリートを(訳注:ルールと一緒に)回す。
    すると磨羯宮0度の点から6度の先、黄緯で北側に2度の所で昇る金星について分かる。

    (訳注:コンパスで黄緯の差を割り出すのに、黄経目盛りを使っている。アストロラーベの製図に使われるステレオ投影は角度の差が保存される製図方法なので、近似値としてそんなに悪くない値となっている)

    And nota, that in the same manner you may work with any northern latitude in all signs; but truly the meridional latitude of a planet in Capricorn may not be take, because of the little space between the ecliptic and the border of the Astrolabe; but truly, in all other signs it may.

    全てのサインの北側の黄緯でこれと同じ方法が使えることに注意せよ。
    しかし磨羯宮のサインの黄経で南の黄緯にある惑星の場合は、アストロラーベの縁と黄道の間に隙間がほとんどないのでうまくできないだろう。
    だが他の全てのサインでこの方法は行える。

    Also the degree, peradventure, of Jupiter or of another planet, was in the first degree of Pisces in longitude, and its latitude was 3 degrees meridional; then I took the point of A, and set it in the first degree of Pisces on the ecliptic, and then I set the point of F downward in the same sign, because that the latitude was 3 degrees south, that is to say, from the head of Pisces; and thus I have 3 degrees between both pricks; then I set I the degree of the longitude upon the horizon.
    Then I took my label, and laid it fixed upon the degree of the longitude; then I set the point of A on my label, evenly over the ecliptic line, in the end evenly of the degree of the longitude, and the point of F set along in my label the space of 3 degrees of the latitude from the zodiac, this is to say, southward from the ecliptic, toward the border; and turned my rete till the prick of F sat upon the horizon; then I saw well that the body of Jupiter, in its latitude of 3 degrees meridional, ascended with 14 degrees of Pisces in horoscopo.

    また、木星や他の惑星が、黄経は双魚宮0度に、黄緯は(訳注:黄道より)3度南にあったとする。
    そこで(訳注:コンパスの)先端Aを黄道上の双魚宮0度に合わせ、先端Fを、3度南にあることから、つまり双魚宮0度からそのサインの下方(訳注:黄経で3度後の目盛り、つまり双魚宮3度)に合わせる。
    こうして2つの先端の間を3度にする。
    それから(訳注:木星の)黄経を地平線に合わせる。
    そしてルールを、(訳注:木星の)黄経に合わせて固定する。
    (訳注:コンパスの)先端Aを黄道上の黄経の縁に正確に合わせ、先端Fをルールに沿って、黄道から黄緯で3度分南側、つまり(訳注:アストロラーベの)縁に向かった所に合わせる。
    そして先端Fでつけた印が地平線の上に来るまで(訳注:ルールごと)リートを回す。
    すると黄緯で南側に3度のところにある木星は、双魚宮14度で昇ることが分かる。

    And in this manner you may work with any meridional latitude, as I first said, save in Capricorn.
    And if you will play this craft with the arising of the moon, look you reckon well its course hour by hour; for it does not dwells in a degree of its longitude but a little while, as you well know; but nevertheless, if you reckon its very moving by your tables hour after hour,
    [you shall do well enough].

    最初に言ったように、磨羯宮のサイン以外の任意の南側の黄緯で、この方法が使えるだろう。
    そしてこの方法を月の上昇で試してみるときは、時間ごとの月の進行をよくよく確認する。
    知っての通り、月はその黄経にわずかな間しかとどまらないからである。
    だがしかし、天文表から時間ごとの正確な動きを計算すれば、
    (お前は十分上手くやるだろう)。

Explicit tractatus de Conclusionibus Astrolabii, compilatus per Galfridum Chauciers ad Filium suum Lodewicum, scolarem tunc temporis Oxonie, ac sub tutela illius nobilissimi philosophi Magistri N. Strode, etc.

偉大なる哲学教授N.ストローデその他の指導の元で、当時オックスフォードの学舎の生徒であった息子ルイスのため、ジェフリー・チョーサーによって編集されたアストロラーベ使用法ハンドブック。

補足資料

SUPPLEMENTARY PROPOSITIONS.
  1. 正接の目盛り(Umbra Recta
    Umbra Recta.
    If it is so that you will work by umbra recta, and you may come to the base of the tower, in this manner you shall work.
    Take the altitude of the tower by both holes, so that your rule lay even in a point.
    Example as thus: I see through it at the point of 4; then I measure the space between me and the tower, and I find it 20 feet; then I behold how 4 is to 12, so right the space between you and the tower is to the altitude of the tower.
    For 4 is the third part of 12, so the space between you and the tower is the third part of the altitude of the tower; then three 20 feet is the height of the tower, with adding of your own person to your eye.
    And this rule is so general in umbra recta, from the point of one to 12.

    正接の目盛り(Umbra Recta、訳注:横の目盛り)を使うには、塔の根元まで行けるのならば、この方法で使えるだろう。
    アリダードが目盛りのところに来るように、両方の穴を使って塔の高度を取る。
    例えば、4の目盛りのところから塔を見る(訳注:アリダードを正接の目盛りの4に合わせ、その位置のアリダードの2つの穴から塔の先端が覗ける地点まで行く)。
    それから自分と塔の間を測ると、20フィートであった。
    すると4:12の割合はまさに、「自分と塔との間の距離」:「求める高さ」の割合になる。
    4は12の3分の1なので、自分と塔の間の距離は求める高さの3分の1である。
    ということは20フィートの3倍に自分の目の高さを足したものが塔の高さである。
    これが正接の1から12までの目盛りの一般的な使い方である。

    And if your rule fall upon 5, then 5 12-parts of the height is the space between you and the tower; with adding of your own height.

    もしアリダードが5の目盛りに来るならば、自分と塔の間の距離は求める高さの12分の5であり、求めた高さに自分の身長を加える。

  2. 余接の目盛り(Umbra Versa
    Umbra Versa.
    Another manner of working, by umbra versa.
    If so is that you may not come to the base of the tower, I see it through the number of 1; I set a prick there at my foot; then I near to the tower, and I see it through at the point of 2, and there I set another prick; and I behold how 1 has it to 12, and there I find that it has that twelve times; then behold I how 2 has it to 12, and you shall find that six times; then you shall find that as 12 above 6 is the number of 6, the space between your two pricks is right so the space of 6 times your altitude.
    And note, that at the first altitude of 1, you set a prick; and afterward, when you see it at 2, there you set another prick; then you find between two pricks 60 feet; then you shall find that 10 is the 6 part of 60.
    And then 10 feet is the altitude of the tower.

    余接の目盛り(Umbra Versa、訳注:縦の目盛り)を使う別の方法。
    もし塔の根元に行けなければ、(訳注:余接の)1の目盛りで塔を見る(訳注:アリダードを余接の目盛りの1に合わせ、その位置のアリダードの2つの穴から塔の先端が覗ける地点まで行く)。
    そして足元に印をつける。
    それから、塔に近づき、(訳注:余接の)2の目盛りで塔を見て、別の印を(訳注:足元に)つける。
    さて、12に対して1(訳注:の目盛りに当たる位置)の長さを見ると、その長さは(訳注:求める高さの)12倍である。
    そして12に対して2(訳注:の目盛りに当たる位置)の長さを見ると、その長さは(訳注:求める高さの)6倍である。
    すると12(訳注:12倍)から6(訳注:6倍)を引くと6(訳注:6倍)なので、2つの印の間の距離は求める高さのまさに6倍ということになる。
    最初に、1の目盛りのところ(訳注:1の目盛りに合わせたアリダードの2つの穴から塔の先端が見えたところ)に、印をつけたことを思い出せ。
    その後に、2の目盛りから見えたところ(訳注:2の目盛りに合わせたアリダードの2つの穴から塔の先端が見えたところ)にも、別の印をつけた。
    そして、2つの印の間が60フィートであることが分かった。
    すると、60の6分の1は10だということが分かる。
    つまり塔の高さは10フィートである。

    For other points, if it fill in umbra versa, as thus: I set case it fill upon 2, and at the second upon 3; then you shall find that 2 is 6 parts of 12; and 3 is 4 parts of 12; then 6 passes 4, by number of 2; so the space between two pricks is twice the height of the tower.
    And if the difference were three, then it should be three times; and thus you may work from 2 to 12; and if it is 4, 4 times; or 5, 5 times; et sic de ceteris.

    余接の目盛りの別の点については、次のことが言える。
    2の目盛りと3の目盛りを使う場合である。
    2は12の6分の1で、3は12の4分の1である。
    6から4を引くと2なので、2つの印の間の距離は塔の高さの2倍である。
    差が3であれば3倍であるということだ。
    2から12までの目盛りはこのようにして使う。
    4ならば4倍、5ならば5倍、残りも同様である。

  3. 正接の目盛り(Umbra Recta)の別の使い方
    Umbra Recta.
    Another manner of working by umbra recta.
    If it is so that you may not come to the base of the tower, in this manner you shall work.
    Set your rule upon 1 till you see the altitude, and set at your foot a prick.
    Then set your rule upon 2, and behold what is the difference between 1 and 2, and you shall find that it is 1.
    Then measure the space between two pricks, and that is the 12 part of the altitude of the tower.
    And if there were 2, it were the 6 part; and if there were 3, the 4 part; et sic deinceps.
    And note, if it were 5, it were the 5 part of 12; and 7, 7 part of 12; and note, at the altitude of your conclusion, add the stature of your height to your eye.

    正接の目盛りを使う別の方法。
    もし塔の根元に行けなければ、この方法を使う。
    アリダードを(訳注:正接の)1の目盛りに合わせて高度を取り、足元に印をつける。
    そしてアリダードを(訳注:正接の)2の目盛りに合わせ(訳注:塔から離れて行って高度を取り、その足元に印をつけて)、1と2の差を取ると1である。
    そこで2つの印の間を測ると、それが求める高さの12分の1である。
    もし(訳注:目盛りの差が)2であれば、(訳注:求める高さの)6分の1である。
    もし(訳注:目盛りの差が)3であれば、(訳注:求める高さの)4分の1、以下同様である。
    気をつけるのは、もし(訳注:目盛りの差が)5なら(訳注:求める高さの)12分の5であり、(訳注:目盛りの差が)7なら(訳注:求める高さの)12分の7であることだ。
    こうして求めた高さに、自分の目の高さを加える。

  4. 任意の惑星の平均運動と引数(訳注:推定位置)を知る別のやり方
    それぞれの惑星の年ごと、日ごと、時間ごと、もっと小さい単位での時間ごとの平均運動と引数を知る
    Another manner conclusion, to know the mean motion and the argument of any planet.
    To know the mean motion and the argument of every planet from year to year, from day to day, from hour to hour, and from small infinite fractions.
    [Ad cognoscendum medios motus et argumenta de hora in horam cuiuslibet planete, de anno in annum, de die in diem.]

    In this manner you shall work: consider your root first, the which is made the beginning of the tables from the year of our lord 1397, and enter it into your slate for the last midday of December; and then consider the year of our lord, what is the date, and behold whether your date be more or less than the year 1397.
    And if it is so that it is more, look how many years it passes, and with so many enter into your tables in the first line there as is written anni collecti et expansi.
    And look where the same planet is written in the head of your table, and then look what you find in direct of the same year of our lord which is passed, by it 8, or 9, or 10, or what number that ever it is, till the time that you come to 20, or 40, or 60.
    And write that you find in direct in your slate under your root, and add it together, and that is your mean motion, for the last meridian of the December, for the same year which that you has purposed.

    次の方法で使う。
    最初に1397年の天文表の冒頭から「基準位置(訳注:原文では「根」)」を定め、それを12月末日の正午の位置としてメモする。
    それから求める日付と西暦を決めて、その日が1397年より前か後かを確認する。
    1397年以降であれば、何年経過しているかを確認し、最初の行に「anni collecti et expansi(訳注:短期・長期年表)」と書かれている表を参照する。
    そして表の見出しから求める惑星について書かれた欄を見て、8年先、9年先、10年先、あるいは20年先、40年先、60年先など、求める西暦に当たる欄を探す。
    そしてその欄に書かれた値を、メモした基準位置の下の欄に書き込み、基準位置に足し合わせると、それが求める年の12月末日正午の平均運動となる。

    And if it is so that it passes 20, consider well that from 1 to 20 are anni expansi, and from 20 to 3000 are anni collecti; and if your number passes 20, then take that you find in direct of 20, and if it is more, as 6 or 18, then take that you find in direct thereof, that is to say, signs, degrees, minutes, and seconds, and add together unto your root; and thus to make roots; and note, that if it is so that the year of our lord is less than the root, which is the year of our lord 1397, then you shall write in the same way first your root in your slate, and after enter into your table in the same year that is less, as I taught before; and then consider how many signs, degrees, minutes, and seconds your entering contains.
    And so that is there are 2 entries, then add them together, and after withdraw it from the root, the year of our lord 1397; and the reminder that leaves is your mean motion from the last midday of December, the which you have purposed; and if it so is that you will know your mean motion for any day, or for any fraction of day, in this manner you shall work.

    20年後以降について出すときは、1年後から20年後までについては「anni expansi(訳注:短期年表)」に、20年後から3000年後までについては「anni collecti(訳注:長期年表)」に書かれていることに注意する。
    求める日付が20年後を超えるときは、まず20年後の欄にある値を取り、そこからさらに6年後や18年後などであればその欄にある値、つまりサイン・度・分・秒を調べ、これを基準位置に足し合わせ、そしてそれを新たな基準位置とする。
    もし求める日の西暦が基準位置つまり1397年より前の時は、同じように最初に基準位置をメモし、そして1397年までの期間を先に教えたように表から探し、その間にどれだけのサイン・度・分・秒が含まれるかを確認する。
    そうして出した2つの値を合わせ、1397年の基準位置から差し引くと、その残りが求める年の12月末日正午の平均運動である。
    さらに任意の日時の平均運動を知りたい時は、次の方法を使う。

    Make your root from the last day of December in the manner as I have taught, and afterward behold how many months, days, and hours are passed from the midday of December, and with that enter with the last month that is full passed, and take that you find in direct of it, and write it in your slate; and enter with as many days as is more, and write that you find in direct of the same planet that you work for; and in the same way in the table of hours, for hours that are passed, and add all these to your root; and the reminder is the mean motion for the same day and the same hour.

    先に教えた方法で出した12月末日の位置を基準位置として、その日の正午からどれだけの月、日、時間が経過したかを確認する。
    それから完全に過ぎた最後の月を確認し、(訳注:表から)その部分にあたる欄を探し、その値をメモする。
    日についても同じように、その行で目的の惑星にあたる値をメモする。
    時間の表についても同様に、何時間が経過しているかを見て、そしてこれらを全て基準位置に足し合わせる。
    するとその足し合わせた結果が求める日時の平均運動である。

  5. 平均運動を知る別の方法
    Another manner to know the mean motion.
    When you will make the mean motion of any planet to be by Arsechieles' tables, take your root, the which is for the year of our lord 1397; and if so is that your year is passed the date, write that date, and then write the number of the years.
    Then withdraw the years out of the years that are passed that root.

    ザルカーリーの表(訳注:トレド天文表)から任意の惑星の平均運動を割り出すときは、西暦1397年を基準位置とする。
    もし求める年が基準位置を過ぎていたら、その日付をメモし、求める西暦をメモする。
    そして基準位置を過ぎた年から、基準位置の年を差し引く。

    Example as thus: the year of our lord 1400, I would know, precise, my root; then I wrote first 1400.
    And under that number I wrote a 1397; then I withdraw the last number out of that, and then I found the residue was 3 year; I knew that 3 year was passed from the root, the which was written in my tables.
    Then afterward I sought in my tables the annis collectis et expansis, and among my expanse years I found 3 year.
    Then I took all the signs, degrees, and minutes, that I found direct under the same planet that I worked for, and wrote so many signs, degrees, and minutes in my slate, and afterward I added to signs, degrees, minutes, and seconds, the which I found in my root the year of our lord 1397; and kept the residue; and then I had the mean motion for the last day of December.

    例えば次の通りである。
    西暦1400年の基準位置を正確に知りたいとする。
    そこで最初に1400とメモする。
    その下に1397とメモする。
    そして1400から1397を引くと、残りは3年である。
    基準日から3年が経過していることが分かり、それ(訳注:3年後の平均運動)は天文表に記載されている。
    その後、天文表の「annis collectis et expansis(長期・短期年表)」を見て、短期年表から3年後の箇所を見つける。
    調べたい惑星の欄の下にあるサイン・度数・分数を全て確認して、これらのサイン・度数・分数をメモし、それから西暦1397年の基準位置のサイン・度数・分数・秒数に足し合わせる。
    そしてその結果を出すと、12月末日の平均運動が得られる。

    And if you would know the mean motion of any planet in March, April, or May, other in any other time or month of the year, look how many months and days are passed from the last day of December, the year of our lord 1400; and so with months and days enter into your table there you find your mean motion written in months and days, and take all the signs, degrees, minutes, and seconds that you find written in direct of your months, and add to signs, degrees, minutes, and seconds that you find with your root the year of our lord 1400, and the residue that leaves is the mean motion for that same day.

    そして、任意の惑星の3月、4月、5月など、1年の他の時期や月の平均運動を知りたいときは、どれだけの月数と日数が、西暦1400年の12月末日から経過したかを見る。
    そして、月と日の平均運動について書かれた表にその月数と日数を代入し、求める月の欄に書かれた全てのサイン・度数・分数・秒数を確認して、西暦1400年の基準位置として出したサイン・度数・分数・秒数に足し合わせると、その結果が求める日の平均運動となる。

    And note, if it is so that you would know the mean motion in any year that is less than your root, withdraw the number of so many years as it is less than the year of our lord a 1397, and keep the residue; and so many years, months, and days enter into your tables of your mean motion.
    And take all the signs, degrees, and minutes, and seconds, that you find in direct of all the years, months, and days, and write them in your slate; and above that number write the signs, degrees, minutes, and seconds, the which you find with your root the year of our lord a 1397; and withdraw all the lower signs and degrees from the signs and degrees, minutes, and seconds of other signs with your root; and your residue that leaves is your mean motion for that day.

    もし基準位置より前の年の平均運動を知りたいときは、西暦1397までの年数を引いて結果を出すことを覚えておけ。
    何年・何月・何日かを平均運動の表に代入する。
    全ての年・月・日の欄の中から(訳注:求める日に該当する)全てのサイン・度数・分数・秒数を確認し、それらをメモする。
    そしてそれらの上に西暦1397年の基準位置のサイン・度数・分数・秒数を書き込む。
    基準位置のサイン・度数・分数・秒数から、その下に書いた全てのサインと度数を差し引く。
    するとそのその残りが求める日の平均運動である。

  6. 昼や夜のどの時間に満潮や干潮になるかを知る
    For to know at what hour of the day, or of the night, shall be flood or ebb.
    First you know certainly, how that haven stands, that you lust to work for; that is to say in which place of the firmament the moon being, makes see full.
    Then you observe quickly in what degree of the zodiac that the moon at that time is in.
    Bring forth then the label, and set the point thereof in that same coast that the moon makes flood, and you set there the degree of the moon according with the edge of the label.
    Then afterward observe where is then the degree of the sun, at that time.
    Remove you then the label from the moon, and bring and set it justly upon the degree of the sun.
    And the point of the label shall then declare to you, at what hour of the day or of the night shall be flood.
    And there also you may know by the same point of the label, whether it is, at that same time, flood or ebb, or half flood, or quarter flood, or ebb, or half or quarter ebb; or else at what hour it was last, or shall be next by night or by day, then you shall know easily, &c.

    まず、調べたい港の状態を確認する。
    つまり月が天空のどこにあるか(訳注:月のある方位)によって、海の潮が満ちる。
    その時月がどの黄経にあるかを素早く観測する。
    そうしたらルールを動かし、その先端をこの海岸で月が満潮を起こす点(訳注:方位)に合わせ、(訳注:リートを動かして)ルールの縁を月の黄経に合わせる。
    その後、その時太陽がどの黄経にあるかを観測する。
    ルールを月(訳注:の黄経)から離し、太陽の黄経の度数に正確に合わせる。
    するとルールの先端は、昼や夜のどの時刻に満潮になるかを示している。
    同様にしてこのルールの先端で、半分の満潮か、4分の1の満潮か、干潮か、半分または4分の1の干潮かといった潮の満ち引きを同時に知ることができる。
    もしくは、それが何時間続くか、次の夜や昼になるのか、などといったことを簡単に知ることができる。

    Furthermore, if it is so that you happen to work for this matter about the time of the conjunction, the degree of the moon with the label bring forth to that coast as it is before said.
    But then you shall understand that you may not bring forth the label from the degree of the moon as you did before; because the sun is then in the same degree with the moon.
    And so you may know at that time by the point of the unremoved label the hour of the flood or of the ebb, as it is before said, &c.

    さらには、太陽と月が合のとき(訳注:新月のとき)にこの方法を行うと、ルールの月の黄経の位置がそのまま、その海岸での先に述べたようなこと(訳注:満潮や干潮などが起こる時刻)を示している。
    しかし、先に行ったのと同じようにはルールでは月の黄経を示せないかもしれないと理解せよ。
    というのは、この時太陽は月と同じ黄経の度数にあるからだ。
    だからこの時は、ルールの先を動かさずに満潮や干潮、その他先に述べたようなことの時刻を知ることができる。

    And evermore as you find the moon passes from the sun, so you remove the label then from the degree of the moon, and bring it to the degree of the sun.
    And you work then as you did before, &c.

    月が太陽を通り過ぎた時は(訳注:月が満ちていく時期)、ルールを月の黄経から動かし、太陽の黄経に合わせる。
    そして先に行ったように(訳注:潮の満ち引きの時刻を)調べる。

    Or else you know what hour it is that you are in, by your instrument.
    Then you bring forth from then the label and ley it upon the degree of the moon, and thereby you may know also when it was flood, or when it will be next, it is night or day; &c.

    あるいはこの器具でその時刻がわかる。
    ルールを動かして月の黄経に合わせると、それによりいつ満潮が起きていて、次の満潮がいつで、昼か夜になるのか、などがわかる。

    (訳注:この節は実質的には、その日の太陽と月の黄経の差および現在の太陽の黄経から、任意の時間の月の位置が割り出せるということを示しており、この方法で満潮・干潮の時刻を割り出せるかどうかは疑わしい)

[The following sections are spurious; they are numbered so as to show what propositions they repeat.]

(以下のセクションは疑わしい(訳注:正確な解説ではない)。重複する解説の番号を当てている)

  • 41a. 正接の目盛り(Umbra Recta)その2
    41a. Umbra Recta.
    If your rule fall upon the 8 point on right shadow, then make your figure of 8; then look how much space of feet is between you and the tower, and multiply that by 12, and when you have multiplied it, then divide it is the same number of 8, and keep the reminder; and add thereto up to your eye to the reminder, and that shall be the very height of the tower.
    And thus you may work on the same way, from 1 to 12.

    アリダードが右側の影の目盛りの8に来たときは、数字を8とする。
    そしてお前と塔との間の距離がどのくらいを見たら、その距離を12倍して、さっきの数字の8で割り、余りは取っておく。
    それからそこにお前の目の高さと余りを足せば、それがちょうど塔の高さとなる。
    1から12までの目盛りは同じようなやり方で使用する。

  • 41b. 正接の目盛り(Umbra Recta)その3
    41b. Umbra Recta.
    Another manner of working upon the same side.
    Look upon which point your rule falls when you see the top of the tower through two little holes; and measure then the space from your foot to the base of the tower; and right as the number of your point has itself to 12, right so the measure between you and the tower has itself to the height of the same tower.
    Example: I set case your rule fall upon 8; then 8 is two-third parts of 12; so the space is the two-third parts of the tower.

    同じ側(訳注:正接の目盛り)のもう一つの使い方。
    小さな穴を通して塔の先端を見たとき、アリダードがどの目盛りに来るかを見る。
    そして自分の足から塔の真下までの距離を測る
    「目盛りの値」:12の割合が、「自分とその塔の間の距離」:「塔の高さ」の割合になる。
    例えば、アリダードが8の目盛りに来たとすると、8は12の3分の2であるから、距離は塔の高さの3分の2である。

  • 42a. 余接の目盛り(Umbra Versa)その2
    42a. Umbra Versa.
    To know the height by your points of umbra versa.
    If your rule fall upon 3, when you see the top of the tower, set a prick there as your foot stand; and go near till you may see the same top at the point of 4, and set there another like prick.
    Then measure how many foot is between the two pricks, and add the length up to your eye thereto; and that shall be the height of the tower.
    And note, that 3 is [the] fourth part of 12, and 4 is the third part of 12.
    Now 4 passes the number of 3 is the distance of 1; therefore the same space, with your height to your eye, is the height of the tower.
    And if it is so that there is 2 or 3 distance in the numbers, so the mesures between the pricks should be two or three the height of the tower.

    余接の目盛りで高さを知る。
    塔の先端を見たときにアリダードが(余接の)3の目盛りにあったら、立っている足元に印をつけ、塔の先端が(余接の)4の目盛りで見えるところまで近づき、そこに別の印をつける。
    それから2つの印の間が何フィートあるかを測り、その長さに目の高さを加えると、それが塔の高さとなる。
    覚えておくべきは、3は12の4分の1であり、4は12の3分の1であるということだ。
    4から3を引いた差は1である。
    なのでその同じ距離に、目の高さを足したものが、塔の高さである。
    もし2もしくは3の差があるなら、印の間の距離は塔の高さの2倍もしくは3倍となるだろう。

  • 43a. 正接の目盛りで高度を知る別の方法より
    43a. Ad cognoscendum altitudinem alicuius rei per umbram rectam.
    To know the height of things, if you may not come to the base of a thing.
    Set your rule upon what you will, so that you may see the top of the thing through the two holes, and make a mark there your foot stands; and go near or farther, till you may see through another point, and mark there another mark.
    And look then what the difference is between the two points in the scale; and right as that difference has it to 12, right so the space between you and the two marks has it to the height of the thing.

    根元まで行けない目標物の高さを知る方法。
    任意の(訳注:正接の)目盛りにアリダードを合わせ、2つの穴から目標物の先端が見える場所まで行き、足元に印をつける。
    そして、別の(訳注:正接の)目盛りで(訳注:目盛りにアリダードを合わせ、2つの穴から目標物の先端が)見える場所まで、近づくか離れるかして、そこに別の印をつける。
    それから(訳注:アリダードを合わせた)2つの目盛りの差がいくつかを見る。
    その「目盛りの差」:12の割合は、ちょうど「自分と2つの印の間の距離」:「目標物の高さ」の割合になる。

    Example: I set case you see it through a point of 4; after, at the point of 3.
    Now the number of 4 passes the number of 3 is the difference of 1; and this difference 1 has right as itself to 12, right so the measure between the two marks has it to the height of the thing, putting to the height of yourself to your eye; and thus you may work from 1 to 12.

    例えば、まず(訳注:正接の)4の目盛りで(訳注:目的物の先端を)見て、それから3の目盛りで見たとする。
    さて、数の4と数の3の差は1である。
    するとこの「差の1」:12の割合は、「2つの印の間の距離」:「求める高さ」である。
    求めた高さに自分の目の高さを加える。
    このようにして1から12の目盛りを使う。

  • 42b. 余接の目盛りを使って
    42b. Per umbram versam.
    Furthermore, if you will know in umbra versa, by the craft of umbra recta, I suppose you take the altitude at the point of 4, and make a mark; and you go near till you have it at the point of 3, and than make you there another mark.
    Then you must divide 144 by each of the aforesaid points, as thus: if you divide 144 by 4, and the number that comes thereof shall be 36, and if you divide 144 by 3, and the number that comes thereof shall be 48, then look what the difference between 36 and 48 is, and there you shall find 12; and right as 12 has it to 12, right so the space between two pricks has it to the altitude of the thing.

    さらに、正接の目盛りと同じやり方で余接の目盛りを使うには、(訳注:余接の)3の目盛りで高度を取り、(訳注:足元に)印をつける。
    そしてそれから4の目盛りまで近づき(訳注:4の目盛りに合わせた時高度を取れるところ。原文では目盛りの3と4が逆になっている)、そこに別の印をつける。
    そして次のようにして、このそれぞれの目盛りの数で144を割る。
    144を4で割るとその数は36になり、144を3で割るとその数は48になって、36と48の差がいくつかを見ると12である。
    「この差の12」:12の割合が、「2つの印の間の距離」:「求める高さの割合」と同じになる。