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チョーサー「アストロラーベに関する論文(A Treatise on the Astrolabe)」和訳

「アストロラーベに関する論文」和訳

2018-06-28

ジェフリー・チョーサーの「アストロラーベに関する論文(A Treatise on the Astrolabe)」、翻訳したった!
文中から察するに1391年頃にまとめられたと思われる、英文では最古のアストロラーベ解説書です。

英語のアストロラーベ解説サイトではまず真っ先に「読んどけ」文献に上がっている文書です。
その割に、今の英語とは文法とか単語とか相当違うのに、ジェームス E. モリソンさんによる訳以外の現代英語訳を見ないんですが、あっちの人って古英語ってそのまま流し読みできるものなんでしょか…?
正直、モリソンの現代英語訳、読解の助けにはなるけど、なかなか盛大な意訳でツッコミどころも多いんで、厳密な現代英語訳が欲しい人生だった…。

瀬野はいくら日本語でも鎌倉時代の古文となると流し読めないぞ!
さらに英語ともなりゃとてもじゃないけど流し読むなんぞ無理なんで、やっとこせっとこ日本語にしたよ!!
日本人ならやっぱ日本語で読まなきゃ頭に入んないもんね!!!


ここでは文献学者・ウォルター・ウィリアム・スキート(*1835〜†1912)が1872年に校訂したものを底本にしました。

序文に「この論文は5部からなる」と書かれてますが、2部までなのは仕様です。原文自体が2部までしか現存してません。現存してないどころか4部以降はそもそも書かれなかった可能性が高いようです。
さらに2部も写本によって項目の数がバラバラで、校訂したスキートは40項までは確実にチョーサーが書いたものとみています。そこでスキートは40項までを第2部とし、それ以降を補足資料として章立ててます。

なお、対訳で掲載するのがうちのいつものスタイルですが、うち別に中英語の研究サイトじゃないのと、現代英語との対訳ならいざ知らずそのまま日本語と対訳したんじゃ意味不明にもほどがあるんで、ここでは原文から単語や語順などをGoogle翻訳が通る程度に現代英語に置き換えた文面を対訳として載せます。
本当にほんとの原文はWikisourceとかProject Gutenbergとかを当たってください。

「アストロラーベに関する論文」目次

「アストロラーベに関する論文」・和訳

Geoffrey Chaucer,

A Treatise on the Astrolabe.

アストロラーベに関する論文

PROLOGUE.

序文

Little Lowis my son, I have perceived well by certain evidences your ability to learn sciences touching numbers and proportions; and as well I consider your busy preyer in special to learn the Treatise of the Astrolabe.
Then, for as mach as a philosopher says, "he wraps him in his frend, that condescends to the rightful preyers of his frend," therefore I have given you a sufficient Astrolabe as for our horizon, compounded after the latitude of Oxford; upon which, by mediation of this little treatise, I purpose to teach you a certain number of conclusions appertaining to the same instrument.

小さなルイス、我が息子よ、お前にはもう数や比率といった学問を学ぶ力が確かにあることを知った。
そしてお前がアストロラーベの論文を学びたいとたびたび願っていることも知った。
そこで、ある哲学者が「人は他者の正当な願いを親切に扱う者を友とみなす」と語ったように、私はお前に、ここオックスフォードの緯度用に設計された、この土地できちんと使えるアストロラーベを与え、このささやかな論文で、お前にこの器具のまとまった使い方を教えよう。

(訳注:チョーサーにルイスという名の息子がいたかについて確実な記録はない。ルイスとはチョーサーの長男トマスのことであるとする説や、チョーサーの友人の息子ルイス・クリフォードであるとする説などがある。ルイス・クリフォードはチョーサーが名付け親(代父)であった可能性があり、1391年10月に亡くなっている)

I say a certain of conclusions, for three causes.
The first cause is this: trust well that all the conclusions that have been found, or else possibly might be found in so noble an instrument as an Astrolabe, are unknown perfectly to any mortal man in this region, as I suppose.
Another cause is this; that truly, in any treatises of the Astrolabe that I have seen, there is some conclusions that will not in all things perform their behests; and some of them are to hard to your tender age of ten year to conceive.

私が使い方をまとめるのには、3つの理由がある。
最初の理由は、アストロラーベというこの素晴らしい器具で今までに判明している使い方や可能性のある使い方は、この地域の人には完全には理解されていないということ。
もう一つの理由は、私がこれまで読んできたアストロラーベの論文にあった使い方のいくつかは、まるで用をなさなかったこと。
そして、これらの本をお前のような10歳の幼い子供が理解するのは難しいということだ。

This treatise, divided in five parts, I will show you under full light rules and naked words in English; for you can not yet Latin but little, my little son.
But nevertheless, these true conclusions in English suffice to you, as well as these same conclusions in Greek suffice to these noble scholars Greekes, and to Arabians in Arabic, and to Jews in Hebrew, and to the Latin folk in Latin; which Latin folk have them first out of other diverse languages, and written in their own tongue, that is to say, in Latin.
And god knows, that in all these languages, and in many more, these conclusions have been sufficiently learned and taught, and yet by diverse rules, right as diverse paths lead diverse folk the right wey to Rome.

この論文は5部からなるが、私はこれをお前のために、とても簡単な方法で素朴な単語の英語で書こう。
なぜなら息子よ、お前はまだ幼いのでラテン語を読めないからだ。
しかし、ギリシャ語で書かれた正しい使い方がギリシャの立派な学者たちに、アラビア語のものがアラブ人たちに、ヘブライ語のものがユダヤ人たち、そしてラテン語のものがラテン語を使う人々にとって十分役に立つように、英語で書かれた同じ内容の正しい使い方はお前にとって十分訳に立つものだ。
ラテン語を使う人々だってまず他のいろいろな言語で理解したことを、自分たちの言語、つまりラテン語に書きなおしたのだ。
様々な道が様々な人を正しくローマへ導くように、これら全ての言語、さらにもっと別の言語でも、これらの使い方が色々な方法で十分に学ばれ教えられることを、神はご存知だ。

Now I will prey meekly every discreet person that reads or hears this little treatise, to have my rude composing for excused, and my superfluity of words, for two causes.
The first cause is, for that curious composing and hard sentence is full heavy at once for such a child to learn.
And the second cause is this, that seems truly me better to write unto a child twice a good sentence, than he forget it once.

さて、このささやかな論文を読んだり聞いたりする分別のある読者たちには、私の雑な構成とくどい言葉使いを、次の2つの理由からどうか大目に見てほしい。
1つ目の理由は、物々しい構成や難しい文章は、子供が学ぶためには全く難しいのだ。
2つ目の理由は、子供にとっては1回読んで忘れてしまうより、2回良い文章を書いてやる方が良いと私は心底から思うのだ。

And Lowis, if so be that I show you in my light English as true conclusions touching this matter, and not only as true, but as many and as subtle conclusions as are showed in Latin in any common treatise of the Astrolabe, great me the more thank; and prey god save the king, that is lord of this language, and all that surely bears and obeys him, each in its degree, the more and the less.
But consider well, that I never claim to have found this work of my labor or of my skill.
I am not but a lewd compilator of the labor of old Astrologers, and have translated it in my English only for your doctrine; and with this sword I shall slay envy.

さあルイスよ、正しい使い方の教材として簡単な英語で書いたこの論文が、いままでのどの一般的なラテン語のアストロラーベの本より、正しいだけでなくたくさんの緻密な使い方を教えるものであったなら、ありがたく思いなさい。
そしてこの言葉の主である王と、その王にそれぞれの分に応じてきちんと仕え従う全ての者たちに、ご加護があるよう祈りなさい。
しかしよく覚えていてほしいのだが、私はこの仕事を自分の努力や技能で行ったなどと主張したりは決してしない。
私は、いにしえの占星学者たちの努力をいかがわしく寄せ集め、お前に教えるためだけに英語へと訳したのだ。
この宣言を剣として、私は妬みを退ける。

  1. (第1部:アストロラーベの部品)
    The first part of this treatise shall recount the figures and the members of your Astrolabe, because that you should have the greater knowing of your own instrument.

    この論文の第1部では、アストロラーベの形と部品について詳しく語る。
    なぜならお前はこの器具についてきちんと知っておくべきだからだ。

  2. (第2部:使用法)
    The second part shall teach you the very practical work of the aforesaid conclusions, as far forth and as narrow as, may be showed about in so small an portable instrument.
    For every astrologer know well that smallest fractions will not be shown in so small an instrument, as in subtle tables calculated for a cause.

    第2部では、この持ち運び可能な小さな器具でできる範囲の、ごく限られた、だがとても役に立つ使い方をお前に教える。
    というのは占星学者たちは皆、ある根拠によって算出された緻密な台であるこの小さな器具では、細かすぎる分数は表せないということをよく知っているのだ。

  3. (第3部:天文表・資料)
    The third part shall contain diverse tables of longitudes and latitudes of fixed stars for the Astrolabe, and tables of declinations of the sun, and tables of longitudes of cities and of towns; and as well for the governance of a clock as for to find the altitude meridian; and many another notable conclusion, after the calendars of the reverent clerks, frere I. Somer and frere N. Lenne.

    第3部では、アストロラーベのための恒星の経度緯度の表、太陽の傾きの表、都市や町の経度の表、子午線高度を見つけて時刻を管理するための表、その他敬虔なジョン・ソマー修道士とリンのニコラス修道士の天文年表を使った注目すべき使い方など、様々な表を掲載する。

    (訳注:ジョン・ソマーは14世紀後半に活動していた修道士で、チョーサーは彼の書いた「Kalendarium of John Somer」という天文年表を所持していた。
    リンのニコラス(1386〜1411に活躍)も、天文学(占星学)分野の研究で著名だったカルメル会の修道士。オックスフォードで活動していた)

  4. (第4部:天体の動き・月の動き)
    The fourth part shall be a theory to declare the moving of the celestial bodies with the causes.
    The which fourth part in special shall show a table of the very moving of the moon from hour to hour, every day and in every sign, after your almenak; upon which table there follows a canon, sufficient to teach as well the manner of the working of that same conclusion, as to know in our horizon with which degree of the zodiac that the moon arises in any latitude; and the arising of any planet after this latitude from the ecliptic line.

    第4部は、天体の動きをその原因と共に解き明かす理論である。
    特にこの第4部では、占星暦から、毎日毎時間ごとの月の動きの正確な表を掲載する。
    この表はある法則に基づいており、任意の緯度で月が地平線から昇るときにどの黄経にあるか知る方法を教えるのに差し支えがない。
    同じ使い方で、この緯度で任意の天体が黄道のどこから昇るかが分かる。

  5. (第5部:占星学入門)
    The fifth part shall be an introductory after the statute of our doctors, in which you may learn a great part of the general rules of theory in astrology.
    In which fifth part you shall find tables of equations of houses after the latitude of Oxford; and tables of dignities of planets, and other useful things, if god and his mother the maiden will vouchsafe, more than I promise, etc.

    第5部は、一般的な占星学理論で定義されていることの大部分を学ぶ、学問の課程に従った入門となるだろう。
    この第5部ではオックスフォードの緯度でハウスを割り出す方程式の表、惑星の品位の表、その他の便利なこと、…もし神と聖母の思し召しなれば約束以上のことも掲載する。

第1部

PART I.
Here begins the description of the Astrolabe.

これよりアストロラーベの説明を始める。

  1. (リング)
    Your Astrolabe has a ring to put on the thumb of your right hand in taking the height of things.
    And take keep, for from henceforth, I will call the height of any thing that is taken by your rule, the altitude, without more words.

    お前のアストロラーベには、物の高さを測るときに右手の親指を入れるリングがある。
    そしてこれから先は、お前がその定規で測った高さのことを「高度(the altitude)」と呼び、それ以外の言葉は使わない。

  2. (スローン)
    This ring runs in a manner swivel, fast to the mother of your Astrolabe, in so wide a space that it doesn't disturb the instrument to hang after its right center.

    このリングはスイベルを通り、器具の中心を差し障りなくまっすぐぶら下げられるような遊間を持って、アストロラーベの胴体にしっかりとつながっている。

  3. (胴体)
    The Mother of your Astrolabe is the thickest plate, pierced with a large hole, that receives in their womb the thin plates compound for diverse climates, and your rete shapes in manner of a net or of a web of a spider; and for the more declaration, lo here the figure.

    アストロラーベの胴体はとても厚い板でできていて、大きな穴が空いている。
    胴体のその大きな穴に、薄い板でできた何枚もの「ティンパン」(訳注:原文では「クライメータ」)と、蜘蛛の巣のような形をした「リート」が納められる。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:上記リンク先画像で、左上が胴体、右下の円盤がティンパン、中央上がリート。大英博物館所蔵の1326年製アストロラーベより)

  4. (北の線・南の線)
    This mother is divided on the back-half with a line, that comes descending from the ring down to the lowest border.
    The which line, from the aforesaid ring unto the center of the large hole amid, is called the south line, or else the line meridional.
    And the rest of this line down to the border is called the north line, or else the line of midnight.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    アストロラーベの胴体の裏側は、リングから下の縁まで引かれた線で分けられる。
    今述べたリングから中央の大きな穴の中心へと引かれた線は「南の線」または「子午線」と呼ばれる。
    この線の下の縁までの残りの部分は「北の線」または「真夜中の線」と呼ばれる。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:説明は裏面から始まる)

  5. (東の線・西の線)
    Across this aforesaid long line, there crosses that another line of the same length from east to west.
    Of the which line, from a little cross + in the border unto the center of the large hole, is called the East line, or else the line Orientale; and the remnant of this line from the aforesaid + unto the border, is called the West line, or the line Occidentale.
    Now you have divided here the four quarters of your Astrolabe, after the four principal regions or quarters of the firmament.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    さっき述べた長い線を横切って、東から西まで同じ長さの別の線が交差する。
    その線のうち、縁の小さな十字から中央の大きな穴の中心へと引かれた線は「東の線」または「東方線」と呼ばれる。
    そして今述べたこの線の残りの縁の十字までの部分は「西の線」または「西方線」と呼ばれる。
    さてこれで、天空を4等分した4つの主要な領域に従って、アストロラーベを4つに等分した訳だ。
    より詳しくは図で示す。

  6. (アストロラーベの右左と東西)
    The east side of your Astrolabe is called the right side, and the west side is called the left side.
    Do not Forget this, little Lowis.
    Put the ring of your Astrolabe upon the thumb of your right hand, and then its right side will be toward your left side, and its left side will be toward your right side; take this rule general, as well on the back as on the womb-side.
    Upon the end of this east line, as I first said, is marked a little +, whereas everemore generaly is considered the entering of the first degree in which the sun arises.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    アストロラーベの東側は「右」、西側は「左」と呼ばれる。
    このことを忘れるな、小さなルイスよ。
    お前の右手の親指をアストロラーベのリングに置くと、「アストロラーベの右」は向かって左側に、「アストロラーベの左」は向かって右側となる。
    これは裏面だけでなく大きな穴のある側の表面でも、いつもの決まりとする。
    最初に言ったように「東の線」の端には小さな十字の印があるが、ここは常にいつも、太陽が昇る最初の度数(訳注:東の地平線上で太陽が昇る地点。占星術で言う「アセンダント」)とみなされる。
    より詳しくは図で示す。

  7. (裏面・外周の目盛り)
    From this little + up to the end of the line meridional, under the ring, you shall find the border divided with 90 degrees; and by that same proportion every quarter of your Astrolabe is divided.
    Over the which degrees there are numbers of algorism, that divide that same degrees from five to five, as shows by long strokes between.
    Of which long strokes the space between contains a mile-way.
    And every degree of the border contains four minutes, that is to say, minutes of an hour.
    And for more declaration, lo here the figure.

    この小さな十字からリングの下の「南の線」の端まで、縁が90度に目盛りを振られているのが分かるだろう。
    アストロラーベの各4分の1の領域にそれぞれ同じ割合で目盛りが振られている。
    その目盛りの外に算用数字が書かれており、同じ目盛りが長いストロークで5度ずつに分けられている。
    この長いストローク同士の間には、1マイルの距離を歩く時間(訳注:20分)が含まれる。
    縁の角度の1度が表す時間は4分、この場合の「分」とはつまり(訳注:角度の単位の分ではなく)時間の単位の分である。
    より詳しくは図で示す。

  8. (黄経の目盛り)
    Under the compass of that degrees the names of the Twelve Sign is writen, as Aries, Taurus, Gemini, Cancer, Leo, Virgo, Libra, Scorpio, Sagittarius, Capricornus, Aquarius, Pisces; and the numbers of the degrees of those signs are writen in algorism above, and with long divisions, from five to five; divided from time that the sign enters unto the last end.
    But understand well, that these degrees of signs are each of them considered of 60 minutes, and every minute of 60 secondes, and so forth into small fractions infinit, as Alkabucius says.
    And therefore, know well, that a degree of the border contains four minutes, and a degree of a sign contains 60 minutes, and have this in mind.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    目盛りの書かれた円の内側に、「白羊宮(Aries)」「金牛宮(Taurus)」「双児宮(Gemini)」「巨蟹宮(Cancer)」「獅子宮(Leo)」「処女宮(Virgo)」「天秤宮(Libra)」「天蠍宮(Scorpio)」「人馬宮(Sagittarius)」「磨羯宮(Capricornus)」「宝瓶宮(Aquarius)」「双魚宮(Pisces)」と、黄道十二宮のサインの名前が書かれており、その外側には算用数字でサインの度数と、5度ずつに分ける長い区切りが書かれている。
    サインの始まりから終わりまでの期間がこの長い区切りで分けられている。
    だが、これらのサインの目盛りはそれぞれが(訳注:黄経の角度の)60分を表し、1分は60秒であるが、アル=カビーシーの言うように、同じようにもっと際限なく小さく分けられることを、よく理解せよ。
    それなので、縁の目盛りの1度は(訳注:時間の)4分で、サインの目盛りの1度は(訳注:角度の)60分だ。
    これをよく覚えておくように。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:アル・カビーシー(〜†967)はイスラム圏スペインで活躍した占星術師。ヨーロッパでは「アルカビティウス」の名で知られていた。彼の書いた「星辰の判定術の手引き」は当時ヨーロッパで高く評価されていた)

  9. (一年の日付の目盛り)
    Next this follows the Circle of the Days, that is figured in manner of degrees, that contains in number 365; divided also with long strokes from five to five, and the numbers in algorism written under that circle.
    And for more declaration, lo here your figure.

    この次に、度数と同じように365個の目盛りを振られた日付の円が続く。
    この円もまた長いストロークで5目盛りずつに分けられ、円の内側には算用数字が書かれている。
    より詳しくは図で示す。

  10. (一年の月の暦)
    Next the Circle of the Days, follows the Circle of the names of the Months; that is to say, Januarius, Februarius, Martius, Aprilis, Maius, Junius, Julius, Augustus, September, October, November, December.
    The names of these months were called in Arabians, some for their properties, and some by decrees of lords, some by other lords of Rome.
    Moreover of these months, as liked to Julius Caesar and to Caesar Augustus, some were compound of diverse numbers of days, as July and August.
    Then January has 31 days, February 28, March 31, April 30, May 31, June 30, July 31, August 31, September 30, October 31, November 30, December 31.
    Nevertheless, although that Julius Caesar took 2 days out of February and put them in his month of July, and Augustus Caesar called the month of August after his name, and ordered it of 31 days, yet trust well, that the sun dwells therefore never the more nor less in one sign than in another.

    日付の円の次に、月の名前の円が続く。
    つまり、「1月(Januarius)」「2月(Februarius)」「3月(Martius)」「4月(Aprilis)」「5月(Maius)」「6月(Junius)」「7月(Julius)」「8月(Augustus)」「9月(September)」「10月(October)」「11月(November)」「12月(December)」だ。
    これらの月の名前は、アラビア語や、いくつかはその月の性質、あるいは主君の命令、その他のローマの君主などから付けられた。
    さらにこれらの月は、ユリウス・カエサルカエサル・アウグストゥスが7月や8月にしたように、いろいろな日数から成り立った。
    それで1月は31日、2月は28日、3月は31日、4月は30日、5月は31日、6月は30日、7月は31日、8月は31日、9月は30日、10月は31日、11月は30日、12月は31日ある。
    ユリウス・カエサルは2月から2日を取って自分の月である7月に付け足し、カエサル・アウグストゥスは8月に自分の名前をつけて日数も31日にするよう要求したが、それでも、太陽が1つのサインに滞在する期間は、他のサインより決して長くも短くもないことは確かだ。

    (訳注:ここに書かれたのはユリウス暦への改暦についての話だが、今では正確ではないと考察されている。最後の「太陽が12サインそれぞれに均等な期間滞在する」という説明だけは正しい)

  11. (聖人暦)
    Then the names of the Holidays in the Calendar follow, and next them the letters of the A, B, C, ... on which they follow.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    それから聖人暦の祝日の名前が続き、その次にアルファベットの文字(訳注:ドミニカル・レター。元旦をA曜日としたとき、その年の任意の日の曜日をA~Gで表したもの)が続く。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:スキートによる校訂版の図での聖人暦は、1/25 聖パウロの回心、2/2 主の奉献、3/25 受胎告知、5/3 聖十字架発見の記念、6/24 洗礼者ヨハネの誕生、7/25 聖ヤコブ使徒、8/10 聖ラウレンチオ助祭殉教者、9/8 聖マリアの誕生、10/18 聖ルカ福音記者、11/11 ツールの聖マルチノ司教、12/21 聖トマス)

  12. (余接・正接の目盛り)
    Next the aforesaid Circle of the A,B,C,..., under the cross-line, the scale is marked, in manner of two squares, or else in manner of ladders, that serves by these 12 points and this divisions of full many a subtle conclusion.
    Of this aforesaid scale, from the cross-line unto the very angle, is called Umbra Versa, and the lower part is called the Umbra Recta, or else Umbra Extensa.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    今述べたアルファベットの円の次だが、交差した線の下部に、2個の正方形の形か、はしごのような形をした目盛りがある。
    この目盛りには12個の点があり、たくさんの緻密な使い方がある。
    この目盛りのうち、交差した線に垂直な目盛りは「余接(Umbra Versa、訳注:タンジェントの古名。直訳は「垂直の影」)」と呼ばれ、下部にある目盛りは「正接(Umbra Recta、訳注:コタンジェントの古名。直訳は「水平の影」)」または「Umbra Extensa(訳注:直訳は「伸びた影」)」と呼ばれる。
    より詳しくは図で示す。

  13. (アリダード)
    Then you have a broad Rule, that has on either end a square plates pierced with a certain holes, some more and some less, to receive the stream of the sun by day, and also by mediation of your eye, to know the altitude of stars by night.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    それから平らな「アリダード」(訳注:原文では「定規」)があって、その両端にはしっかりした穴の開いた正方形の板がついている。
    この穴は、片方は大きくてもう片方は小さく、日中は太陽の光を受け、あるいは夜は目視で星の高度を知るためにある。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:リンク先画像左下の、複雑な形状の細長い板がアリダード)

  14. (ポストとホース)
    Then there is a large Pin, in manner of an axis, that goes through the hole that halt the tables of the climates and the rete in the womb of the Mother, through which Pin there goes a little wedge which that is called "the horse," that strains all these parts together; this aforesaid great Pin, in manner of an axis, is imagined to be the Pole Arctic in your Astrolabe.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    そして、ティンパンとリートの板の穴を通って、胴体表の大きな穴に留めるための、軸の形をした「ポスト」(訳注:原文では「大きなピン」)がある。
    「ホース」と呼ばれる小さな楔が、ポストを通って全ての部品を一つに固定する。
    今述べた軸となるポストはアストロラーベの北極と見なされる。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:リンク先画像の、左一番下の大きなビス状のものがポスト、右上の細い棒状のものがホース。
    胴体にティンパンとリートをはめ、ポストとホースで留めるとこの写真のようになる)

  15. (表面)
    The womb-side of your Astrolabe is also divided with a long cross in four quarters from east to west, from south to north, from right side to left side, as the back-side is.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    アストロラーベの表面も、裏面と同じように、東から西へ、南から北へ、右から左へ、長い十字で4等分されている。
    より詳しくは図で示す。

  16. (表面・外周の目盛り)
    The border of which womb-side is divided from the point of the east line unto the point of the south line under the ring, in 90 degres; and by that same proportion is every quarter divided as the back-side is, that amounts 360 degrees.
    And understand well, that degrees of this border are answering and concentric to the degrees of the Equinoctial, that is divided in the same number as every other circle is in the high heaven.
    This same border is divided also with 23 letters capitals and a small cross + above the south line, that show the 24 hours equals of the clock; and, as I have said, 5 of these degrees makes a mile-way, and 3 mile-way makes an hour.
    And every degree of this border contains 4 minutes, and every minute 60 seconds; now have I told you twice.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    表側の縁は、「東の線」のところからリングの下の「南の線」のところまで、90度に目盛りが振られている。
    裏面と同じように、それぞれの4分の1の部分も同じ割合で目盛りが振られており、合計は360度である。
    よく理解せよ。縁の目盛りは天の赤道の経度に同じ中心で対応している。
    高い空を表すその他の円も全て天の赤道と同じように同じ数の目盛りが振られている。
    この縁はまた、23個の大文字と「南の線」上の小さな十字で分割されており、時計と同じ24時間を表している。
    そして前に言ったように、この目盛りの5度が1マイルの距離を歩く時間(訳注:20分)で、3マイルの距離を行く時間は1時間だ。
    この縁の目盛りの1度が表す時間は4分、そして1分は60秒だ。大事なことなので2回言った。
    より詳しくは図で示す。

  17. (北回帰線・天の赤道・南回帰線)
    The plate under your rete is described with 3 principal circles; of which the least is called the circle of Cancer, because that the head of Cancer turns evermore concentric upon the same circle.
    In this head of Cancer, declination northward of the sun is the greatest.
    And therefore it is called the Solstice of Summer; which declination, after Ptolemy, is 23 degrees and 50 minutes, as well in Cancer as in Capricorn.
    This sign of Cancer is called the Tropic of Summer, of tropos, that is to say "turning"; for then the sun begins to pass away from us.
    And for the more declaration, lo here the figure.

    リートの下のプレートには主要な円が3つ描かれている。
    そのうち最小の円は「巨蟹宮の円(訳注:北回帰線)」と呼ばれる。
    なぜなら巨蟹宮の始まりの点は常にこの円の上にあるからだ。
    この巨蟹宮の始まりの点では、太陽が北へ最大に傾く。
    だからここは「夏至点」と呼ばれ、プトレマイオスによればその傾きは23度50分で、磨羯宮でも同様だ。
    この巨蟹宮のサインは「夏の回帰線」と呼ばれ、troposつまり「転換点」を意味する。
    というのもここで太陽が我々から離れ始めるからだ。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:黄道傾斜角は年々変化する。国際天文学連合による2006年の定義では、現在の黄道傾斜角はおよそ23度26分である)

    The middle circle in wideness, of these 3, is called the Circle Equinoctial; upon which the heads of Aries and Libra turn evermore.
    And understand well, that evermore this Circle Equinoctial turns justly from very east to very west; as I have shown you in the sphere solid.
    This same circle is called also the Weigher, equator, of the day; for when the sun is in the heads of Aries and Libra, then the days and the nights are equal of length in all the world.
    And therefore these two signs are called the Equinoxes.
    And all that moves within the heads of these Aries and Libra, its moving is called northward; and all that moves without these heads, its moving is called southward as from the equinoctial.
    Take keep of these latitudes north and south, and do not forget it.
    By this Circle Equinoctial is considered the 24 hours of the clock; for evermore the arising of 15 degrees of the equinoctial makes an hour equal of the clock.

    3つのうち真ん中の大きさの円は「天の赤道の円」と呼ばれる。
    白羊宮と天秤宮の始まりの点は常にこの円の上を巡る。
    よく理解せよ。以前お前に天球儀で見せたように、この赤道の円は常に正確に真東から真西へと巡る。
    またこの円は「一日を量るもの」や「一日を等分するもの」とも呼ばれる。
    というのは、太陽が白羊宮の始まりや天秤宮の始まりにあるときは、全世界で昼と夜の長さが等しくなるからだ。
    だから、この2つのサインは「分点」と呼ばれる。
    (訳注:アストロラーベ上で)これら白羊宮の始まりの点と天秤宮の始まりの点の内側で起こる全ての動きは天の赤道からみて北側と呼ばれ、これらの点の外側で起こる全ての動きは天の赤道から見て南側と呼ばれる。
    この緯度の南北を頭に入れて、忘れることのないように。
    天の赤道で15度上昇するのにかかる時間は常に1時間なので、この「天の赤道の円」は時間の24時間であるとみなされる。

    This equinoctial is called the girdle of the first moving, or else of the angulus primi motus vel primi mobilis.
    And observe, that first moving is called "moving" of the first movable of the 8 sphere, which moving is from east to west, and after again into east; also it is called "girdle" of the first moving, for it departs the first movable, that is to say, the sphere, in two equal parts, even-distance from the poles of this world.

    この天の赤道は「原動天の帯域」または「angulus primi motus(プリムム・モビーレの領域)もしくは primi mobilis(プリムム・モビーレ)」と呼ばれる。
    そして「第8天球の原動力の『動き』」と呼ばれるこの原動天が、東から西そして再び東へと戻る形で動いていることをよく観察しなさい。
    また、天の赤道は、天の原動力つまり天球を、この世界の2つの極から均等な距離で2等分しているので、「原動天の『帯』」と呼ばれる。

    (訳注:当時は天動説が信じられており、世界は9層の天球からなると考えられていた。
    世界の中心にあるのが地球で、地球を包む最初の天球は月の軌道がある「月天」、月天を包む第2の天球は水星の軌道がある「水星天」である。同様に第3から第7の天球としてそれぞれ金星、太陽、火星、木星、土星の軌道がある「金星天」「太陽天」「火星天」「木星天」「土星天」がある。土星天を包む第8の天球として黄道十二宮や恒星がある「恒星天」があり(なおこの時代には天王星、海王星、冥王星などはまだ発見されていない)、さらに全天体の運行の原動力としてこれらの8つの天球を包む第9の天球「原動天(プリムム・モビーレ)」がある。
    この原動天とは、地動説での地球の自転を表現したものであると考えると、話を把握しやすいだろう)

    The widest of these three principal circles is called the Circle of Capricorn, because that the head of Capricorn turns evermore concentric upon the same circle.
    In the head of this aforesaid Capricorn is the greatest declination southward of the sun, and therefore it is called the Solstice of Winter.
    This sign of Capricorn is also called the Tropic of Winter, for then begins the sun to come again toward us.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    主要な円のうち最大の円は「磨羯宮の円(訳注:南回帰線)」と呼ばれる。
    なぜなら磨羯宮の始まりの点は常にこの円の上にあるからだ。
    この磨羯宮の始まりの点では太陽が南へ最大に傾く。
    そこでここは「冬至点」と呼ばれる。
    またこの磨羯宮のサインは「冬の回帰線」とも呼ばれる。
    というのもここで太陽が再び我々に近づき始めるからだ。
    より詳しくは図で示す。

  18. (等高度線)
    Upon this aforesaid plate is planned certain circles that is named Almucantars, of which some of them seems perfect circles, and some seems imperfect.
    The center that stands amid the narrowest circle is called the Zenith; and the lowest circle, or the first circle, is colled the Horizon, that is to say, the circle that divides the two hemispheres, that is, the part of the heaven above the earth and the part beneath.
    These Almucantars are composed by two and two, although so that on diverse Astrolabes some Almucantars are divided by one, and some by two, and some by three, after the quantity of the Astrolabe.
    This aforesaid zenith is imagined to be the very point over the crown of your head; and also this zenith is the very pole of the horizon in every region.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    さっき述べたこのプレートには「等高度線」と呼ばれる円がいくつも引かれている。
    これらの円のいくつかは完璧な円で、いくつかは不完全な円の形である。
    最も小さい円の中央にあるのが「天頂」で、最も下にある円または最初の円は「地平線」と呼ばれる。
    地平線は2つの半球、つまり地面から上の天の部分とその下の部分を分けている円である。
    これらの等高度線は2度ごとに描かれているが、他のアストロラーベの等高度線は1度ごと、あるいは2度ごと、他のものは3度ごとなど、アストロラーベの大きさに応じて引かれる。
    今述べた天頂は、お前の頭上のまさに最も高いところだと見なされる。
    またこの天頂はあらゆる場所の地平線において正確な極にあたる。
    より詳しくは図で示す。

  19. (方位角の線)
    From this zenith, as it seems, there come a manner crooked strokes like to the claws of a spider, or else like to the work of a woman's caul, in crossing across the Almucantars.
    And these same strokes or divisions are called Azimuths.
    And they divide the horizon of your Astrolabe in twenty four divisions.
    And these Azimuths serve to know the direction of the firmament, and to other conclusions, as for to know the cenyth of the sun and of every star.
    And for more declaration, lo here your figure.

    この天頂から、見ればわかるが、蜘蛛の足や女性のヘアネットのように曲がった線が伸びていて、等高度線を横切っている。
    この曲線もしくは分割線は「方位角」と呼ばれ、アストロラーベの地平線を24の区域に分ける。
    そしてこれらの方位角は、天空の方角を知ったり、その他太陽やあらゆる星の正中を知るといった使い方で使われる。
    より詳しくは図で示す。

  20. (不定時法の線)
    Next these azimuths, under the Circle of Cancer, there are twelve oblique divisions, much like to the shape of the azimuths, that show the spaces of the hours of planets; and for more declaration, lo here your figure.

    これらの方位角の次だが、巨蟹宮の円の下に、方位角によく似た形の、斜めに12個に区切られた部分がある。
    これらはプラネタリーアワーの領域を表している。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:プラネタリーアワーとは、日の出から日没までの時間と、日没から次の日の日の出までの時間をそれぞれ12等分し、そのそれぞれの区分を土星・木星・火星・太陽・水星・金星・月の7つの惑星が順番に守護するというものである。どこをどの惑星が守護するかはその日の曜日によって変化する。要は不定時法における1時間の区切りを示す線である)

  21. (リート・黄道帯・12サイン)
    The Rete of your Astrolabe with your zodiac, shapes in manner of a net or of a spider-web after the old description, which you may turn up and down as yourself like, contains certain number of fixed stars, with their determined longitudes and latitudes; if so be that the maker has not erred.
    The names of the stars are written in the margin of the rete there as they sits; of which stars the small point is called the Center.
    And understand also that all stars sitting within the zodiac of your Astrolabe are called "stars of the north," for they arise by north the east line.
    And all the rest fixed, out of the zodiac, are called "stars of the south;" but I do not say that they arise all by south the east line; witness on Aldebaran and Procyon.
    Generally understand this rule, that those stars that are called stars of the north arise sooner than the degree of their longitude, and all the stars of the south arise after the degree of their longitude; this is to say, fixed stars in your Astrolabe.
    The measure of this longitude of stars is taken in the ecliptic line of heaven, under which line, when that the sun and the moon are in an exact line or else in the immediate neighbourhood of this line, then is the eclipse of the sun or of the moon; as I shall declare, and eke the cause why.
    But truly the Ecliptic Line of your zodiac is the outermost border of your zodiac, there are marked the degrees.

    アストロラーベのリートは、十二宮環があり、昔からの記述によれば網や蜘蛛の巣のような形をしていて、好きなように回転させられる。
    リートには、製作者が間違えてなければ、いくつもの恒星がその定められた緯度と経度に配置されている。
    リート上の恒星の位置のそばの余白にはその星の名前が書かれており、恒星の位置にある小さな点はその星の「中心」と呼ばれる。
    そしてアストロラーベの十二宮環の内側にある恒星は、全て北東の線から昇るので、「北の星」と呼ばれることを理解せよ。
    十二宮環の外にある残り全ての恒星は「南の星」と呼ばれるが、アルデバラン(訳注:おうし座α星)やプロキオン(訳注:こいぬ座α星)がその証拠であるように、彼らの全てが東南の線から昇る訳ではないと言っておく。
    一般的に、アストロラーベ上で「北の星」と呼ばれる恒星たちはその経度(訳注:同じ黄経にある黄道の点)のよりも早くに昇り、全ての「南の星」は全てその経度よりも後から昇る、という規則があることを理解せよ。
    この恒星の経度の単位は天の黄道の線から取られている。
    黄道の下で、太陽と月が一直線に並ぶ(訳注:衝)か、すぐ隣に来る(訳注:合)と、日食や月食となるのだが、それがなぜ起こるかという説明と補足は後でする。
    ところでこの十二宮環では、真の黄道にあたる線は環の最も外側の縁であり、そこに(訳注:黄経の)目盛りが振られている。

    (訳注:「zodiac」の本来の訳語は「黄道帯」である。しかし黄道帯とは黄道の両側に8〜9度の幅を取った帯域を言う(この論文では両側に6度ずつとしている)。対してアストロラーベのリートでは黄道の南側には幅を取らないため、ここでは「リート上のzodiac」は「十二宮環」と訳した)

    Your Zodiac of your Astrolabe is shapes as a compass which that contains a large breadth, as after the quantity of your Astrolabe; in example that the zodiac in heaven is imagined to be a surface containing a latitude of twelve degrees, whereas all the rest of circles in the heaven is imagined very lines without any latitude.
    Amid this celestial zodiac a line is imagined, which that is called the Ecliptic Line, under which line is evermore the way of the sun.
    Thus there are six degrees of the zodiac on that on side of the line, and six degrees on that other.
    This zodiac is divided in twelve principal divisions, that divide the twelve signs.
    And, for the narrowness of your Astrolabe, then every small division is in a sign divided by two degrees and two; I mean degrees containing sixty minutes.

    アストロラーベの十二宮環は、そのアストロラーベの大きさに応じた幅を持った円形をしている。
    たとえば、天の残りの円(訳注:黄緯のことか)は全て幅を持たない全くの線とみなすが、天にある黄道帯は12度の幅を持った面とみなす。
    その黄道帯の中心に、常に太陽の道となる「黄道」と呼ばれる線があるとみなす。
    なのでその線の片側に6度の、もう片側にも6度の幅がある。
    この黄道帯は、黄道十二宮の12のサインそれぞれずつの12個の主要な部分に区切られている。
    さて、お前のアストロラーベは小さいので、それぞれのサインの区分は2度ごとに目盛りが振られている。この「度」は1度が60分の方の(訳注:角度の単位の)度である。

    And this aforesaid heavenly zodiac is called the Circle of the Signs, or the Circle of the Beasts; for zodia in language of Greek sounds "beasts" in Latin tongue; and in the zodiac is the twelve signs that have names of beasts; or else, for when the sun enters in any of the signs, it takes the property of such beasts; or else, for that the stars that are fixed there are disposed in signs of beasts, or shapes like beasts; or else, when the planets are under these signs, they cause us by their influence operations and effects like to the operations of beasts.
    And understand also, that when an hot planet comes into an hot sign, then increases its heat; and if a planet is cold, then lessens its coldness, because of the hotly sign.
    And by this conclusion you may take example in all the signs, are they moist or dry, or movable or fixed; reckoning the quality of the planet as I first said.
    And each of these twelve signs has respect to a certain part of the body of a man and has it in governance; as Aries has your heaed, and Taurus your neck and your throat, Gemini your armholes and your arms, and so forth; as shall be shown more crearly in the fifth part of this treatise.
    This zodiac, which that is part of the eighth sphere, across over the equinoctial; and it across it again in equal part; and that on half declines southward, and that other northward, as plainly declares the treatise of the sphere.
    And for more declaration, lo here your figure.

    ところで、ギリシャ語のzodiaはラテン語では「動物」という意味なので、今述べたこの天の黄道帯は「黄道十二宮の円」や「獣帯」と呼ばれる。
    この黄道帯の12のサインには動物の名前がつけられていて、いずれかのサインに入った太陽はその動物の性質を帯び、そのサインにある恒星はその動物のマークや動物の形に配置され、これらのサインに入った惑星はその動物の振る舞いのような影響や効果を我々に引き起こす。
    また、熱の性質を持つサインに熱の性質を持つ惑星が入るとその熱は増加し、冷の性質を持つ惑星が入るとサインの熱で惑星の冷は軽減されるということも理解せよ。
    湿・乾や活動・固定といった性質をもつ全てのサインで、いま言ったような惑星の性質の差し引きが行われる。
    そして、この論文の第5部でもっと明確に教えるが、これら12のサインは、白羊宮は頭、金牛宮は首と喉、双児宮はわきの下と腕など、それぞれ人間の体のある部分を守護し、支配している。
    黄道帯は第8天球にあって天の赤道を横切っており、そこからちょうど半分になるところでもう一回横切っている。
    天球に関する論文ではっきり説明されているように、黄道帯の半分は南側に傾いており、もう半分は北側に傾いている。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:黄道十二宮の12のサインや惑星が持つ性質とは、西洋占星術の基礎の話にあたる。12サインには「火(熱・乾)」「地(冷・乾)」「風(熱・湿)」「水(冷・湿)」の4区分による性格づけと、「活動」「固定」「柔軟」の3区分による性格づけがされている。惑星にも同様の性格が割り当てられている。これらは第5部で説明される予定だったと思われるが、この論文ではオミットされてしまうことになった)

  22. (ルール)
    Then you have a label, that is shape like a rule, save that it is narrow and has no plates on either end with holes; but, with the small point of the aforesaid label, you shall calculate your equations in the border of your Astrolabe, as by your almury.
    And for the more declaration, lo here your figure.

    それから「ルール」(訳注:原文では「ラベル」)がある。
    これはアリダードに似た形をしているが、幅が狭く、両端に穴の開いた板はつかない。
    だが今述べたラベルの細い先端と、アルムリを使って、アストロラーベの縁で方程式の計算ができる。
    より詳しくは図で示す。

  23. (アルムリ)
    Your Almury is called the Denticle of Capricorn, or else the Calculater.
    This same Almury sit fixed in the head of Capricorn, and it serves of many a necessary conclusion in equations of things, as shall be shown; and for the more declaration, lo here your figure.

    「アルムリ」は「山羊座の歯」または「計算器」と呼ばれる。
    このアルムリは磨羯宮の始まりのところに固定されており、これから教えるように、各種の方程式で必ず使う。
    より詳しくは図で示す。

ここでアストロラーベの説明は終わる。

第2部

PART II.
Here begin the Conclusions of the Astrolabe.

これよりアストロラーベの使い方を始める。

  1. 太陽の軌道からその日の太陽の黄経を求める
    To find the degree in which the sun is day by day, after its course about.
    Reckon and know which is the day of your month; and lay your rule up that same day; and then the very point of your rule will sit in the border, upon the degree of your sun.
    example as thus; the year of our lord 1391, the 12 day of March at midday, I would know the degree of the sun.
    I sought in the back side of my Astrolabe, and found the circle of the days, the which I know by the names of the months written under the same circle.
    Then I laid my rule over this aforesaid day, and the point of my rule in the border found upon the first degree of Aries, a little within the degree; and thus I know this conclusion.

    月と日を決め、(訳注:アストロラーベ裏面で)その日にアリダードをあてると、アリダードが縁の目盛りで指す点がちょうどその日の太陽の黄経となる。
    例えば次のようにして、西暦1931年3月12日正午における太陽の黄経を知ることができる。
    アストロラーベの裏側で、内側にある月の名前の書かれた円を元に日付の円を探す。
    それからアリダードを先に述べた日付にあてると、アリダードの先は縁の目盛りでおおよそ白羊宮1度の度数を指していることが分かるが、これが答えとなる。

    (訳注:当時はユリウス暦を使っていたが、当時の春分の日付は現在のグレゴリオ暦とはズレていて、3月12日あたりが春分にあたっていた。同様に、次の例の12月13日は当時では冬至にあたる)

    Another day, I would know the degree of my sun, and this was at midday in the 13 day of December; I found the day of the month in manner as I said; then I laid my rule upon this aforseid 13 day, and the point of my rule found in the border upon the first degree of Capricorn, a little within the degree; and then I had of this conclusion the full experience.
    And for the more declaracion, lo here your figure.

    別の日の太陽の黄経も分かる。
    ここでは12月13日としてみよう。
    言ったとおりの方法でその日付を見つけ、アリダードを今述べた13日にあてると、アリダードの先は縁の目盛りでおおよそ磨羯宮1度の度数を指していることが分かり、これが答えとなる。
    さあこれでこの使い方は充分に分かっただろう。
    より詳しくは図で示す。

  2. 太陽や、その他の天体の高度を知る
    To know the altitude of the sun, or of other celestial bodies.
    Put the ring of your Astrolabe upon your right thumb, and turn your left side against the light of the sun.
    And move your rule up and down, till that the streams of the sun shine through both holes of your rule.
    Look then how many degrees your rule is arisen from the little cross upon your east line, and take it the altitude of your sun.
    And in this same way you may know by night the altitude of the moon, or of bright stars.
    This chapter is so general ever in one, that there needs no more declaracion; but forget it not.
    And for the more declaracion, lo here the figure.

    アストロラーベのリングに右の親指を入れ、体の左側を日の光に向ける。
    そして、太陽の光線がアリダードの両方の穴を通るまで、アリダードを上下に動かす。
    そしてアリダードが東の線上にある小さな十字から何度の角度にあるかを見ると、それが太陽の高度である。
    これと同じやり方で、夜に月や明るい星の高度を知ることができる。
    このセクションは全く一般的なことで、これ以上の説明は必要ないが、この説明は忘れるな。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:太陽の高度の測定ではアリダードの穴は直接覗いてはならない。アリダードの2つの穴の影を地面や手のひらなどに受けながらアリダードを動かして、穴の影がぴったり重なった時のアリダードの角度を太陽の高度とする。夜の月や星は直接アリダードの穴を覗いて高度を測定する)

  3. 昼間の太陽の光や夜の恒星から時刻を知り、それにより昼や夜に東の地平線に昇るサインの度数(一般的にアセンダント、またはホロスコープと呼ばれるもの)を知る

    (訳注:現在は「ホロスコープ」という単語は人の出生星位図を意味するが、もともとはアセンダントを意味していた)

    To know every time of the day by light of the sun, and every time of the night by the stars fix, and eke to know by night or by day the degree of any sign that ascends on the East Horizon, which that is called commonly the Ascendant, or else Horoscope.
    Take the altitude of the sun when you choose, as I have said; and set the degree of the sun, in case that it be before the middle of the day, among your almucantars on the east side of your Astrolabe; and if it be after the middle of the day, set the degree of your sun upon the west side; take this manner of setting for a general rule, once for ever.
    And when you have set up the degree of your sun as many almucantars of height as was the altitude of the sun taken by your rule, lay over your label, upon the degree of the sun; and then the point of your label will sit in the border, upon the very time of the day.

    前に言ったやり方で太陽の高度を測る。
    そして、午前中であればアストロラーベ(訳注:表面)の東側の等高度線に(訳注:リートの十二宮環の)黄経の目盛りを合わせ、午後の場合は西側に黄経の目盛りを合わせる。
    この設定の仕方は常にいつもの決まりとするように。
    黄経の目盛りを、アリダードで測った高度に当たる高さの等高度線に合わせたら、ルールを黄経の目盛りに合わせる。
    するとルールの先が縁の目盛りで、まさに今の時刻を指している。

    Example as thus: the year of our lord 1391, the 12 day of March, I would know the time of the day.
    I took the altitude of my sun, and found that it was 25 degrees and 30 of minutes of height in the border on the back side.
    Then I turned my Astrolabe, and because that it was before midday, I turned my rete, and set the degree of the sun, that is to say, the 1 degree of Aries, on the right side of my Astrolabe, upon that 25 degrees and 30 of minutes of height among my almucantars; then I laid my label upon the degree of my sun, and found the point of my label in the border, upon a capital letter that is called an X; then I reckoned all the capital letters from the line of midnight unto this aforesaid letter X, and found that it was 9 of the clock of the day.
    Then I looked down upon the east horizon, and there found the 20 degree of Gemini ascending; which that I took for my ascendant.
    And in this way I had the experience for always in which manner I should know the time of the day, and eke my ascendant.

    例えば次のようにして、西暦1391年3月12日での時刻が分かる。
    裏面のアリダードで太陽の高度を測ったら、縁の目盛りで25度30分の高さにあったとする。
    それからアストロラーベを表面に返し、今は午前中なので、リートを回して、黄経目盛りのつまり白羊宮1度を、アストロラーベの右(訳注:東側。向かって左側であることに注意)の等高度線で25度30分の高さに合わせる。
    そしてルールを黄経の目盛りにあてると、ルールが指す縁の目盛りは大文字の「X」のところとなる。
    真夜中の線からさっきの「X」のところまで大文字を数えていくと、朝の9時であることが分かる。
    そこで東の地平線を見ると、双児宮20度が昇っていることが分かり、これが求めるアセンダントである。
    このやり方によって私はいつも時刻を知り、アセンダントを割り出している。

    (訳注:これはオックスフォードの緯度である北緯51度45分に対応したティンパンを使った説明であることに注意。これを例えば日本の緯度(北緯35度近辺)に対応したティンパンでやってしまうと頓珍漢なことになる)

    Then I would know the same night following the hour of the night, and worked in this way.
    Among a heap of stars fix, it liked me for to take the altitude of the fair white star that is called Sirius; and found it sitting on the west side of the line of midday, 18 degrees of height taken by my rule on the back-side.
    Then I set the center of this Sirius upon 18 degrees among my almucantars, upon the west side; because that it was found on the west side.
    Then I laid my label over the degree of the sun that was descended under the west horizon, and reckoned all the letters capitals from the line of midday unto the point of my label in the border; and found that it was passed 8 of the clock the space of 2 degrees.
    Then I looked down upon my east horizon, and found there 23 degrees of Libra ascending, which I took for my ascendant; and thus I learned to know once for ever in which manner I should come to the hour of the night and to my ascendant; as verily as may be taken by so small an instrument.

    そしてその後の同じ日の夜の時刻は、次のようにすれば分かる。
    多くの恒星の中で、高度を測るのに良さそうなのは、白く明るいシリウス(訳注:おおいぬ座α星。全天で最も明るい恒星)と呼ばれる星だ。
    シリウスが子午線より西側にあって、裏面のアリダードで測ると18度の高さだったとする。
    そこで、星が西側にあったことから、(訳注:リートの)シリウスの位置を(訳注:ティンパンの)西側の等高度線の18度に合わせる。
    それからルールを西の地平線の下に沈んだ太陽の黄経の度数(訳注:この日の太陽の黄経は白羊宮1度)に当て、ルールが指す縁の大文字を正午の線から数えると、8時を2度すぎた時刻(訳注:表の縁の目盛りの1度は4分なので、つまり8時8分)であることが分かる。
    それから東の地平線を見ると、天秤宮23度が昇っていることが分かり、これがアセンダントである。
    こうして、このような小さな器具であっても正確に、いつでも夜の時刻とアセンダントを知る方法が分かった。

    But nevertheless, in general, I would warn you forever, not make you never bold to have take a just ascendant by your Astrolabe, or else to have set justly a clock, when any celestial body by which that you expect govern that things are near the south line; for trust well, when that the sun is near the meridional line, the degree of the sun runs so long concentric upon the almucantars, that soothly you shall err from the just ascendant.
    The same conclusioun I say by the center of any fixed star by night; and moreover, by experience, I know well that in our horizon, from 11 of the clock unto one of the clock, in taking of a just ascendant in a portable Astrolabe, it is to hard to know.
    I mean, from 11 of the clock before the hour of noon till one of the clock next following.
    And for the more declaracion, lo here your figure.

    だがしかし、一般的に、お前が目をつけた天体が南の線のそばにある時には、決してアストロラーベでアセンダントを割り出したり、または時刻を設定したりしないように、私は厳しく警告する。
    これは信じてほしいのだが、太陽が子午線の近くにあると、黄経目盛りが一つの等高度線に長く留まるので、お前は正しいアセンダントを読み違えてしまうだろう。
    夜ではどの恒星でも同じことが言える。
    さらには経験上、我々の地平線では、時計の11時から1時の間、持ち運べるアストロラーベで正確なアセンダントを決定するのは難しいということが分かっている。
    つまり、正午1時間前の11時からその次に続く1時までという意味だ。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:子午線のそばに来た天体は、連続で測定しても高度があまり変わらず、子午線の東にあるか西にあるかの判断がしづらいので読み違えやすい。さらにオックスフォードは太陽の位置が日本より総じて低いため、子午線近辺にある太陽の厳密な向きの判断がより難しい)

  4. アセンダントについての特別な説明
    Special declaration of the ascendant.
    The ascendant soothly, as well in all nativities as in questions and elections of times, is a thing which that these astrologers greatly observe; wherefore seems me convenient, since that I speak of the ascendant, to make of it special declaration.
    The ascendant soothly, to take it at the largest, is that degree that ascends at any of those aforesaid times upon the east horizon; and therefore, if that any planet ascends at that same time in that aforesaid degree of its longitude, men say that the planet is in horoscopo.

    アセンダントというものはとにかく、出生星位図で質問や天命をみるのと同じくらいに、占星学者たちが大いに注目するものだ。
    なのでアセンダントについて、特別に説明しておいた方が都合が良いだろう。
    実にアセンダントとは、ざっくり言うと、ある時刻において東の地平線に昇る(訳注:黄道の黄経の)度数のことである。
    そして、もしその同じ時刻にその黄経で惑星が地平線から昇るならば、その惑星は「ホロスコープにある」と呼ばれる。

    But soothly, the house of the ascendant, that is to say, the first house or the east angle, is a thing more broad and large.
    For after the statutes of astrologers, what celestial body that is 5 degrees above that degree that ascends, or within that number, that is to say, near the degree that ascends, yet they reckon that planet in the ascendant.
    And what planet that is under that degree that ascends the space of 25 degrees, yet they say that the planet is like to him that is in the house of the ascendant; but soothly, if it passes the bounds of those aforesaid spaces, above or beneath, they say that the planet is failing from the ascendant.

    しかし全く、アセンダントのハウス、つまり1ハウスまたは東のアングル(軸)とは、もっと大きくて幅がある。
    占星学者たちの決まりによれば、地平線の上5度以内、つまり地平線の近くにある天体は、アセンダントにある惑星とみなすことになっている。
    そして地平線の下25度までの範囲にある惑星も、同様にアセンダントのハウスにあると彼らは言う。
    しかし全く、惑星がその領域を外れて、その上や下にあるならば、その惑星はアセンダントから落ちると表現される。

    (訳注:これは業界用語でいう「上昇星(ライジングプラネット)」の説明である。チョーサーは占星術に関してそこまで詳しくなく、この説明では微妙に混同されているが、惑星が上昇星であることと1ハウスにあることは本来は別の話である)

    Those astrologers say it, that the ascendant, and eke the lord of the ascendant, may be shaped for to be fortunate or unfortunate, as thus: they call a fortunate ascendant when that no wicked planet, as Saturn or Mars, or else the Tail of the Dragon, is in the house of the ascendant, nor that no wicked planet have no aspect of enmity upon the ascendant; but they will cast that they have a fortunate planet in their ascendant and yet in this felicity, and then they say that it is well.
    Furthermore, they say that the unfortunate of an ascendant is the contrary of those aforesaid things.

    彼ら占星学者たちは、アセンダントや、アセンダントの支配星(訳注:アセンダントの黄経が属するサインの支配星)が、次のように幸運か不運かを決めていると言う。
    土星や火星などのマレフィック天体(凶星)もしくはドラゴンテイル(訳注:黄道と月軌道の交点・降交点。惑星ではないが天体として扱う)が上昇星ではなく、かつアセンダントがマレフィック天体とはハードアスペクト(凶座相、訳注:黄経の位置の差が45度・90度・180度となる角度)をとっていないならば、吉相のアセンダントだと彼らは言う。
    しかし彼らは、アセンダントにベネフィック天体(吉星、訳注:太陽、月、金星、木星)があることをより幸運だとみなしていて、彼らはそれを吉相だと言う。
    さらには、彼らは今述べたこととは反対のものを、アセンダントが凶相だと言う。

    The lord of the ascendant, they say, that it is fortunate, when it is in good place from the ascendant as in angle; or in a succedent, whereas it is in its dignity and comforted with friendly aspects of planets and well received, and eke that it may see the ascendant, and that it do not retrograde nor combust, not joined with no shrew in the same sign; not that it is not in its descention, nor joined with no planet in its discention, not have upon it no unfortunate aspect; and then they say that it is well.

    アセンダントの支配星が……

    • アセンダントとソフトアスペクト(吉座相、訳注:黄経の位置の差が30度、60度、120度)を取っている
    • あるいは、サクシーデント・ハウス(訳注:2ハウス、5ハウス、8ハウス、11ハウスのどれか)にあって、品位が良く(訳注:惑星は黄経のサインによって長所が活きたり逆に短所が目立ったりするとされる)、他の天体とソフトアスペクトを取っていて、惑星の持つ長所が引き立てられている
    • または、アセンダントにあって、逆行したり、コンバスト(訳注:黄経の位置で太陽に近すぎること。太陽に焼かれて惑星の力が弱まるとされる)されていない
    • アセンダントにあって、悪影響を及ぼす星と同じサイン内で合になっていない
    • ディセンダント(西の地平線、訳注:アセンダントから黄経で180度の位置・太陽の沈む地点)にはない
    • ディセンダントで他の惑星と合になっていない
    • ディセンダントにあって、他の惑星とハードアスペクトを取っていない

    ……であれば、彼らはそれを吉相だと言う。

    Nevertheless, these are observances of judicial matters and rites of pagans, in which my spirit has no faith, nor knowing of its horoscope; for they say that every sign is divided in 3 even parts by 10 degrees, and that portion they call a Face.
    And although that a planet have a latitude from the ecliptic, yet some folk say, so that the planet arise in that same sign with any degree of the aforesaid face in which its longitude is reckoned, that yet the planet is in horoscopo, it is in nativity or in election, &c.
    And for the more declaracion, lo here the figure.

    とは言うものの、これらは決め事だとか信仰を持たぬ者たちの慣例にのっとったもので、私の魂はそれを信じないし、星位図についての知識もない。
    彼らは、それぞれのサインは10度ずつ均等に3つの部分に分かれているとして、そのそれぞれの部分を「デカン」(訳注:原文では「フェイス」。一般的にはフェイスはデカンの支配星であるとする場合が多い)と呼んでいる。
    そして、惑星は黄道からは外れているにも関わらず、ある種の人々は、黄経の算出されたこのデカンのどの度数でも惑星は同じサインで昇るだの、惑星がホロスコープにあるだの、出生星位図にあるだの天命であるだのと言う。
    より詳しくは図で示す。

  5. 太陽がアストロラーベの2本の等高度線の間に来る時、線の間に太陽を合わせる方法を知る
    To know the very equation of the degree of the sun, if so that is it fall between your almucantars.
    For as much as the almucantars in your Astrolabe are compounded by two and two, whereas in various Astrolabes some almucantars are compounded by one and one, or else by two and two, it is necessary to your learning to teach you first to know and work with your own instrument.
    Wherefore, when that the degree of your sun falls between two almucantars, or else if your almucantars are engraved with over great a point of a compass, (for both these things may cause error as well in knowing of the time of the day as of the very ascendant), you must work in this way.
    Set the degree of your sun upon the higher almucantars of both, and watch well where as your almury touches the border, and set there a prick of ink.
    Set down again the degree of your sun upon the lower almucantars of both, and set there another prick.
    Remove then your almury in the border even amid both pricks, and this will lead justly the degree of your sun to sit between both almucantars in its right place.
    Lay then your label over the degree of your sun; and find in the border the very time of the day or of the night.
    And as verily you shall find your ascendant upon your east horizon.
    And for more declaracion, lo here your figure.

    他のいろいろなアストロラーベでは等高度線が1度ごとや2度ごとなどに引かれているが、お前のアストロラーベの等高度線は2度ごとに引かれている。
    この練習ではまずお前に自分の器具の使い方を教える必要がある。
    そこで、太陽が2つの等高度線の間に来る場合、もしくは等高度線が先の太いコンパスで刻まれている(訳注:線が太い)場合(どちらの場合も、日中の時刻や正確なアセンダントを調べる際に間違いを引き起こす可能性がある)、次の方法で操作する。
    太陽の黄経を2本の等高度線の内の高い方に合わせ、アルムリが縁のどこを指しているかをしっかり読み取り、その位置にインクで点を付ける。
    太陽の黄経を2本の等高度線の内の低い方に再度合わせ、同様にして別の点を付ける。
    そしてアルムリを2つの点のちょうど真ん中に動かせば、太陽の黄経は両方の等高度線の間の正しい位置に置かれる。
    そうしたらルールを太陽の黄経にあてて、昼でも夜でも正確な時刻を縁から読み取る。
    同じようにして東の地平線から正確なアセンダントを割り出せるだろう。
    より詳しくは図で示す。

  6. 2つのcrepusculum(天文薄明)と呼ばれる、夜明けの始まりと黄昏の終わりの時刻を知る
    To know the spring of the dawn and the end of the evening, the which is called the two crepusculis:
    Set the nadir of your sun upon 18 degrees of height among your almucantars on the west side, and lay your label on the degree of your sun, and then shall the point of your label show the spring of day.
    Also set the nadir of your sun upon 18 degrees of height among your almucantars on the east side, and lay over your label upon the degree of the sun, and with the point of your label find in the border the end of the evening, that is, very night.
    The nadir of the sun is that degree that is opposite to the degree of the sun, in the seventh sign, as thus: every degree of Aries by order is nadir to every degree of Libra by order; and Taurus to Scorpio; Gemini to Sagittarius; Cancer to Capricorn; Leo to Aquarius; Virgo to Pisces; and if any degree in your zodiac is dark, its nadir shall declare it.
    And for the more declaracion, lo here your figure.

    太陽の底の黄経を等高度線で西側の18度の位置に合わせ、ルールを太陽の黄経の位置にあてると、ルールの先が朝の薄明の始まる時刻を指す。
    また、太陽の底の黄経を等高度線で東側の18度の位置に合わせ、ルールを太陽の黄経の位置にあてると、ルールの先が薄明の終わりの夜になる時刻を指す。
    太陽の底とは、太陽の反対側の黄道の黄経のことで、次のように太陽の位置から7番目のサインにある。
    白羊宮の各度数はその順番で天秤宮の各度数の底にあたっている。
    そして金牛宮は天蝎宮の、双児宮は人馬宮の、巨蟹宮は磨羯宮の、獅子宮は宝瓶宮の、処女宮は双魚宮の底にあたる。
    黄道十二宮でどの度数が地平線の下側にあっても、その底は明るい側にあるだろう。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:天文薄明とは太陽が地平線下18度の位置に来ることである。一般的にはアストロラーベには地平線の下の等高度線は描かれないため、地平線の下にある太陽は等高度線での位置合わせができないが、「底」にあたる黄経の180度反対側の黄道の点は必ず地上にあることから、そちらで位置合わせをする。なお一部のアストロラーベには天文薄明の算出のために地平線下18度の等高度線(トワイライトライン)が描かれているものもある)

  7. 一部の人々が「人工の一日」と呼ぶ、日の出から日没までの時間を知る
    To know the arc of the day, that some folk call the artificial day, from the sun arising till it go to rest.
    Set the degree of your sun upon your east horizon, and lay your label on the degree of the sun, and at the point of your label in the border set a prick.
    Turn then your rete about till the degree of the sun sit upon the west horizon, and lay your label upon the same degree of the sun, and at the point of your label set another prick.
    Reckon then the quantity of time in the border between both pricks, and take there your arc of the day.
    The remnant of the border under the horizon is the arc of the night.
    Thus you may reckon both arcs, or every portion, of whether that you like.
    And by this manner of working you may see how long that any fixed star dwells above the earth, from time that it rises till it go to rest.
    But the day natural, that is to say 24 hours, is the revolution of the equinoctial with as much part of the zodiac as the sun of its proper moving passes in the meanwhile.
    And for the more declaracion, lo here your figure.

    太陽の黄経を東の地平線に合わせ、ルールを太陽の黄経の位置にあて、縁でルールが指す先に点をつける。
    それから太陽の黄経の位置が西の地平線に来るまでリートを回し、ルールを太陽の黄経にあて、縁でルールが指す先にもう一つ点をつける。
    そうしたら縁の2つの点の間の時間を数えて、それを日中の長さとする。
    縁で地平線の下側の残りの時間が夜の長さである。
    こうして両方もしくはどちらかのみでも、好きに時間の長さを数えればよい。
    これと同じ方法で、任意の恒星が昇ってから沈むまでの、地上にある時間の長さを知ることも可能だ。
    24時間の「自然な一日」とは天の赤道の回転であり、太陽が固有の動きで動く間に、黄道帯も同じくらい回転をしている。
    より詳しくは図で示す。

  8. 不定時法を定時法に変換する
    To turn the unequal hours in equal hours.
    Know the number of the degrees in the unequal hours, and divide it by 15, and take it your equal hours.
    And for the more declaraciun, lo here your figure.

    不定時法での角度(訳注:アストロラーベ上で、日の出の位置から日没の位置までは角度にして何度あるか)を知り、それを15で割ると、定時法での時間となる。
    より詳しくは図で示す。

    (訳注:不定時法とは、日の出から日没までの時間と、日没から次の日の日の出までの時間をそれぞれ12等分して1時間とするものであるが、不定時法では昼と夜で1時間の長さが異なるし、昼の1時間も季節によって長さが変わる。このセクションはつまり不定時法での12時間を定時法での時間の長さに変換する方法である。
    たとえば春分・秋分なら日の出の位置から日没の位置までの角度は180度であるが、180を15で割ると12となって、日の出から日没の間は定時法で12時間の長さということになる。
    北緯35度での夏至では日の出の位置から日没の位置までの角度はおよそ210度以上あった。120を15で割ると14となるので、日の出から日没まで14時間以上あるということになる)

  9. 「俗な一日」、すなわち夜明けの始まりから黄昏の終わるまでの時間を知る
    To know the quantity of the vulgar day, that is to say, from spring of the day unto very night.
    Know the quantity of your crepusculis, as I have taught in the chapter before, and add it to the arc of your artificial day; and take it the space of all the whole vulgar day, unto very night.
    The same manner you may work, to know the quantity of the vulgar night.
    And for the more declaracion, lo here the figure.

    前のセクション(訳注:項番6・天文薄明の時刻)で教えた通りにして薄明の時間を測り、「人工の一日」の長さに加えると、それが黄昏の終わりまでの「俗な一日」の長さとなる。
    同じ方法で「俗な夜」(訳注:黄昏の終わりから翌日の夜明けの始まりまで)の時間の長さも知ることができる。
    より詳しくは図で示す。

  10. 不定時法での日中の1時間の長さを知る
    To know the quantity of unequal hours by day.
    Understand well, that these unequal hours are called hours of planets, and understand well that sometime they are longer by day than by night, and sometime the contrary.
    But understand well, that evermore, generally, the unequal hour of the day with the unequal hour of the night contain 30 degrees of the border, which border is evermore answering to the degrees of the equinoctial; wherefore the arc of the artificial day divide in 12, and take it the quantity of the unequal hour by day.
    And if you abate the quantity of the unequal hour by day out of 30, then the remnant that leave shall perform the hour unequal by night.
    And for the more declaracioun, lo here the figure.

    不定時法での1時間はプラネタリーアワーと呼ばれており、夜の1時間より昼の1時間の方が長いこともあれば、その逆のこともあるということをよく理解しておきなさい。
    しかし、それ以上に、一般的に、不定時法での昼の1時間と不定時法での夜の1時間の合計は、アストロラーベの縁で30度となっており、アストロラーベの縁は常に天の赤道に対応しているということをよく覚えておきなさい。
    そして、「人工の一日」の長さを12で割ると、それが不定時法での昼の1時間の長さとなる。
    不定時法での昼の1時間を30度から差し引けば、その残りは不定時法での夜の1時間となる。
    より詳しくは図で示す。

  11. 定時法での1時間の長さを知る
    To know the quantity of equal hours.
    The quantity of equal hours, that is to say, the hours of the clock, are divided by 15 degrees already in the border of your Astrolabe, as well by night as by day, generally forever.
    What needs more declaracion?
    Wherefore, when you list to know how many hours of the clock are passed, or any part of any of these hours that are passed, or else how many hours or part of hours are to come, from switch a time to switch a time, by day or by night, know the degree of your sun, and lay your label on it; turn your rete about jointly with your label, and with the point of it reckon in the border from the sun arise unto the same place there you desire, by day as by night.
    I will declare this conclusion in the last chapter of the 4 part of this treatise so openly, that there shall lack no word that needs to the declaracion.
    And for the more declaracion, lo here the figure.

    定時法での1時間の時間、つまり時計の1時間は、昼も夜も同じく変わらず、すでにお前のアストロラーベの縁で15度ずつに分割されている。
    これ以上の説明が必要だろうか?
    だから、時計の時間で何時間が過ぎたのか、過ぎたのは時計の時間のうちで何分か、夜や昼で時間が切り替わるまでに何時間または何分が必要なのか、知りたいことがある時は、太陽の黄経を調べてルールをそこにあてなさい。
    ルールごとリートを回転させて、ルールが縁で指す先で、日の出からお前の望む時刻まで、昼でも夜でも計算すればよい。
    この使い方はこの後この論文の第4部で詳らかに説明する予定であるから、ここで言葉による説明をする必要はないだろう。
    より詳しくは図で示す。


(翻訳中、おいおい追加します)


Explicit tractatus de Conclusionibus Astrolabii, compilatus per Galfridum Chauciers ad Filium suum Lodewicum, scolarem tunc temporis Oxonie, ac sub tutela illius nobilissimi philosophi Magistri N. Strode, etc.

偉大なる哲学教授N.ストローデその他の指導の元で、当時オックスフォードの学舎の生徒であった息子ルイスのため、ジェフリー・チョーサーによって編集されたアストロラーベ使用法ハンドブック。

補足資料

SUPPLEMENTARY PROPOSITIONS.
  1. 正接の目盛り(Umbra Recta
    Umbra Recta.
    If it is so that you will work by umbra recta, and you may come to the base of the tower, in this manner you shall work.
    Take the altitude of the tower by both holes, so that your rule lay even in a point.
    Example as thus: I see through it at the point of 4; then I measure the space between me and the tower, and I find it 20 feet; then I behold how 4 is to 12, so right the space between you and the tower is to the altitude of the tower.
    For 4 is the third part of 12, so the space between you and the tower is the third part of the altitude of the tower; then three 20 feet is the height of the tower, with adding of your own person to your eye.
    And this rule is so general in umbra recta, from the point of one to 12.

    正接の目盛り(Umbra Recta、訳注:横の目盛り)を使うには、塔の根元まで行けるのならば、この方法で使えるだろう。
    アリダードが目盛りのところに来るように、両方の穴を使って塔の高度を取る。
    例えば、4の目盛りのところから塔を見る(訳注:アリダードを正接の目盛りの4に合わせ、その位置のアリダードの2つの穴から塔のてっぺんが覗ける地点まで行く)。
    それから自分と塔の間を測ると、20フィートであった。
    すると4:12の割合はまさに、「自分と塔との間の距離」:「求める高さ」の割合になる。
    4は12の3分の1なので、自分と塔の間の距離は求める高さの3分の1である。
    ということは20フィートの3倍に自分の目の高さを足したものが塔の高さである。
    これが正接の1から12までの目盛りの一般的な使い方である。

    And if your rule fall upon 5, then 5 12-parts of the height is the space between you and the tower; with adding of your own height.

    もしアリダードが5の目盛りに来るならば、自分と塔の間の距離は求める高さの12分の5であり、求めた高さに自分の身長を加える。

  2. 余接の目盛り(Umbra Versa
    Umbra Versa.
    Another manner of working, by umbra versa.
    If so is that you may not come to the base of the tower, I see it through the number of 1; I set a prick there at my foot; then I near to the tower, and I see it through at the point of 2, and there I set another prick; and I behold how 1 has it to 12, and there I find that it has that twelve times; then behold I how 2 has it to 12, and you shall find that six times; then you shall find that as 12 above 6 is the number of 6, the space between your two pricks is right so the space of 6 times your altitude.
    And note, that at the first altitude of 1, you set a prick; and afterward, when you see it at 2, there you set another prick; then you find between two pricks 60 feet; then you shall find that 10 is the 6 part of 60.
    And then 10 feet is the altitude of the tower.

    余接の目盛り(Umbra Versa、訳注:縦の目盛り)を使う別の方法。
    もし塔の根元に行けなければ、(訳注:余接の)1の目盛りで塔を見る(訳注:アリダードを余接の目盛りの1に合わせ、その位置のアリダードの2つの穴から塔のてっぺんが覗ける地点まで行く)。
    そして足元に印をつける。
    それから、塔に近づき、(訳注:余接の)2の目盛りで塔を見て、別の印を(訳注:足元に)つける。
    さて、12に対して1(訳注:の目盛りに当たる位置)の長さを見ると、その長さは(訳注:求める高さの)12倍である。
    そして12に対して2(訳注:の目盛りに当たる位置)の長さを見ると、その長さは(訳注:求める高さの)6倍である。
    すると12(訳注:12倍)から6(訳注:6倍)を引くと6(訳注:6倍)なので、2つの印の間の距離は求める高さのまさに6倍ということになる。
    最初に、1の目盛りのところ(訳注:1の目盛りに合わせたアリダードの2つの穴から塔のてっぺんが見えたところ)に、印をつけたことを思い出せ。
    その後に、2の目盛りから見えたところ(訳注:2の目盛りに合わせたアリダードの2つの穴から塔のてっぺんが見えたところ)にも、別の印をつけた。
    そして、2つの印の間が60フィートであることが分かった。
    すると、60の6分の1は10だということが分かる。
    つまり塔の高さは10フィートである。

    For other points, if it fill in umbra versa, as thus: I set case it fill upon 2, and at the second upon 3; then you shall find that 2 is 6 parts of 12; and 3 is 4 parts of 12; then 6 passes 4, by number of 2; so the space between two pricks is twice the height of the tower.
    And if the difference were three, then it should be three times; and thus you may work from 2 to 12; and if it is 4, 4 times; or 5, 5 times; et sic de ceteris.

    余接の目盛りの別の点については、次のことが言える。
    2の目盛りと3の目盛りを使う場合である。
    2は12の6分の1で、3は12の4分の1である。
    6から4を引くと2なので、2つの印の間の距離は塔の高さの2倍である。
    差が3であれば3倍であるということだ。
    2から12までの目盛りはこのようにして使う。
    4ならば4倍、5ならば5倍、残りも同様である。

  3. 正接の目盛り(Umbra Recta)の別の使い方
    Umbra Recta.
    Another manner of working by umbra recta.
    If it is so that you may not come to the base of the tower, in this manner you shall work.
    Set your rule upon 1 till you see the altitude, and set at your foot a prick.
    Then set your rule upon 2, and behold what is the difference between 1 and 2, and you shall find that it is 1.
    Then measure the space between two pricks, and that is the 12 part of the altitude of the tower.
    And if there were 2, it were the 6 part; and if there were 3, the 4 part; et sic deinceps.
    And note, if it were 5, it were the 5 part of 12; and 7, 7 part of 12; and note, at the altitude of your conclusion, add the stature of your height to your eye.

    正接の目盛りを使う別の方法。
    もし塔の根元に行けなければ、この方法を使う。
    アリダードを(訳注:正接の)1の目盛りに合わせて高度を取り、足元に印をつける。
    そしてアリダードを(訳注:正接の)2の目盛りに合わせ(訳注:塔から離れて行って高度を取り、その足元に印をつけて)、1と2の差を取ると1である。
    そこで2つの印の間を測ると、それが求める高さの12分の1である。
    もし(訳注:目盛りの差が)2であれば、(訳注:求める高さの)6分の1である。
    もし(訳注:目盛りの差が)3であれば、(訳注:求める高さの)4分の1、以下同様である。
    気をつけるのは、もし(訳注:目盛りの差が)5なら(訳注:求める高さの)12分の5であり、(訳注:目盛りの差が)7なら(訳注:求める高さの)12分の7であることだ。
    こうして求めた高さに、自分の目の高さを加える。


(翻訳中、おいおい追加します)


[The following sections are spurious; they are numbered so as to show what propositions they repeat.]

(以下のセクションは疑わしい(訳注:正確な説明ではない)。重複する説明の番号を当てている)

  • 41a. 正接の目盛り(Umbra Recta)その2
    41a. Umbra Recta.
    If your rule fall upon the 8 point on right shadow, then make your figure of 8; then look how much space of feet is between you and the tower, and multiply that by 12, and when you have multiplied it, then divide it is the same number of 8, and keep the reminder; and add thereto up to your eye to the reminder, and that shall be the very height of the tower.
    And thus you may work on the same way, from 1 to 12.

    アリダードが右側の影の目盛りの8に来たときは、数字を8とする。
    そしてお前と塔との間の距離がどのくらいを見たら、その距離を12倍して、さっきの数字の8で割り、余りは取っておく。
    それからそこにお前の目の高さと余りを足せば、それがちょうど塔の高さとなる。
    1から12までの目盛りは同じようなやり方で使用する。

  • 41b. 正接の目盛り(Umbra Recta)その3
    41b. Umbra Recta.
    Another manner of working upon the same side.
    Look upon which point your rule falls when you see the top of the tower through two little holes; and measure then the space from your foot to the base of the tower; and right as the number of your point has itself to 12, right so the measure between you and the tower has itself to the height of the same tower.
    Example: I set case your rule fall upon 8; then 8 is two-third parts of 12; so the space is the two-third parts of the tower.

    同じ側(訳注:正接の目盛り)のもう一つの使い方。
    小さな穴を通して塔のてっぺんを見たとき、アリダードがどの目盛りに来るかを見る。
    そして自分の足から塔の真下までの距離を測る
    「目盛りの値」:12の割合が、「自分とその塔の間の距離」:「塔の高さ」の割合になる。
    例えば、アリダードが8の目盛りに来たとすると、8は12の3分の2であるから、距離は塔の高さの3分の2である。

  • 42a. 余接の目盛り(Umbra Versa)その2
    42a. Umbra Versa.
    To know the height by your points of umbra versa.
    If your rule fall upon 3, when you see the top of the tower, set a prick there as your foot stand; and go near till you may see the same top at the point of 4, and set there another like prick.
    Then measure how many foot is between the two pricks, and add the length up to your eye thereto; and that shall be the height of the tower.
    And note, that 3 is [the] fourth part of 12, and 4 is the third part of 12.
    Now 4 passes the number of 3 is the distance of 1; therefore the same space, with your height to your eye, is the height of the tower.
    And if it is so that there is 2 or 3 distance in the numbers, so the mesures between the pricks should be two or three the height of the tower.

    余接の目盛りで高さを知る。
    塔のてっぺんを見たときにアリダードが(余接の)3の目盛りにあったら、立っている足元に印をつけ、塔のてっぺんが(余接の)4の目盛りで見えるところまで近づき、そこに別の印をつける。
    それから2つの印の間が何フィートあるかを測り、その長さに目の高さを加えると、それが塔の高さとなる。
    覚えておくべきは、3は12の4分の1であり、4は12の3分の1であるということだ。
    4から3を引いた差は1である。
    なのでその同じ距離に、目の高さを足したものが、塔の高さである。
    もし2もしくは3の差があるなら、印の間の距離は塔の高さの2倍もしくは3倍となるだろう。

  • 43a. 正接の目盛りで高度を知る別の方法より
    43a. Ad cognoscendum altitudinem alicuius rei per umbram rectam.
    To know the height of things, if you may not come to the base of a thing.
    Set your rule upon what you will, so that you may see the top of the thing through the two holes, and make a mark there your foot stands; and go near or farther, till you may see through another point, and mark there another mark.
    And look then what the difference is between the two points in the scale; and right as that difference has it to 12, right so the space between you and the two marks has it to the height of the thing.

    根元まで行けない目標物の高さを知る方法。
    任意の(訳注:正接の)目盛りにアリダードを合わせ、2つの穴から目標物のてっぺんが見える場所まで行き、足元に印をつける。
    そして、別の(訳注:正接の)目盛りで(訳注:目盛りにアリダードを合わせ、2つの穴から目標物のてっぺんが)見える場所まで、近づくか離れるかして、そこに別の印をつける。
    それから(訳注:アリダードを合わせた)2つの目盛りの差がいくつかを見る。
    その「目盛りの差」:12の割合は、ちょうど「自分と2つの印の間の距離」:「目標物の高さ」の割合になる。

    Example: I set case you see it through a point of 4; after, at the point of 3.
    Now the number of 4 passes the number of 3 is the difference of 1; and this difference 1 has right as itself to 12, right so the measure between the two marks has it to the height of the thing, putting to the height of yourself to your eye; and thus you may work from 1 to 12.

    例えば、まず(訳注:正接の)4の目盛りで(訳注:目的物のてっぺんを)見て、それから3の目盛りで見たとする。
    さて、数の4と数の3の差は1である。
    するとこの「差の1」:12の割合は、「2つの印の間の距離」:「求める高さ」である。
    求めた高さに自分の目の高さを加える。
    このようにして1から12の目盛りを使う。

  • 42b. 余接の目盛りを使って
    42b. Per umbram versam.
    Furthermore, if you will know in umbra versa, by the craft of umbra recta, I suppose you take the altitude at the point of 4, and make a mark; and you go near till you have it at the point of 3, and than make you there another mark.
    Then you must divide 144 by each of the aforesaid points, as thus: if you divide 144 by 4, and the number that comes thereof shall be 36, and if you divide 144 by 3, and the number that comes thereof shall be 48, then look what the difference between 36 and 48 is, and there you shall find 12; and right as 12 has it to 12, right so the space between two pricks has it to the altitude of the thing.

    さらに、正接の目盛りと同じやり方で余接の目盛りを使うには、(訳注:余接の)4の目盛りで高度を取り、(訳注:足元に)印をつける。
    そしてそれから3の目盛り(訳注:高度を取れるところ)まで近づき、そこに別の印をつける。
    そして次のようにして、さっきのそれぞれの目盛りの数で144を割る。
    144を4で割るとその数は36になり、144を3で割るとその数は48になって、36と48の差がいくつかを見ると12である。
    「この差の12」:12の割合が、「2つの印の間の距離」:「求める高さの割合」と同じになる。