Luminareo

吊るされた男

吊るされた男 ― 打つ手なしとにかく最低

2014-08-06

はい、
瀬野が一番「こいつはマズい」と思うのが、この「吊るされた男」です。

「吊るされた男」は一般的に「試練の時」「忍耐」「犠牲」とか、
あと「献身」を意味すると言われます。
瀬野の持ってる解説書では「優先順位の交換」と書かれてるのがあるなぁ。

でも、瀬野の体感としては、こいつが出るときは
「今は何やっても無駄、ほっとけ。時が過ぎるのを待て」というときです。


試練でも忍耐でも献身でも、何やっても別にいいんですが、
このカードが出た時は、瀬野の場合、

試練を乗り越えたところで、
耐えに耐えきったところで、いくら己の身を尽くしてやったところで、

結果、その代償となるような出来事なんざ、
何一つありません
でした。
優先順位の交換とかさっぱり訳分らんわ。

こいつが出たとき は、どんなアクションを起こしても、無駄。
下手な身動きはしない方がいい。
大人しくして一連の事態が収まるのを待つ だけ。

で、事態が収まっても、別に何もいいことなんかない。
ただひと段落するだけ。

それが瀬野にとっての「吊るされた男」です。

状況としてはマジ最低

自分の打とうとしている手が無駄、っていうと
「悪魔」と意味がかぶるように思うかもしれませんけど、
「吊るされた男」の場合は「悪魔」より 性質が悪い です。

「悪魔」の場合は、
その手段にこだわるのがダメということであって、
打つ手が全くない訳じゃないんだから。

これが「吊るされた男」だと、何やっても無駄 となる。

時が移ろうの待つ以外に 手段がない。
しかも、事態が収拾した後に、自分にとって得られるものも何も無い。

……これを さいってー と言わずしてどうしますか。
破滅しても、その後に自分にとっての真実が残る分、「塔」の方が遥かにマシだ。


ほんとね、一般的な解説さんには、「試練の時」だの「献身」だのと
きれーな言葉を使うのはやめてくれよと思いますよ。

それじゃまるで、「苦しいけど耐えればいいことあるよ」的な
その試練を乗り越えたらご褒美があるみたいな 錯覚 を起こすじゃないですか。
20年以上気持ちよく勘違いしてたぞこっちは。

「吊るされた男」が出たときは、耐えるしかない上に、耐えたって何もない。
諦めて、苦しいなら苦しめ。今はそれしかできません。

はっきりそう明言しましょうよ。
うん、だから瀬野はそう言いますよ。


でも、今がどんなに苦しくて打つ手なしだろうが、その結果何もなかろうが
だからって、人生それでストップして終わりって訳 じゃない んですな。

その状態が過ぎ去ったら、それはもう打ちやって
また次のステップを行くときが来ます。

今関わっている事態のためではなく、自分のその先のため に、
今はやり過ごせ
って感じです。「吊るされた男」って。

耐えてやり過ごす境地

「吊るされた男」については、「悟りの境地」という解説も見受けられます。

カードに描かれている男は、逆さに吊るされてます。
逆さ吊りってことは普通に考えれば刑罰です。この男は刑罰を受けている訳です。
刑罰を受けるということは、身の上に起きる災難な出来事の典型例と言えるでしょう。

でも、この男はえらく涼しい顔をしてます。それどころか後光が差してる。

それはつまり、男の中には 信念 がある、……
この男がしたことは刑罰の対象でも、それでも本人はどうしてもそれをしたかった
という見方ができると思います。

この男のやったことは本当は正しいことで、この男は身に覚えのない罪を……
なんちゅうくっさい屁理屈は要らんです。
この世の中信念でやったことなら必ず他人が認めてくれるなんてことはありません。

この男のやったことは、あなたから見てもとても嫌な、悪いことだったら。
それでも、この男は心底本心からそれをやりたくてやったのだとしたら。


外からは何一つ見返りがなくても
もしくはそれをした結果たとえ不幸な出来事が起こるとしても
それでも、自分としては今それをどうしてもやりたいなら?

そして、それをやったのだとしたら?
その結果、本当に不幸な出来事に見舞われたとしたら?

それをするのが本当に本懐だったなら、
その結果大失敗しててめえが苦しむ羽目になっても、
後悔はしない でしょう。

そうして、今は苦しむしかないと分かってて、そんなら割り切って苦しむ、
それを甘んじて受け入れられるなら、そらまさしく「悟りの境地」
ですね奥さん!


……結局、「吊るされた男」については、
本懐の結果そうなったんであろうが、そうではなかろうが

「耐えたって報われないが、今は耐えるしかない。
 だから割り切ってやり過ごせ」

ということしか言えない瀬野です。
フォローも何もできなくて、お役に立たなくてごめんなさい!