プチ・ルノルマン 解説
海外のセレブもすなるルノルマンカードといふものを、瀬野もしてみむとてするなり。
ルノルマンカード、特に「プチ・ルノルマン」と呼ばれる種類のカードデッキについてのあれこれです。
ヨーロッパで19世紀頃から流布し、特にドイツやフランスあたりだと現在に至るまで、カード占いとしてはタロットよりもメジャーな占いだったりします。
なんせ最初期の資料を遡ってくとほぼほぼドイツ語なんよ!!
日本では、カードの存在自体は知っていても実践してる人となると少ないマイナーな占術だったのですが、最近になってアメリカでも解説本が充実しだしたことや、特に2014年に占術研究家の鏡リュウジ先生がデッキ付き解説本を出版したが直接のきっかけとなって、一気にタロット占術師の間に広まりました。
一枚のカードにシンボルがこれでもかと詰め込まれてるタロットに対し、ルノルマンは一枚につきシンボルが一つで、それを組み合わせて読む訳で。
シンボルの扱い方の勉強にはうってつけだよ!
タロット作成ついでにオリジナルのルノルマンも作っちゃいそうな気がするけど、
ルノルマンデッキ作っちゃいました。 → 通販サイトへはこちらからどうぞ。
とりあえず解説がてらの覚え書き置き場です。
ルノルマンおみくじ
ルノルマンは組み合わせで読むけど、おみくじ的な一枚引きコーナーを作ったぞ。気軽にどんどん引いてみてね!
カード:
ここに簡単な意味が出るよ
カードの意味とコンビネーション
ルノルマンって、正直どうスプレッドするかよりコンビネーションをどう読むかの方が重要。
そんな訳でカードの意味と、コンビネーションしたときの意味を集めてみました。
随時追加……するかもしれないし、しないかもしれない。
「希望のゲーム」の解説書では、グラン・タブローのスプレッドがいきなりデーンと書かれてました。
カードの意味はそこから占いに使った人たちの経験による伝承的な感じで体系立っていったようです。
こうして集めてみると、逆に個別のカードについて「このカードはどういうことか」的なイメージがはっきりするから面白い。
各自が各カードについて、または自分の扱う各シンボルについて、はっきりした連想的イメージを持つことが、ルノルマンに限らずタロットでも、他の占いやおまじないにとっても、重要なことだと瀬野は思うよ。
一次資料・和訳
プチ・ルノルマンの資料ってドイツ語のものが多いんですが、せっかくドイツ語を習ってたんで、和訳してみました。
ただし瀬野のドイツ語読解はへっぽこなんで、鼻ホジで眺めるくらいにしといてね!
iPhoneの独和辞書が、ないと猛烈に不便だというのに、使うとバッテリが猛烈な勢いで減るから泣くよ。
- 「ドイツの娯楽(Les Amusements des Allemands)」解説書・カード完訳(2020-04-20)
プチ・ルノルマンじゃないけど、採用されたシンボルの元ネタと目される、コーヒー占いをカード化したデッキ(1796年発行)とその解説書の和訳 - ヘヒテル「希望のゲーム(Das Spiel der Hoffnung)」解説書和訳(2014-08-30)
現在のプチ・ルノルマンの直接の元になったドイツのカードゲーム(1799年初版発行)の付属解説書の和訳 - 「フィリップ・ルノルマン・シート」(Philippe, Heirs of Mlle. LeNormand)独語面和訳(2020-11-28)
1850年頃にアメリカで流通し始めたプチ・ルノルマンのデッキに共通して付属した英独併記の解説書のドイツ語面の和訳 - 「神秘の記号つきルノルマンカード」解説書和訳(2017-08-17)
時折見かける、不思議な記号が特徴的なプチ・ルノルマンのデッキ(1870年頃発行)に付属のドイツ語解説書の和訳 - ドンドルフ版(Dondorf Wahrsage-Karten)独語詩和訳(2014-08-30)
20世紀初頭に最もポピュラーだったプチ・ルノルマンのデッキ(1880年発行)に書かれたドイツ語の詩の和訳 - レッドオウル(Lenormandkarten Die Rote Eule)独語詩和訳(2014-08-24)
現在も発行されてるプチ・ルノルマンとしては最古のデッキ(1920年発行)に書かれたドイツ語の詩の和訳
参考文献
このコーナーで主に参考にしているサイトや書籍は以下の通り。
プチ・ルノルマンについて
- サトノセーラ『マドモアゼル・ルノルマン・リブリ・シークレット』(2014)RASIEL, 100p.
- 鏡リュウジ(著), 遠藤拓人(絵)『秘密のルノルマン・オラクル』(2014)夜間飛行, 112p.
- リズ・ディーン(著), ベヴ・スペイト(絵), 鏡リュウジ(監修), 宮田攝子(訳)『運命のルノルマンカード占い』(2016)二見書房, 96p.
- マーカス・カッツ, タリ・グッドウィン(著), 伊泉龍一, 七海くらら, 田中美和子(訳)『ラーニング・ルノルマン』(2017)株式会社フォーテュナ, 372p.
- 香『ザ・ルノルマンカード』(2017)説話社, 218p.
- 伊藤龍一, 桜野カレン(著), 熊谷健(絵)『ルノルマン・カードの世界』(2018)駒草出版, 194p.
- 高橋桐矢(著), 加藤木麻莉(絵)『実践ルノルマンカード入門』(2018)学研プラス, 237p.
- Lilith『www.lilith-kartenlegen.de』(2000)
- STREGATO『STREGATO'S BLOG - Lenormandkarten』(2011)
- Lord Ewin『Learn Lenormand』(2012)
- Helen『Lenormand: A new identity』(2012), Lenormand dictionary
- Mary K. Greer「A New Lenormand Deck Discovery」(2013),「19th Century American Lenormand Decks」(2015), Mary K. Greer's Tarot Blog
PD一次資料・原著
- 『print; playing-card (Les Amusements des Allemands)』(1796), The British Museum
- Johann Kaspar Hechtel『print; playing-card (Das Spiel der Hofning - Le Jeu de l'Esperance)』(1799),『Das Spiel der Hofnung』(1799), The British Museum
- 『Schreiber / Catalogue of the collection of playing cards bequeathed to the British Museum by Lady Charlotte Schreiber』(1896), The British Museum
- 『Catalogue of the collection of playing cards bequeathed to the Trustees of the British museum by the late Lady Charlotte Schreiber』(1901), Internet Archive
- 『Die ächten Wahrsagekarten der berühmten Kartenschlägerin Le Normand in Paris』(1875), Gallica, Bibliothèque nationale de France
- Uta Dittrich『Lenormand Wahrsagekarten』(2006),『Mlle. Lenormand's Fortune Telling Cards』(2006)
- Spart-Bares GbR『Lenormand Museum (auf Deutsch)』(2009),『Lenormand Museum (in English)』(2009)
- Aeclectic Tarot Forum『Petit Lenormand history』(2012)
オリジナルカード・イラスト
- John Vinycomb『Fictitious & Symbolic Creatures in Art』(1906), Project Gutenberg
- Arthur Charles Fox-Davies『A Complete Guide to Heraldry』(1909), Wikisource
- Ralf Hartemink『Heraldry of the World』(1995)
- 『Category: Heraldic figures by subject』, Wikimedia Commons